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日経平均は本日続伸。前日のNYが個別企業の決算を受けて高安マチマチ。ダウは構成銘柄の決算がイマイチだったことで軟調でした。
それを受けた日経平均は前日の反動からやや売られて始まったものの、TOPIXの方はしっかりした動き。それに連れて日経平均もやがてプラスに転じましたが、全般的には上値の重さが印象的な感じでした。
そして昼に日銀政策決定会合の結果が出て、金融政策の現状維持が伝わると、貯まっていたショートポジションの買い戻しのきっかけに繋がり円高に振れ、先物主導で下落。日経平均は一時150円以上下げる場面がありました。
ただ売りが一巡すると買い戻しが入り、その後はプラス圏に。引けでもプラスを維持しました。売買高は26億株台、売買代金は2.4兆円台と思ったよりは膨らみませんでした。
投資判断は「やや買い」。正直少しずつ相場全体に買い疲れ感が漂っているような印象は受けていますが、一方で本日示したように下値での買い意欲が旺盛。
「下値での買い」ということは個人投資家の買いが主因だとは思いますが、実際今年に入ってからの投資主体別売買動向は外国人の売りに対して個人が買い越し。先週も優待狙いや高配当利回りの銘柄が買われていたことで、少なくとも個人投資家の買いが続いているのは明らかです。去年8兆円以上売り越したのですから、もっと買いが続いてもおかしくないでしょう。
また本日の空売り比率が31.3%ということで、本日の下落の主因は空売りという仮需だった様子。今週は月曜もジャスト30%でしたし、まだ外国人投資家が本格的に実需売りをしてきているという段階ではありません。空売りは比較的短期感で買い戻しが出てくるため、目先の買い圧力に繋がります。
一方で為替に関しては引き続き大きく貯まったショートポジションの巻き戻しが進むことで、円高圧力が強まりやすいところです。実際本日の日銀のイベントも買い戻しのきっかけを一つ提供した感じでもありますし、足元でアメリカの財務長官が円安牽制発言をし出しました。目先は上値を追うような状況ではありません。
その雰囲気はユーロに特に顕著です。以前も書きましたが「昨年末のユーロ高はEUの銀行が14年初めからECBによる資産査定を受ける関係上、ユーロ圏外に投資していた資金を本国に還流する動きが出たから」という面が強いので、その反動からユーロ安は他の通貨全般的に進んでいます。
海外市場に目を向けると、アメリカの2月はFOMCが無いので(その代わりバーナンキ議長退任直前の来週に行われる)、3月後半に予定されているFOMCはかなりターニングポイントとしての要素をはらんでいるような感じです。イエレン議長になって初めてのFOMCでもありますし、元々注目度は高いです。
なので、個人的には3月が危ないと思っています。3月は国内でもメジャーSQがありますし、消費増税前の月。実は先般まで「3月が危ないけれど、逆に3月以降下げるために上がっていく」というイメージで考えていましたが、最近その手前にもにわかにポツポツと懸念材料が湧いてきました。
一つは言わずと知れた都知事選です。細川氏が勝利することになるとアベノミクスの実現に楔が打たれるということで、特に外国人などは売りに回ってくる可能性があります。そもそも最近は自民支持の候補が地方選で次々と敗れており、首都まで陥落するようだとマイナスイメージが強くなります。ただ個人的には先般書いたように、これはまあ舛添氏で決まりじゃないかと見ています。
もう一つは中国。例のシャドーバンキング問題に絡んで、今月末に期限が来る理財商品(金融商品)にデフォルト懸念が高まっていると報じられています。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MZJBMS6K50YE01.html
今まで何度もこういう話が出てきて市場が下げた時に、結局なんだかんだで中国当局が救済に回るという動きが出て沈静化しました。しかし習近平国家主席はそういった対応があまり好きではない人で、昨年も短期金利が急騰した際にしばらく無視を決め込んで、株式市場が混乱した経緯があります。今度こそデフォルト、ということが無きにしもあらず。
一応、これがデフォルトしたところで金融機関などへの影響は限定的というレポートも出ていますから、本質的には大した話では無いのかも知れません。しかし、そう言えばサブプライム問題の時にも「金融機関への影響は限定的」「一時のショックに終わる」と皆言っていましたから、今回も新たな危機の引き金になる可能性は捨て切れません。
何より「この次に何かあっても政府は本当に何も対応しないんだ」という恐怖感が生まれますし、1/31と言えば丁度バーナンキ議長が退任して新しいFRB議長イエレン氏への禅譲の時期でもあります。そんなわけで一応頭の片隅には置いておく必要がありそうです。
あとは純粋に国内外の決算を受けて、株価にどういう影響が出るかというところです。アメリカの方は今のところ全般的に予想を下回る決算の割合が多く、株価の上値を抑えています。
一方、日本の方も円安を材料にした好業績もネタ切れ感が強くなってきています。本日出た日本電産(6594)の決算は良かったですが、事前に好調が伝わっている電子部品関連株以外にも好決算が続くのかどうか。節分天井という言葉もありますし、来週辺りからは難しい舵取りが必要になってきそうです。
新興市場は「やや買い」。マザーズは算出開始の1000ポイントに回復し、日経JASDAQ平均は年初来高値を更新する動きとなっていることから、相変わらず個人投資家の回転が効いている状況です。本日はバイオあり、ゲームあり、低PBRあり、IPOセカンダリーあり・・・と、ほぼ全てのテーマ性で買われた感じ。
一方でユーフォリアの状態が出てきたため、そろそろ一回ドカンとふるい落としが入ってもおかしくない雰囲気にはなりつつあります。ただ回転が効いている状態ですから、トレンド自体はしばらく上げ潮のままでしょう。
【ポートフォリオ銘柄】
みずほFG(8411)は反発。本日はGSがメガバンクに対して強気の見解を示したことで、朝方から買いの勢いが強い一日でした。特に同社に関しては増配の可能性もあるとのこと。現在ですら6円配で利回りが2.6%と非常に高水準ですから、この見方はかなりのサプライズ。万一実現すれば、株価は一気に居場所を替えるはずです。
吉野家HD(9861)は続落。本日は同社にしては売られた方ですが、引けにかけてはやはり買い戻しが入り下ヒゲ。日証金ベースではまたしても貸株残が増えており、8月末の優待タダ取り狙いの空売り水準にまで肉薄しています。
先日発表の決算を受けて「業績が悪いのに何故買われるのか?」という疑問がつきまとっているので、安易に空売りが入り込んでいますから、少しでも高値を超えてくると余計に上値が追いやすい好循環へと繋がっています。そして派手に上げない分、真綿で売り方の首を絞める展開が続きます。なまじ好業績銘柄よりも上がりやすいと言えるでしょう。
月曜から買いポートフォリオ入れとなったフィールズ(2767)は反発。今年の高値を更新してきました。
本日はカジノ誘致を目指す大阪府が海外のカジノ運営企業と計画立案で協議していることが分かったとのブルームバーグの報道を受け、日本金銭機械(6418)など関連銘柄に買いが広がりました。同社も一応関連株扱いされた格好。その他同社にはコンテンツ関連銘柄という切り口もありますから、まず5月高値回復を目指す動きになってくると思います。
さて、本日は一銘柄買いポートフォリオに加えたい銘柄があります。それは住友金属鉱山(5713)です。同社は非鉄金属セクターの中でも特に金、ニッケルの価格に連動性が強い銘柄です。
金価格は今年に入ってからは反転の動きになってきており、足元ではしっかりした動きが続いています。昨年散々売られ、アメリカの量的金融緩和の縮小も逆風、また中国の需要が弱いと言われていますが随分織り込まれてきたものと思います。
昨日の日経にもプラチナと金の価格差が開いてきたと報じられており、昨年まで金価格の方が上回っていた逆転現象の解消が明確になってきました。本日は昨日の金価格が下落してきたことで売られて始まりましたが、引けにかけては値を戻す展開に。
また、低迷が続いていたニッケル価格もやはり今年に入ってから急速に反転してきています。インドネシアが鉱石を禁輸したということで、需給逼迫懸念が出ている格好。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO65312060U4A110C1QM8000/
実はこの辺りの動きは元々季節性もあって、それ故同社も冬は上昇しやすい性質を持っています。例年今くらいの時期から1ヶ月程度上昇が続くので、今年もその季節性もあって見ていきたいところです。万一世界に経済的なパニックが起こったとして、金への資金逃避が出るのであれば、同社の株価もしっかりしているでしょうから、ちょっと保険の意味で持っていても良いのかも知れません。
そんなわけで目標株価は2000円に。明日の寄り付きから買いポートフォリオ入れとします。
あと余談ですが、金と言えば裏技的に言われているのが「今の内に買って、消費増税が行われる4月以降に売れば、増税分の3%のサヤを取ることができる」というもの。
http://president.jp/articles/-/5491
特に金価格は日本の場合円安も作用して、円建ての価格は元々上昇が続いています。日本人の買い需要が国際的な金価格上昇に作用するとは思いませんが、まあ少しは支援材料になるでしょうか。
・・・まだまだ書きたいことは山ほどあるのですが、時間の都合上この辺で。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。