KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

孝行したい時に親ギリギリ有り

母の心臓手術話の続きです。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20120312.html


結局家に帰り着いたのが午前2時過ぎ。当時3月も後半でしたが、あまりの寒さにフロントガラスが凍り付いて、出発させるのに苦労しました。それでも車道も空いていて、何とか無事家まで到着しました。

家に帰ると嫁が不安そうな顔で起きて帰りを待っていました。私はとりあえずぬるくなってしまった風呂にさっと入って、寝支度を整えてから落ち着いて嫁にここまでの経緯を話しました。それを聞いて嫁は大変驚いていました。

やはりその日は色々なことがあったので、布団には入ったものの、簡単には寝付けませんでした。私は寝るまでの間に色々なことを考えていました。

実は私の中で一つショックだったのが、手術自体のことではなく、待合室で姉や伯母から聞いた話。一人暮らしの母は最近少しずつ気持ちが滅入ってきて、夕飯を段々作る気力が無くなっていたとのこと。

父の施設に行った帰り、イオンの食事処に行って、一人寂しく外食して過ごすことが増えていたのだとか。姉も伯母も「今まであの人は必ず自炊していたのにねぇ」と口々に言っていました。

私は母が「一人だと何も作る気力が起きない」と、時々スーパーで総菜を買ってきて済ませているというのは知っていました。また私と嫁が食べに行くと必ず「皆で食べるご飯は美味しいねぇ」と言いました。

父が施設に入ってから約6年。時々私や孫がご飯に食べに行くことはありますが、基本は自分一人でテレビを見ながら晩ご飯を食べていました。

私は母が一人で外食に行って、店の楽しげな雰囲気で寂しさを紛らわせているという話は今まで一度も聞いたことがありませんでした。多分、私に言って余計な気を遣わせることを我慢していたのだと思います。

母はすごく交友関係が広く、街にでかければ必ず知り合いに顔を合わせます。そして日中はほとんど出かけて家を空けていることが多い活動的な人です。なので、私はあまり母が一人暮らしでも、そこまで寂しさを感じているとは思っていませんでした。結局、その分余計に夜一人でご飯を食べるのが寂しく感じるのでしょう。

自分が老人のクセして、町内の色々な高齢者の世話をしたり、周りの信望も厚い母。入院中に母を見舞う人は、入れ替わり立ち替わり休まる暇が無い程ひっきりなしに来ていました。私は「もし母ちゃん死んだら、東京ドームで葬式やらんとあかんのじゃないか?」なんて言っていました。そんな母が万一孤独死という結末を迎えるとしたら、何と報われないことか。

手術が無事に終了した今、「あぁ、これで母ちゃんが死んでいたら、私はものすごく後悔していたんだろうなぁ」と思った時に初めて涙が出ました。そういった一人で過ごすことの不安が、心理的なストレスなど間接的な病気の遠因になったのかも知れません。母が元気になったら、もう少しかまってやらないといけないなと、つくづく感じました。(つづく)