KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

立つ鳥

先日、仕事の関係でお客さんの家に行きました。しばらく奥さんと話をし仕事を終え、さて帰ろうか・・・とした時。襖の向こうからお母さんの声が。「立てなくなった」とか何とか。それを聞いて奥さんは襖の向こうに行き、しばらくお母さんと何やら話をしていました。

そのやりとりを聞いた時、私は話しぶりがのんびりとしていて日常の会話のような印象を受けたので「あぁ飼っている猫の話だ」と思いました。猫が何かの衝撃ですくんでしまったのでは、と。しかし戻ってきた奥さんによると「お爺さんがトイレの便座に座って用を足してから、突然立ち上がれなくなったのよ」とのこと。

それは一大事、という事でトイレの方に行くとお爺さんが放心状態で座り込んでいました。便座から立ち上がろうとしても足に力が入らずに動けなくなってしまった様子。未だ事情がイマイチ掴めなかった私でしたが、女手二人ではお爺さんを持ち上げるのも難しいでしょうから差し当たって「手を貸しましょうか?」と言って、お爺さんを抱え上げました。その辺りはうちの父の介護経験もある私は慣れっこです。両脇を抱えて持ち上げ、ベッドまで連れて行きました。

その後奥さんに色々と話を聞くと、昼間までは普通に歩いていたとのこと。実際トイレまで自分一人で歩いて行ったわけで、それが突然立てなくなった訳とは。「お爺さんは既に90近く。以前から糖尿病の気があって、定期的にインシュリンを打っていた」とのこと。そして普段はコタツに入ってテレビの前からほとんど動かず。足を動かしていなかった事で、足の筋力が弱ったようでした。

しかし今まで立てなくなる程の状況には至っていなかったのに。遂にその瞬間がやってきたようでした。そしてその瞬間に偶然私が居合わせるとは。何か不思議な感じに捉われました。

それから10日が経って、そのお爺さんが亡くなったという報が。私はすごく後味の悪さというか、何ともやりきれない感覚に捉われました。立てなくなったのは生命エネルギーの切れかかりの暗示だったということか。

ところで私は「手を貸しましょうか?」と言いながら、実は本当は手を貸したくなかったのです。それは面倒な事に関わりたくない、という事ではなくて、お爺さんの尊厳を守るために、というか。こういう場合家族ならまだしも、全く見ず知らずの私の手を煩わせたくない、とお爺さんは思ったはずです。ましてトイレでズボンもパンツも下ろしたところを介護士でも無い客人に、なんて。そういうショックからボケが進行することだってあります。

そして何より抱え上げた時のあの目。何故自分の足が突然思うように動かなくなったのか。情けない。自分の身に突然降りかかった出来事に対して様々な感情が錯綜し、困惑しているような目でした。

そんな記憶を最後に残して旅立たれて行かれました。初めて会ったお爺さんが10日後にはいなくなったというのは、ものすごく奇妙な感じです。恐らく全国の介護施設で介護士さんはしょっちゅう経験しているのでしょう。そんな「半おくりびと」的な仕事に従事されている方々の大変さは身に染み、本当に頭が下がります。

さて、頭が下がる日経平均は金曜続落。前日のNYダウはメリルリンチが半導体セクターの投資判断を引き下げた事により軟調推移。それを受けた日経平均も朝方から売りが先行。終日マイナス圏での推移となり、9500円割れ水準での動きとなりました。しかし今まで下落が目立っていた金融株を中心に3連休前のショートカバーの買い戻しが入り、今までの下落とは少し雰囲気の違う形となりました。

投資判断は「売り」に。TOPIXがプラス引けだった事からもわかるように、ようやく小型株買い、大型株売りの裁定取引への動きが見え始めてきました。今後はNT倍率の縮小に向かうトレンドになると見込まれます。それを象徴ししているのがファーストリテイリング(9983)の下落。この流れは週明け後も続くでしょう。

しかし国際間の取引の結果、すなわち為替動向にはまだまだドル安の流れが続きそうです。金曜のNYダウはデルや住宅大手の決算がイマイチだった事を受けて小幅安となりました。クリスマス商戦の時期に入りつつあり、年間売上の1/4を稼ぎ出すと言われるこの商戦の結果は、今後のアメリカ株の動向を占う上で非常に重要になってくるものと思われます。そしてNYの上昇も少し一服感が出てくるでしょう。そうなると日本株も引き続き苦しい展開となりそうです。

新興市場は「強気の買い」。金曜は3指数共に急反発となり、特にマザーズ指数は5%近くの急上昇。今までの鬱憤を晴らすような動きです。この流れは週明けも続くでしょう。ただし長くは続かないと見ています。水曜辺りには早速息切れ感が出てくるでしょうか。それでも短期勝負と割り切れば、新興市場銘柄で益出しは十分可能ですから、閉塞感漂う大型株市場の資金が新興市場に流れてくるのは必至なようです。

ソネットエンタテインメント(3789)は反発。今度は新興市場高を反映している格好。そして子会社エムスリー(2413)みずほ証券の投資判断引き上げを受けて大幅反発となり、追い風が吹いている模様です。ただし反発力は鈍く、まだまだ過小評価されている感じは拭えません。

みずほFG(8411)は反発。前述したように連休前のショートカバーの巻き戻しから、今まで売られてきた金融株にとりあえずの買戻しが出た模様。しかし反発力は鈍く、反応も限定的。残念ながら週明けは再度売り込みが嵩んでくるものと思われます。

三井海洋開発(6269)は続落。下落に向いた嫌な流れが続いています。業績の好調さは既に織り込み済みで、下落歩調には歯止めがかからない模様。テクニカル的には75日線と25日線がデッドクロスし、一目均衡表の遅行線も雲から下抜けてしまった嫌な形。3月から続いた上昇トレンドは一旦終了の感じになっています。現段階で損切りを考える程ではないですが、目先1600円までの下落は見ておくべきでしょう。

最近はほとんどポートフォリオに動きが無いですが、ちょこちょこ欄外で注目銘柄を紹介しています。今回の短期割り切りで乗っていける銘柄は中小企業信用(8489)です。

継続企業前提の疑義が解消されてから1ヶ月で6倍化した株価は、当然のように反落に転じて一気に6割近くの下落を演じてきました。ずっと5日線を越えられずに抑えられてきたのですが、金曜は新興市場の反発を背景に急反発。上髭を残した形となりましたが、短期的には買い転換しています。目先320円程度までの上昇は見込まれそう。ただし足の速い銘柄なので、やはり玄人向きです。場の見られない方は避けた方が良いでしょう。

とにかく来週火曜・水曜程度までは新興市場の戻りを利用した銘柄選択で攻められると思います。わずかの期間ですが、今までの鬱憤を晴らして年末を迎えたいものです。

以下ポートフォリオの値動きです。

買い銘柄

ソフトクリエイト(3371) 2005年12月2日より 3470円→797円 目標6000円

ソネットエンタテインメント(3789) 2006年1月20日より 390000円→181000円 目標75万円

ソフトバンク(9984) 2007年10月5日より 2400円→2105円 目標3000円

メディカルシステムネットワーク(4350) 2007年10月15日より 585円→574円 目標1000円(200分割考慮)

ダイハツ(7262) 2008年3月25日より 1141円→817円 目標1500円

みずほFG(8411) 2008年4月15日より 433円→158円 目標700円 (1000株単元変更考慮)

SEH&I(9478) 2008年5月28日より 13000円→9650円 目標2万円

東芝(6502) 8月18日より 455円→451円 目標700円

三井海洋開発(6269) 9月10日より 1933円→1704円 目標2500円

ヤクルト(2267) 10月3日より 2240円→2575円 目標3000円

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。