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金曜の日経平均は反発。前日のNYはFRB当局者による「夏にも金融緩和縮小の出口戦略に向けた動きが出る可能性」との発言が伝わり軟調。
それを受けた日経平均は朝方から売りが先行。しかし夕方に安倍首相による成長戦略の第二弾が公表されるという思惑で、農業関連株を中心に大きく買われる銘柄も目立ちました。その後、金利の上昇が一服したことで不動産株にも買い戻しが入ると、徐々に値が落ち着く流れ。また前日売られた小型株にも買い戻しが進みました。
個々の銘柄の買い戻しが進む中、結局一時前日の高値を抜いて08年1月以来5年4ヶ月ぶりの高値更新。出来高は44億株強、売買代金は3.4兆円弱と引き続き高水準を維持。
投資判断は「やや買い」に。まず、色々と言ってきましたが、ここ2週間の売り判断を思いっきり外してしまい申し訳ありませんでした。結局決算が出揃っても何もなかったかのように、株価は上がり続けています。そんなわけで、当初宣言していたように、外したのならドテン買いで対応すべき環境だと思います。
ただ外してすみませんでは芸がないので一応現状を分析してみますと、やはり繰り返しになりますが、今の株価好調の背景は外国人投資家の買い継続が一番大きいと思います。
ここ最近の話題としては国債価格の下落。それによっていわゆる「グレートローテーション」と言われる債券→株への資金シフトがようやく本格的に出てきた感じです。今まで「そういう動きになる」との方向性は言われていましたが、実際には債券が買われてきたので、その動きは限定的でした。
ところが今月に入ってから、特に今週は債券価格の下落が目立ちました。4月の黒田バズーカ以来の下落で、債券市場ではまたサーキットブレイクが発動される始末。
何故債券価格が下落しているか、というと、実はアメリカやイギリス、ドイツといった先進国の債券価格が下落しているという国際的な流れの一環だから、と言えます。5月に入ってからアメリカやEU首脳国の債券価格が急落し、金利の上昇が目立っています。なので、この世界的な株高→リスクオンによるグレートローテーションの動きは、何も日本に限ったことではありません。
それ故、買われる銘柄は今までの「新興・小型株中心」→「オールドエコノミー系の流動性の高い株」に変わってきています。何故なら債券市場は株式市場の3倍の規模ですから、本当に債券→株への資金移動が行われるのであれば、とてもじゃありませんが小型株のキャパでは受け止め切れません。流動性の高い銘柄にその資金が入り込むことになります。
その流れがあって、私が前々から指摘していた「みずほFG(8411)の220円突破」が遂に実現してきました。今週はその債券価格の下落が銀行の収益に大きくマイナスとなることや、決算が出たことで一旦上値が抑えられましたが、今後業績よりも株式の需給の観点からいよいよ上放れの動きが本格的に出てくるものと思います。
あとはアメリカの株高が引き続き強い影響を持っているのは疑いようもありません。そのアメリカが何故これだけ強いのか。それの大部分は「高値更新」という需給の良さで説明が付きます。
基本、株の世界の鉄則ですが、高値更新銘柄ほど強いものはありません。何故なら売る人がほとんどいないから。皆さんも経験があるでしょうけれど、ほとんどの投資家は損が実現することを嫌がるので、塩漬け株を作りやすいものです。
それは機関投資家も基本的には同じこと。むしろ事情が許せば、機関投資家の方が責任逃れの一環として、陥りやすいと言えます。自分のお金じゃないですから、見た目の成績の良さにこだわります。
そういうケースは、値が戻ってきたら「ヤレヤレ売り」を入れます。ですから「過去に現値より上で値が付いていること=含み損を抱えている人がいること」を意味します。
しかし高値更新となると、含み損を抱えている人が居ない、ということになります。市場最高値となれば尚更。また売り指し値を置くにしても、その目安になるものが無いわけですから、置き辛い、または100とか200とか切りの良い数字がターゲットになりやすくなります。
そういう「非常に人間臭い投資行動」から、バブルは合理的に発生します。ここまでバイオ株や新興株が暴騰したのも同じ理屈。特にバイオ株はこれまでずっと日陰の存在でしたから、うまくiPS細胞の話題に絡み、新薬申請や提携、助成金などの報道も順序良くかみ合わさることによってバブル化しました。ちなみにアメリカでもバイオ株が買われています。
それにIPO銘柄などの高値更新をしやすい銘柄も絡んで、新興バブルの状態になりました。それと同じような現象が今のアメリカ市場を覆っているユーフォリアの一つの原因になっているのは間違いないと思います。
昨年にAppleの株価が倍化して時価総額世界一になったのも、Googleが足元で最高値を更新してきたのも、ガンホー(3765)がとてつもない高値になっているのも(当然各々の業績が良いという裏付けはあった上で)その「最高値更新」という値動きそのものが株高を誘因する大きなファクターとなっているわけです。
そんなわけで金曜のNYも高値を更新。アメリカの方も最近は景気指標が悪くなってきていること、また金融緩和の出口戦略に向けた議論が出始めていること、引き続き解決しない財政問題・・・などなどを抱え「上がる理由よりも下がる理由の方が目立っている」にもかかわらず、上昇が止まりません。
それを受けてシカゴ225先物は15300円台後半となっており、また月曜の日本株も買われてスタートすることが約束された状態になっています。ドル円相場も103円台に入り、下げ止まる雰囲気が見られません。
ところで念のため付け加えておくと、私は今の日本やアメリカの株高はバブルではない、と思っています。今バブル化しているのは新興市場の一部の銘柄だけで、その他の株高は単にこれまでの売られ過ぎの水準訂正や、資金運用需要からの明確な買い手が存在するためであって、決して異常とは思っていません。実際11月の上昇以降、私は一度も今の状態がバブルとは言ってません。
とりあえず繰り返しになりますが「5月中央が一番転換点になりやすい」と言ってきた部分がスカされた以上、売るべき理由が無くなってしまいました。私と同様に考えている人も既に売ってしまっていたであろうことから売り一巡感が出ています。であればここから改めて売ってくる人も少ないでしょう。なので今はドテン買いで対応すべきと思います。
じゃあ今度はどこを目標に定めるか、ということですが、ひとまずドル円105円、日経平均16000円、TOPIX1400ポイントが考えられます。
為替や日経平均に関しては前回も書いたので割愛。TOPIXに関しては08年6月の戻り高値水準に。というより、4月・5月の上昇は08年9月・10月の急落による価格帯出来高の薄さが、巻き戻しとなった今の買いを加速させた要因と思われます。
で、こうなってくると為替や日経平均よりTOPIXの方が上値余地が大きいように見えます。実際、私はその動きになってくると見ています。これは上述したグレートローテーションの動きにも合致しますし、銀行株の出遅れ感を見てもこの先「流動性の高いオールドエコノミー株」の方が妙味が強いと思います。
そんなわけで、今は買いの場面。逆に売るべき理由が「短期的に上がり過ぎた水準」くらいしかないので、基本は上昇が続くとみます。ただ頭ではわかっていても「強気の買い」にまでできないのは私のハートの弱さでしょうね。
次なる転換点は参院選まで見あたらず、それまでに成長戦略が小出しに出てくることもあって、状況証拠を並べても買いの方が優勢です。その間、今まで考えもされなかったようなところからポッと火の手が上がれば話は別ですが、少なくとも現段階ではそのような兆候が無いので買いで見ています。
新興市場は「やや買い」。今週のマザーズ指数は上述のグレートローテーションの動きから小型株が売られ、指数の下落としてはライブドアショック以来の暴落となりました。決算一巡による「冷静さ」の回復や1000ポイントの達成感といったところが背景になっているものと見られます。
で、上述の話も当てはめますと、新興株の強さは何と言っても個々の「高値更新」という部分が強かったと言えます。ところがガンホーもMSCI採用という期待感が実現したことによる材料出尽くしで下落。もう一つの核として期待されたクルーズ(2138)も踏ん張りましたが、金曜は結局力尽きました。
一部では調子に乗り過ぎた個人投資家の追証発生売りも出てきたことで、一気に需給が暗転したような感じになっています。特に今年に入ってから信用の無限回転が今の新興市場の需給を裏付けしてきた点が強く、新興市場の銘柄の業績が劇的に良くなってここまで上がってきたわけではない以上、需給動向の変化は一転大きなマイナス材料になりそうです。
となると繰り返しにもなりますが、上値でしこりが出来てしまった以上、ここを突破するのは容易ではなさそうです。やはり流動性の高い銘柄に妙味が出てくると資金シフトが発生しますから、IPOが活況になるなどまた新興市場に新たな魅力が沸いてこない限り、再度上値追いは難しいのではないかと考えます。
と言うわけで投資判断は指数的にまだ割安水準ですから「やや買い」としていますが、目先の方向性としては売りのイメージの方が強いです。短期リバくらいは十分あるとしても、1000ポイントを大きく上回って高値更新、とはなかなかいかないのではないでしょうか。
個人的にはこの流れはマザーズとJASDAQが統合する秋口くらいまで続き、それまで大きく上がりもしないけれど下がりもしない状態が続くと見ています。
【ポートフォリオ銘柄】
従来のポートフォリオ銘柄に関して書きたいことも山ほどありますが、文字数制限がありますから今はポートフォリオ銘柄を増やすことを優先に。そんなわけで今回は船井電機(6839)を取り上げます。
ざっくりと言えば電機や大証銘柄の出遅れ、メインのアメリカ市場の好調、為替の円安基調がポイントとして挙げられます。
業績に関しては今期ようやく黒字転換見通しを出す程度で、まだ回復にはほど遠いですが、フィリップスからの音響事業買収や、レックスマークからのプリンタ事業買収など、新興国向けの新たな戦略を次々と打ち出しています。少なくとも未だ方向性が見えないパナソニック(6752)よりはしっかりした経営戦略を打ち出しています。
後は豊富な現金残。PBRも0.4倍と極めて低水準。上記買収資金を差し引いてもまだ潤沢で、私が経営者なら割安放置を看過できず、自社株TOBなどで市場から一旦離脱を図りますが。
そんなわけで月曜の寄り付きから買いポートフォリオ入れ。目標はひとまず2000円とします。
・・・と言うわけで今回も文字数の制限からこれまで。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。