今週のお題「新生活での、おもしろエピソード」
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※家庭の事情で一ヶ月ほど日曜のレポートはお休みをいただいておりましたが、ようやく落ち着いてきたので再開します。ただ、まだバタバタしていますので、時々予告なくお休みいただくと思います。予めご了承ください。
12年4月15日現在
3ヶ月以内投資判断 「やや買い」
買いのタイミング 現在
3ヶ月以内株価予想 1380円〜1600円
要点
・業績は円高やランバクシー社問題の影響により減収減益見込み。今期回復期待もあるものの、V字回復と言えるほどにはならない。
・テクニカル的には期間的なリズムから足下はリバウンド局面。本決算発表までは少しずつ買われる展開を想定。
・同業他社比では利益面で見劣り。
・経営戦略はしっかりしているため、利益面での実績を投資家に示すことができれば、上場来安値水準に沈んでいる株価も見直しの動きが拡がる。
【企業概要】
製薬で国内3位。高血圧症薬「オルメテック」が主力商品。インドのランバクシー買収により、後発医薬品市場にも手を広げる。売上の2割程度がランバクシーによるもの。イギリスのグラクソ・スミスクライン社との合弁も発表し、ワクチンでの提携を図る。
【業績】
11年3月期は増収増益。円高による海外子会社の販管費などのコストダウンにより、利益率は大幅に改善した。
ただ12年3月期は減収減益の見通し。為替の円高やランバクシーの不振よって売上が減少。結果利益の減少が円高による利益率改善効果を上回り、営業利益は大幅減益。
第三四半期決算発表時には為替差損やデリバティブ評価損によって、経常利益以下を下方修正。ランバクシー社の薬品データ不正による和解引当金を400億円計上することで、最終利益も大幅減益の公算。
商品別では消炎鎮痛剤「ロキソニンテープ」が久光製薬(4530)の「モーラステープ」のシェアを奪い減益に追いやっている。解熱鎮痛剤「ロキソニンS」も第三四半期時点での売上高は20億円と、大衆薬のヒットの目安とされる初年度10億円を大きく超え、それぞれ第二の柱として育ちつつある。
一方、これまでの稼ぎ頭だった合成抗菌剤「クラビット」や高脂血症治療剤「メバロチン」などは少しずつシェアを落としつつある。しのぎを削る製薬業界での世界的な地位確保は、気の休まる暇も無い。
12年3月期予想(KA.Blog)単位:百万円
売上 938500
営業利益 102000
経常利益 78400
当期純益 15900
第三四半期までの営業利益進捗率が92%となっており、利益面では会社計画を上回る公算が高そう。
また今期に入ってからランバクシーによる北米市場への後発医薬品輸出も開始。アメリカに製品輸出の禁止されている2工場の和解も進んでおり、反転攻勢への下準備は整いつつある。為替の円安反転も追い風。
ただし今期は薬価改定が実施され、同社は300億円弱の減収要因となる見込み。結果粗利率悪化に繋がり、利益面でもV字回復というレベルにまでは至らないと思われる。
有利子負債は2580億円で前期から413.7億円減少
有利子負債比率(有利子負債÷自己資本)は32.4%
現預金は880億円
流動比率(流動資産÷流動負債 ×100)は232.2%で前年の291.3%よりは悪化。
有利子負債比率は小さめで、流動比率もまだ十分高い。財務面は良好と言える。
フリーキャッシュフローは266億円の赤字
前期に比べて純粋に利益幅が減少したことが大きく響き、営業キャッシュフローは減少。また子会社株式取得などに要して、投資キャッシュフローも前期比支出増となった。
粗利率は71.2%で、前期の71.5%とほぼ横ばい。
予想ROAは5.3%で、前期の8.9%からは減少。
ランバクシー問題による特損分を差し引いても、収益面では前期からの悪化が見られる。
ファイナンスに関しては大型買収などを検討しない限りは無いと言えそう。ただ、製薬会社は海外でのM&Aが活発に行われているだけに、実際に発表があれば買収規模に応じて懸念される可能性はある。
【第三四半期決算を受けてのアナリストの評価】
モルガン・スタンレーMUFG証券 投資判断「イコールウエート」 目標株価1400円
JPモルガン 投資判断「Underweight」 目標株価1400円
為替差損など一過性の要因を排除しても、日米中における事業の悪化がマイナス。
TIW 投資判断「2(Neutral)」
今期予想PERなどで評価すれば、妥当な水準に近づきつつある。
みずほ証券 投資判断「買い」 目標株価 1850円
ランバクシー社が強みとするインド、東欧、アフリカなどを中心に売上拡大を予想。
概ねアナリストの評価は辛い感じ。海外での販売回復が今後の成否を握ると見られており、裏を返せばその辺りが確認できれば、株価の大きなプラス要因に。
【理論株価】
買収価値を示すEV(時価総額−現預金+有利子負債)は1.2兆円。今期予想EBITDA(営業利益+減価償却費)は1460億円であり、結果EV/EBITDA倍率は8.0倍となる。同業他社の平均値はおよそ7.6倍と見立てられ、それらを元に計算した理論株価は1320円となり、現状の株価は事業価値分析上はやや割高と捉えられる。
【株価推移】
合併による再上場後は競争力の強化を期待して順調に上昇が続いていたが、リーマンショックなどによる世界景気減速懸念から大きく落ち込んで、一気に半値以下の水準にまで急落した。
その後水準は回復の兆しもなく、昨年11月には世界株の軟化を受けて上場来安値をマーク。以後は地合の好転に合わせて緩やかな水準切り上げが続いているものの、足下では再度1300円台を付けるなど、予断を許さない展開が続いている。
【テクニカル】
昨年11/25に1315円の上場来安値を付けた後は1/4の戻り高値1550円まで235円幅の上昇を見せた。その後2/6安値1349円→3/12高値1578円までも229円幅の上昇。安値から安値までの期間は47営業日。安値から高値までの期間はそれぞれ丁度25営業日。
下値はそれぞれの安値を結んだ下値抵抗線で反発するように4/12に下ヒゲを見せているが、2/6安値から4/12までも丁度47営業日で、調整の期間もピッタリ符号。であれば、リズム的に足下は25営業日かけて1600円辺りを目指す波動に入っていると考えられる。
1600円は昨年7/8の戻り高値1642円と10/19の高値1630円を結ぶ上値抵抗線の延長線とも重なるラインであり、テクニカル的な上限としては妥当な水準である。
ただし、今回の波動では18営業日目にあたる5/11に本決算を予定しており、その辺りで決算結果によるブレは十分想定すべきである。これら上下値抵抗線に挟まれる形で緩やかな三角持ち合いが形成されており、以後はこの持ち合いをどちらに放れるかで中期的なトレンドが決まってくると言えそうだ。
いずれにしても、足下の地合はディフェンシブ銘柄である同社にとっても買われやすい地合にはなってきているので、目先はやや強い流れが見られると思われる。5日線を越えてきたところで買いに付いてみたい。
【需給】
長期的には07年の上場来高値形成以後は下落トレンドとなっており、上値にしこりが滞留している状態。特に下値で大底を打ったような商いの膨らみもなく、需給的にはまだ好転した感触は無い。
信用買い残は昨年10月以降どんどん積み上がっている感じで、需給は次第に悪化傾向。それでも差し引きの買い残は100万株程度で、日々の出来高に比べるとそれ程重石になっている印象も無い。
【同業他社比較】
同社の予想PERは66.4倍。PBRは1.2倍
今期予想営業利益率は10.6%
配当利回りは4.3%
同業他社と比較すると、それぞれどのような位置付けだろうか。
武田薬品工業(4502)
国内製薬首位。積極的なM&Aで海外に展開し、国際競争力を付けている。一方で特許切れによる主力製品の落ち込みが見られる。
予想PERは21.0倍、PBRは1.4倍
今期予想営業利益率は17.9%、予想ROAは7.9%
有利子負債比率は28.2%
予想配当利回りは5.2%
PBR以外の全ての指標面において同社に比べて優位性。トップメーカーの貫禄を見せつける内容に。
アステラス製薬(4503)
製薬会社で国内2位。こちらも特許切れの主力製品の落ち込みが響いて減益。アメリカでの買収を通じて、抗ガン剤に注力。
予想PERは18.2倍、PBRは1.6倍
今期予想営業利益率は14.1%、予想ROAは10.2%
無借金
予想配当利回りは3.8%
利益率やROAといった収益力で同社に対して優位性。無借金経営で財務体質も良好。
エーザイ(4523)
国内製薬で4位。後発医薬品に押される中で、やはりアメリカでの買収によりガン領域に注力。
予想PERは15.3倍、PBRは2.3倍
今期予想営業利益率は15.3%、予想ROAは9.7%
有利子負債比率は94.0%
予想配当利回りは4.8%
有利子負債比率やPBRは他社比でも高め。それでも収益面や配当利回りなどでは同社に比べて優位性。
メルク(MRK)
ドイツ製薬大手。世界に販路があり、時価総額では武田の3倍以上。高血圧治療薬などにも強み。
予想PERは9.9倍(アナリスト予想の平均)、PBRは1.8倍
予想配当利回りは2.1%
買収効果とユーロ安の影響で売上は伸ばしているものの、研究開発費などのコスト増加や工場の減損などにより利益は減少。PERなどは日本の製薬大手に比べると割安だが、それ以外の項目では割高な印象。
他社との比較では、利益面や株式価値の観点からやや割高な印象。先々のランバクシーによる収益貢献に期待。
【課題】
大手製薬共通の認識として、買収による規模の拡大、また後発医薬品に対する姿勢が課題として挙げられる。
同社の場合はランバクシー社の買収によってそれらをまとめて対処するよう試みたものの、虚偽データや生産管理の問題で足を引っ張られる形に。足下では和解に向けて解消しつつあり、ようやく今期以降の収益回復に道筋が見えてきた。
まずは他社並の利益率を確保できるようにしていきたい。現段階では相対評価で劣る面が多く、将来の収益期待よりも足下の実態評価の段階で、選択の対象から外されてしまっている節がある。
一方、海外大手との提携戦略に積極的であり、経営方針は大いに評価できる点が多い。逆に言えば利益水準が高まってくれば、自然と評価も高まってくることで、海外投資家などの組み入れも拡大していけるものと思われる。
また買収による規模の拡大を急いでいるのは海外の製薬大手も同様。同社も世界的には被買収の対象に成りうることを十分認識しておく必要がありそうだ。
※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。