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日経平均は金曜大幅反発。前日のNYはようやく反発。それを受けて日本株にもようやく買い戻しの動きが出ました。ドル円が99円台に乗せたことも追い風に、一時400円を超える上げ幅に。しかし後場はアジア株が売られると、週末要因も重なってリスク回避の売りが出ました。
引け間際には買い戻しの動きも出ましたが、上げ幅は300円割れでフィニッシュ。売買高は22億株台、売買代金は1.8兆円台と引き続き低調でした。
投資判断は「やや売り」。金曜のNYは新築住宅販売が予想を大きく下回る数字で急速に売られたものの、マイクロソフトのバルマーCEOが退任すると伝わると、マイクロソフト株は大幅高に。これが指数に大きく寄与しました。それを受けたシカゴ225先物も13760円辺りになっており、金曜終値よりも100円程度上の水準に。なので月曜もしっかりしたスタートが予想されます。
とりあえず日経平均も懸念していた三角持ち合い下放れから一旦中にまた舞い戻ってきました。今週は月末特有のドレッシング買いも見込めますし、ひとまず多少の戻りを期待しても良いのかも知れません。一方で大証銘柄がまとめて半分ずつTOPIX算入されることを考えると、その他の銘柄は広く浅く売られる形になりそうですが、ほとんど目立った影響はなさそうです。
スケジュールを概観すると、今週は目立ったものがありませんが、来週からは9月相場となり国内外で重要なイベントが目白押しです。まずアメリカはいきなりレイバーディでお休み。その後は5日の日銀金融政策決定会合、6日のアメリカ雇用統計及びG20、7日のオリンピック開催地決定、9日の日本GDP二次速報値と続きます。ですから、今週は全般的に様子見ムードが強いと見ます。
基本は今までも繰り返してきたように、とりあえず下落基調が続くと思います。チャート的には三角持ち合い下放れは一旦差し戻しになりましたが、25日線と75日線がデッドクロスしていますし、その75日線も下落に転じてきました。なので戻りは14000円手前まで、上手くいって8/14の戻り高値14050円手前までと見ます。
特に致命的なのはアメリカ市場の景気減速感。上述のように金曜の新築住宅の指標も大幅な予想下ブレでした。個人的には先般のFOMC議事録の内容からも9月緩和縮小は無くなったのではないかと思っていますが、以前言及したように金融相場から業績相場へと焦点が移行しているので、戻りも鈍い感じになっています。
なので、アメリカ株の本格反転上昇には純粋に景気の改善を示す指標が必要でしょう。そういう意味で9月最初の雇用統計は普通に予想を上回ることが株価上昇の条件と思います。
他方、アメリカ以外の国に関しては少しずつ明るさが出てきました。特に改善が見られるのは欧州系であり、それをお得意先としている中国です。最近出た指標はそれぞれ予想を上回り、特に為替でユーロは三度目の高値トライ。5月に一度超えかけた133円の水準はその後7月にもトライし跳ね返され、今度またその水準に迫ってきました。
なので、手放しで今の地合が悪いと言えるわけでもありません。チャートでも日経平均は一旦下放れかけましたけれど、もしこれで三角持ち合いの上値抵抗線である14200円辺りを上回ってくると、一転超強気のドテン買いが有効になると思われます。何故なら今の地合は総悲観ですから、売りたい筋はもう売ってしまっているので、上がり出すと上値は軽いはず。
と言うわけで話をまとめますと「基本路線は下落が続くと見込まれるけれど、今週前半は一旦戻りを試す場面になりそう。その後もし勢いが継続して14200円を上回ってくるようならば、方針は買い転換する必要がある」という感じです。
5月以降の月足チャートを見ると、4月以降終値は14000円手前で横ばいが続いています。ですから8月もその辺りで落ち着きそうなので、今週は前半高・後半安の行って来いが妥当でしょう。方向的には下げていく確率が70%と見ていますから積極的に買う必要はありませんが、ガンガン売っていけば良いものではない雰囲気です。それが薄商いに体現されているのでしょう。
新興市場は「やや買い」。金曜は両指数共に堅調。金曜は東証1部でも特に大型株に強い買いが見受けられたことで、新興市場は蚊帳の外な感じでした。商いも全般的に薄め。こういうケースはまず東証1部の大型株が買われて、その後小型株に買いが浸透してくるパターンなのでタイムラグがあります。なので来週の中頃から新興市場も盛り上がるかも知れません。
【ポートフォリオ銘柄】
船井電機(6839)は反落。地合が良い中で残念ながら1000円割れとなりました。チャート的には実は意外に下値を切り上げてきており、来週辺りに三角持ち合いをどちらに抜けるかが焦点となっています。ただ上値は一目均衡表の厚い雲が覆っており、一ヶ月くらいは晴れてこない感じです。
逆にもし1050円辺りを明確に上抜けてくるようならば、雲入りした勢いで5月の戻り高値をそのままトライしにいく流れになると見ています。なので来週辺りに正念場を迎えるのかも知れません。足元為替水準が円安に向かっているので、海外比率の高い同社には大きな追い風であるはずですが。
ニトリHD(9843)は続伸。比較的大きめの上昇を見せ、上放れの流れに。終値ベースでは実質過去3番目の高さとなっています。
ただ同社は、出来高を伴って大きく上げたらその後下落に転じてしまう悪いクセがあります。直近では7/24がそうですし、5/24もそうですね。共に24日という日柄を見ると、8月の24日は土曜だったので、その手前の金曜に大きく上げた、という何らかの事情があるのかも知れません。
と言うわけで確たる根拠は無いですけれど、月曜の動きにはちょっと警戒が必要です。もし月曜8600円を割り込んで引けるようであれば、一旦売却して様子見という選択肢がベターかも知れません。日証金ベースでは貸株残も増えてきたので、個人的には当然このまま高値更新を目指してもらいたいですが。
金曜寄り付きから買いポートフォリオ入れとなった日精樹脂工業(6293)は反落。前日高の反動が出た形で、地合が良い中でも続きませんでした。ただ海外のPMIが上述のように回復傾向にあることから、設備投資関連株に明るさが見えています。なので、同社にも地合改善の恩恵を期待します。
【注目銘柄】
前田建設(1824)は小動き。こちらは先般より当欄で取り上げていますが、13日に有料メルマガにて買いで取り上げ。金曜も一時年初来高値更新の動きとなりましたが、結局引けでは変わらずとなりました。
残念ながら目標まで達しなかったものの、当初設定した投資期間も終了したので、取り上げ根拠を以下に記します。
「△前田建設(1824) 東証1部 売買単位1000株
575円 出来高864000株
8/14買値 570円以下
8/23までの目標株価 700円
損切り 547円割れ
【評価】
業績 ○
テクニカル ◎
需給 ◎
同業他社比 △
その他ポイント 東京オリンピック関連
土木主体の中堅ゼネコン。今期は増収で黒字転換を見込む。8日に発表した第一四半期決算では大幅な増収と黒字転換の好スタート。主力の建築事業、土木事業共に黒字転換し全セグメントで赤字から脱却。子会社前田製作所(6281)の上方修正も寄与し、受注残高も前期比倍近い数字を積み上げることに成功した。ただ下半期を慎重に見ることで通期見通しは売上、最終利益のみ上方修正となった。
復興需要がいよいよ本格化することで公共事業関係の仕事が増えてきたこと、消費増税前の駆け込みを狙った建築需要など、事業環境は申し分無し。足元でセメント株を含めた建設関連株の上昇が目立っていることもあり、為替動向の影響を受けない国内内需の中堅ゼネコンに注目してみたい。
テクニカル的には各移動平均線を上回り、上値が軽い状態。株価は10年8月の安値を底に長期的にもU字型の回復を示しており、基本はまだ上昇トレンドの過程にあるものと見られる。また長期的には11年8月・12月、12年11月、13年2月・4月の安値を結んだ下値抵抗線と、11年9月、12年3月・12月、13年5月・7月の高値を結ぶ上値抵抗線の間をパラレルに上下する流れが続いてきたが、先日の決算でその上値抵抗線を上抜けの形。新波動入りしたものと見受けられる。
MACD、パラボリックは好転。一目均衡表は三役好転の形を持続しており、ストキャスも好転。ボリンジャーバンドは+2σを出来高を伴って上放れたため、今後上値を拡大しながら上昇が継続する見込み。週足もそれぞれ似たような形。
需給面では足元の株価が07年6月以来の高値水準であることで、上値のしこりが小さいところ。また7月は530円前後での横ばい推移が続いていたが、先般の決算で出来高を伴って上放れ。短期的にも売り一巡感を感じる場面。信用残高も差し引き約9万株の売り長で、12年8月以来の好取組に。直近高値を上回っていることから、今後売り方の買い戻しも期待できる。
予想PERは14.2倍で東証の建設業平均22.9倍との比較では割安。PBRは0.9倍で同0.8倍との比較では同程度。予想ROEは6.9%で同3.6%との比較では高く、配当利回りは1.2%で市場平均の1.6%との比較では低い。
買値は押し目を拾う形で。ただし多少の追い掛け買いはあり。目標は07年6月の戻り高値610円を抜けるとメドが無くなるため、投資期間範囲内で行けるところまで、といった感じに。損切りは7/12の高値547円割れで」
チャート的にはもう数日ボリンジャーバンド+2σに沿った上値追いが続きそうです。需給が良いので、結果的にもう少し引っ張っても良さそうですね。今後も一応注目しておきます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。