KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

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金曜の日経平均は大幅反発。前日のNYは小反落。ただドル円が遂に100円を突破してきました。

それを受けた日経平均は朝方から大きく買いが先行。SQ値が14601円で決定し、前日比で大幅高のスタートとなりました。その後はSQ値を睨んで伸び悩みの状態が続いたものの、中国市場が開く10時半以降にドル円が一気に101円を付ける展開に。

急速に進展する円安を背景にして輸出株中心の買いが入り、日経平均も14600円を突破。場中にSQ値を上回ってきました。週末にG7を控えていたものの、特に警戒感も出ず、そのまま株も為替も高値圏。一方債券の方はまたサーキットブレイクを付ける程の急落となり、各市場共に大きく動いた一日となりました。

出来高は44億株強、売買代金は4兆円弱と、SQ分を差し引いても大きく膨らみました。


投資判断は「売り」。ただGW明けの先週いっぱいはひとまず「買い」にしていました。それで今週を見通さないといけないのですが、まず金曜の夜に更に円安トレンドは進捗し、ドル円は102円手前の水準までありました。

そして金曜のNY市場の値動き自体も小じっかり。ダウ、S&Pは揃って過去最高値を更新してきました。それらを受けてシカゴ225先物は14770円ということで、月曜の朝はまた買われてスタートすることになることは確定的な感じです。

更に週末のG7では元々「日本に対する非難的な話は出ない」ということが前提で見られていたのですが、予想通り日本の円安に対する非難は出なかったものですから、一段と円安が進みそうな具合です。基本路線としては105円までは為替市場におけるストップロス注文などを巻き込んで、簡単にいきそうな感じです。

何故ここまで株が上がり、為替が弱くなるか。ここを読み解くカギは何と言っても「異次元の金融緩和」にあります。今更ですが基本に立ち返って考えてみましょう。

黒田日銀総裁は就任直後の金融政策決定会合において「通貨発行量を2年間で2倍にし、物価上昇を2%に」と宣言しました。

リーマンショック後、アメリカは「別次元の金融緩和」で、市中に流れる通貨流通量をQE1~3を通じて一気に3倍にまで拡大することになりました。それに対して、白川総裁は円の流通量を30%しか増やしませんでした。

量的金融緩和を実施して貨幣を刷れば、その分通貨の価値は減じられることになります。単純に言って紙幣の量が3倍になれば通貨の価値は1/3になります。その分物価も3倍に膨れあがることになります(※現実的には市中に完全にそのまま流れないこと、他国にも流出することなど様々な要因があるので、そのようにはなりません)。

その差が円高となって表れました。相対的に日本の通貨価値が安定していることで、日本は不況にもかかわらずどんどん円買いが進み、一時ドル円は75円台まで買われる結果となりました。

日米の金融緩和の差だけで、単純に円はリーマンショック前の水準に比べて130/300の値になってもおかくはありません。具体的にはリーマンショック前が124円だったので、1ドル=54円辺りまで円高が進んでもおかしくありませんでした。

ただ理論値通りにならず75円で止まったのは、例えば為替介入や実際に日本のデフレ継続懸念、ヨーロッパの問題やドルのブランド力の強さ・・・などなど、様々な諸要因が微妙に絡んで75円に止まったというべきでしょう。

で、それから時は流れ。今どういう状況になったかというと、アメリカは様々な景気指標において改善傾向が顕著になってきて、失業率も順調に低下。明らかな景気回復期待感が出てきました。それに応じて株価は史上最高値を更新しています。高値を更新し続ける理由に関しても、通貨の価値が下がったことで、相対的に金融商品である株の価値が上がったとも言えます。

つまり、これ以上金融緩和を続ける理由が無くなりつつあります。景気が良いのに金融緩和を続けるとインフレになりますから、なるべく早い段階で止めなければなりません。

一方、我が国の方は「これから」通貨量を倍にすると言っています。すなわち、今から円の価値を半分にすると言っているわけです。

であれば、昨年11月の衆院解散宣言前の水準80円の倍、すなわち160円を目指してもおかしくはありません。今の為替の動きを非常に荒削りに表現するとそういうことになります。

ただ、その過程においては様々な弊害があります。それは国民生活に対する弊害でしょうし、対外的な弊害です。安倍氏のブレーンであるエール大学の浜田教授は「100円くらいが適正」と言っているので、政府の方針としてもひとまず目標も達成したし、そろそろ良いんじゃないか、という感じでしょう。今後は少しずつブレーキをかける方向に転換してくると思います。

ただ自由市場で値が決まる以上、多少行き足がついてオーバーシュートしますから、政府の期待通り為替の水準が落ち着くとは限りません。なので、もうしばらく円安の流れは止まらないと見ます。

不動産バブルの時代に、政府が不動産向け融資に対する総量規制を設けてバブルが終焉しました。そう考えると、政府がそのうち本気になって円安に歯止めをかけるように向かえば、円安トレンドはストップするのかも知れません。

しかし今回のケースはそれにあてはまらず(私はそもそもこの動きがバブルとは思っていない。あくまで下げ過ぎの水準訂正の過程)、為替はあくまで2国間の力の差ですから、日銀が量的緩和を止めない限り、基本は円安が継続していくものと思われます。

そんなわけで、基本路線は円安基調が続くと思います。今後10年は円安基調が続くでしょうから、長期的に株に追い風と思います。日経平均超長期の上値抵抗線(96年、00年07年の高値を結ぶ線。現在16000円弱辺りの水準)突破は時間の問題でしょう。

ですから、根っこの基本路線は株に関しては「強気の買い」で見ています。今までも繰り返してきたように、日経平均1万円割れは当分無いでしょう。むしろ日経平均過去最高値更新4万円超えの方が有り得ます。

ただそれはそれとして、目先数ヶ月のスパンを切り取って考えると、ここ半年での上昇の強烈さから、一服する場面があると考えるのは自然だと思います。上述のように円安に対する牽制の姿勢に変化してきそうですし、純粋に誰もがいい加減売りたくなるところです。

視点を段々と縮めまして目先の水準にまで落とし込むと、変化点として金曜は非常に面白いところでありました。一つはSQ、そしてもう一つは今回の決算の最大の集中日だったことです。700社近い企業の決算があり、ここまでの傾向から、決算直後は売られる銘柄が目立ちます。

特に今回の決算シーズンは今期の見通しが併せて出されますから重要です。で、その見通しは前回も書いたように基本保守的に見られがち。足元は急速な円安を背景に急速な業績改善期待が投資家の間で高まっていたものですから「期待」→「現実」への以降が大きくなります。

なので金曜が一つのターニングポイントになってもおかしくはありませんでした。特にSQは元々14500円狙いと思われていたのが木曜に急速に失速。「あれ?14250円だったのかな?」と思わせて、実はやっぱり14500円だったというオチでした。

これを実現するために、商いの薄いアメリカ時間で突然円が100円を突破したのでしょう。日本時間の午前3時手前から、という点も、大証の先物時間終了に合わせており、非常に「仕掛け的」です。

なので、金曜の上昇は非常に「不自然な」上昇でした。結果的にはSQ値も幻とはならず、しっかり上回ってきました。

ただその不自然さが反落に転じるというより、むしろ一段の上昇に繋がるであろうことは金曜引け後の為替の円安一段の進展が裏付けています。またここでショートポジションを入れた筋や、売り切ってしまった人が出尽くしたことで、今週もまた上がりやすい環境が整いました。

というわけで、短期的には引き続き「買い」を継続すると見るべきです。繰り返しになりますが金曜の一つの大きな変化点をクリアしたことは、上下どちらにボラが出てもおかしくはありません。その投資家の思いのぶつかり合いが出来高44億株という数字に表れています。なので、とりあえず火曜までは黙って強気という感じです。

ただ次の変化点は、と見ると14・15日に最後の決算が集中して出てくること、ヘッジファンドの45日ルールが意識されること、11月14日の上昇開始から半年を経過して信用の絶対期日が到来すること、などからもう一つターニングポイントがあります。

アメリカの方は5月の債務上限引き上げ期限切れの話が「住宅抵当金庫のファニーメイが約600億ドルの返済」という土壇場の埋蔵金でクリアされ、9月までまた先延ばしになりました。結局Sell in MAYのアメリカ側の悪材料が一つ一つ通過していっています。

なので、5月中旬の変化点をクリアすると、もう「事前に予想が付く範囲で」の変化点は無くなってきます。もっとも、株価の急落は「予想が付かないところからの火種」により発生しますから引き続き気は抜けないのですが、中旬を抜けるともう完全に売りの理由が「高過ぎる」しか残らないような感じになります。

と言うわけでまた最後にまとめますと「今週は週央に変化点があり、そこが最大の焦点。足元為替の円安が続くことで買われやすい地合にあり、中旬を無事通過するようであれば売ってくる人が居なくなるので更なる高見を目指すパターンも」という感じでしょうか。

で、一応私は「常識的に考えて変化点が変化点になる」と思っているので、投資判断を「売り」にしています。GW明け~次の火曜まではとりあえず避難的に「買い」で見ており、その後は変化点のクリアの仕方に因ってくると思いますが、また多分今週もブログを更新できないと思うので、来週に備えて「売り」を継続している、という具合です。


新興市場は「やや買い」。マザーズ指数の方はタカラバイオ(4974)の決算を受けてバイオ株が急落。マザーズ指数は1000ポイント達成という達成感もあり、一進一退の展開となりました。

今週は新興市場の決算もピークを迎えますから、それを通過した後はまた一段と買われる展開もありそうです。信用の回転が効いている以上、東証1部より新興市場の方が買い安心感があるという言い方もできるのかも知れません。特にガンホー(3765)が壮絶な好決算及び分割を発表して、一段と買われる展開になりました。まだ相場の核が残っている感じです。

新興市場の方はバブル化していると認定できると思います。ただ、バブル化しているからこそ、上値が見えずに上がりやすい環境と言えます。バイオ株もどこかのバイオ株が沈んでも、またどこかのバイオ株に材料が出ます。叩いても叩いても起きあがってくることから、正に「バイオハザード」。ゾンビのようなイメージです。


・・・と言うわけで今回も文字数の制限からこれまで。


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