(前回の「しじみ売り」からの続き)
岡っ引きに捕まった若旦那は「これは拾ったんだ」と繰り返します。しかし50両もの大金を拾ったという証言は当然にわかに信じられるものではありません。ましてや嘘なのですから、結局若旦那は江戸の牢獄に閉じこめられてしまうのでした。
若旦那は正直に「とある男から貰ったんだ」と言えば解放されるのです。男の居場所も教えてもらっているわけですから。しかしそんな不義理な事はできないと、若旦那は男をかばって本当の事を言わないのでした。そんなわけで家に連れ戻されたお姉さんは、心労のあまりそのまま床に伏せってしまいます。
しじみ売りの子供はそこまで話すと、そろそろ帰ろうとします。それを聞いた親分は「そうか」と感慨に耽って、5両を子供に渡そうとします。しかし子供は「お姉さんから知らない人からお金を貰ってはいけないと言われている」と固辞します。
最終的には持って行けとごり押しして、子供を帰らせます。実はその親分は天下の大泥棒「ねずみ小僧次郎吉」で、その若旦那を救った男その人だったのです。それを聞いた次郎吉は自分のせいで大勢の人を不幸にしているという事実を目の当たりにして、最後は自首しに行くという悲哀感の漂う落語でした。
「しじみ売り」というお話は、あの昭和の名人「古今亭志ん生」の十八番だったとか。しかしその中での次郎吉は、最後には自分が自首するのではなく、自分の弟子に身代わりに自首させるという話らしく、それを志の輔師匠は「天下の義賊がそれでは納得いかん!\(*`∧´)/」という事で、少しだけ脚本をいじって十八番にしているようです。私も弟子に身代わりに行かせるなんて、今のやくざ社会と同じようなものですから、どうもすっきりしない感じに思います。でもこれが歌の世界だったら「おふくろさん」を改変した森進一がしばらく歌えなくなったように、著作権侵害で問題化するのでしょうか(;^_^A
ともあれ落語というのは人から人へ受け継がれていくものです。そしてそれはやはり時代に応じて少しずつ形を変え、その時勢に合ったものにした方が、閉鎖的ではなく広く受け入れられ易いと思います。伝統と継承というのは色々な人が関わる大変な流れですが、日本の伝統文化をしっかりと伝えていく事も必要だと思います。(完)
さて、継承されていく日経平均は本日反落。前日のNYダウは金融機関への過度な規制強化に対する投資家の不安を反映して引けにかけて急落。一方の日本市場は引き続き97円に突入した円安を好感した買いが入って朝方から買いが先行。また政府による株価対策への期待感もあって買いが集まりましたが、後場に入るとアジア株安や今晩に控えたGMの四半期決算を控えて様子見ムードが先行。買いが続かずに小反落で引けました。
投資判断は「買い」。なかなか投資家心理に懐疑的なところもあって買い進まれるには勢いが足りない感じがしますが、それでも先週などに比べると、だいぶ市場の雰囲気は変わってきたと思えます。明日で今月の取引も終わりで、2月陰線もほぼ確定しましたが、TOPIXで昨年の安値を下回ってしまったことが痛い月でもありました。
ただ日産(7201)の減産幅圧縮のニュースなど、自動車メーカーを中心として在庫調整の底が見えてきたような明るい報道も増えてきていますし、なんだかんだで円安が輸出産業の業績を少しマシなものにしてくれます(現在98円を突破)。今はまだ海外市場が不安で簡単に買い進めないところですが、おそらく日本株には来週あたりからかなり強い買いが入ってくるのではないかと見ています。2月の新甫はマイナス方向に荒れましたが、3月新甫は強気の買いで見ていっても良いのではないかと思います。
新興市場は「強気の買い」。本日はヘラクレス指数のみ下落。指数寄与度の高いエンジャパン(4849)のストップ安が響いた格好ですが、それ以外の指数は主力株を中心に上げています。特にマザーズ指数の上昇が大きく、最近値を飛ばす小型軽量化株の存在が新興市場の黎明期を彷彿とさせます。ソフトブレーン(4779)、エイジア(2352)は本日で歯車が逆回転してしまいましたが、フィスコ(3807)は18営業日連続ストップ高と証券取引市場最高の快進撃が続いています(ただここもあと数日の命でしょうが)。また本日も南部化成(7880)がMBOで現値の4倍にあたる1200円という価格を提示してきました。こういった新興市場の割安銘柄は、今後もどんどん注目されていくと思われます。
ソフトバンク(9984)は反落。iPhoneの新規取得0円キャンペーンを始めとする通信料金の改定を発表。ここにきて再度攻勢を強めてきた格好ですが、今回の話自体は収益に与える影響が限定的とも思える一方で、データ通信料での課金モデルの限界が見え始めてきた事に大きな意味があります。
携帯各社は通話料の頭打ちによってデータ通信での課金に躍起になっていましたが、また別の新しい収益の獲得手段(コンテンツでの課金など)を育てないと、ビジネスモデルが形成しにくくなっています(恐らく次世代回線の本命WiMAXもすぐに低料金化するでしょう)。その辺りまだ同社は打つ手が早いので、主導権を握るオピニオンリーダー的な部分が強いところが救いです。今後の孫社長の動向に注目。
ダイハツ(7262)も反落。ただ円安を背景にして自動車関連銘柄は徐々に自信を取り戻してきています。ホンダ(7267)はインサイトの受注が15000台を突破ということで、この車の売れないご時世で目標の3倍もの台数を確保しました。今晩のGMの決算が過ぎれば、当分自動車業界のニュースで悪いものは出てこないでしょう。素直に買っておくべきタイミングだと思います。
近畿日本ツーリスト(9726)も反落。今期の黒字化見通しを好感して昨日は買いが集まりましたが、本日のところは反動売りの格好に。チャート的には非常に微妙な形ですが、5日線を支持線とした短期反発トレンドを描けるかどうかは、昨日・本日安値の85円を下回らない事が条件。そうすれば下方に開いた窓が埋めない窓として意識され、強いチャート形成を期待できます。
今回は時間も無いのでこの辺にして、次回は2月の成績発表です。今月はイマイチのような気もしますが、また全銘柄にコメントしていきますので、期待し過ぎない程度にご期待ください(;^_^A
以下ポートフォリオの動きです。
買い銘柄
ソフトクリエイト(3371) 2005年12月2日より 3470円→660円 目標6000円
ソネットエンターテインメント(3789) 2006年1月20日より 390000円→187900円 目標75万円
ソフトバンク(9984) 2007年10月5日より 2400円→1142円 目標3000円
メディカルシステムネットワーク(4350) 2007年10月15日より 117000円→83300円 目標20万円
ダイハツ(7262) 3月25日より 1141円→773円 目標1500円
みずほFG(8411) 4月15日より 433円→189円 目標700円 (1000株単元変更考慮)
SEH&I(9478) 5月28日より 13000円→8350円 目標2万円
USEN(4842) 7月15日より 300円→91円 目標400円
日本リテールファンド(8953) 8月31日より 450000円→317000円 目標55万円
JUKI(6440) 11月20日より 99円→59円 目標140円
コニカミノルタHD(4902) 2月5日より 785円→771円 目標1000円
近畿日本ツーリスト(9726) 2月11日より 88円→86円 目標120円
売り銘柄
セブン銀行(8410) 2月12日より 266600円→274000円 目標20万円
※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。