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日経平均は金曜反発。前日のNYがお休みで大型株は買い辛い一方、小型株中心の物色に。節税対策売りが一巡し、一方来年分のNISA新規買いもあって、幅広い銘柄に買いが集まりました。指数自体は値動きが小さいですが、12月権利落ちで22円程下がる中しっかり。売買高は16億株台、売買代金は1.3兆円台と前日に続き低調でしたが、雰囲気は真逆でした。NT倍率は久しぶりに下がりました。
投資判断は「強気の買い」。やはり前回書いたように、25日で節税目的の売りが出尽くしたので、残り3営業日は個別でスルスル上がっていくものと見ています。ここまで特に個人投資家比率が高くて売りが続いた銘柄は、ガラリと景色が変わるでしょう。実際、値上がり率上位には山一電機(6941)や日本冶金工業(5480)、西尾レントオール(9699)など、足元で安値を切り下げていた銘柄の反発が目立ちました。
金曜の業種別値上がり率を見ると、特に不動産の上昇が目立ちます。国債の金利がまた過去最低を更新していることや、朝方発表されたCPI(消費者物価指数)は2.7%と予想通りでしたが、4ヶ月連続で前月に比べると落ち込んでおり、来年の更なる追加緩和を期待する動きが「一応」出た格好になっています。
そんなわけでデフレからの明確な脱却が見出せず、来年はやはり追加緩和やむなしな感じになっていますが、一方で従来通りの国債を買っていく追加緩和手法には限界があります。既に金利は最低水準で、2年物国債の金利もマイナス。まあ金利が低いのは日本だけの話ではないですし、上がるよりは良いのですが、異常な状態は続いていきます。次の日銀の一手(例えばETF買いの更なる増額とか)に注目です。
残念ながら我々にその異常な状態を止めることはできません。政策に対する意見表明は選挙で示すしかなく、後はそれが良い悪いに関わらず、それに合わせた売買をしていくしかないでしょう。他を変えられないのなら自分を変えるしかない。環境に合わられる人だけが、最終的に生き残ります。
金曜のNYはクリスマス休暇明けで薄商いの中、小じっかり。ダウ・S&P共に最高値を更新し、ダウは7営業日続伸となりました。金も上昇して全般的に広く薄く買われた感じ。それを受けてシカゴ225先物は18000円台に乗せており、週明けの日本市場もそれに合わせたスタートとなりそうです。
先週の投資主体別売買動向を見ると、外国人が現物・先物共に売り越し、合計1.1兆円規模の大幅売り越しに。先週急反発した中で珍しく外国人が逆張りに動いたという格好で、それが空売り比率の高さに表れていました。ですから、掉尾の一振に向けたこの上昇は、久しぶりに外国人の悲鳴を聞きながら、という形になりました。
週末にラジオNIKKEIを聞いていて一番ビックリしたのが「今年のあなたの成績は?」というアンケートに対して「かなりマイナス」という人がダントツで4割近くを占めたこと。それも含めて7割近い人が今年日経平均・TOPIXが上昇しているにも関わらず儲かっていないという統計になっていました。ラジオNIKKEIを聞くヘビー投資家でも負けているのですから、それ以外の個人投資家はもっと負けているのでしょう。
これもやはり今年の投資主体別売買動向を見れば一目瞭然です。個人投資家はNISA買いの終わった4月以降、売りに売って5兆円近く売り越しているのです。特に11月は圧巻で単月で2兆円近い売り越し額になっています。そりゃ儲かりませんわね。4月から11月の安いところで売っているのですから。儲かっているのは日銀という皮肉があります。
来年も円安と株高が続くであろうことを考えると、日本国民にはもっと金融リテラシーを持ってもらって、先々起こるであろう物価高への準備を投資を通じて行って欲しいと思います。金融知識を身につければ「振り込め詐欺」なんて引っかからないですからね。年間300億円も引っかかっている人がいる、という数字が、日本のリテラシーの低さを雄弁に物語っています。
「景気が良くなるとは思えないのに株なんて買えない」という人も多いでしょうが、正直私も長期的に見て景気が良くなるとは思えません。それでも日本株は最高値更新を目指して上昇していくと思っています。実際そういう方向性の政策が採られていますし、そもそも景気が良くなった時に買うでは遅過ぎるからです。この辺りの理解力も金融リテラシーの有無に通じるところでしょう。
ともあれ、先週の調子で個人を含めた国内勢がしっかりと買っていけば、十分海外勢の売りに対抗できることが証明できました。来年は是非とも個人投資家が報われる年になってもらいたいと思います。
新興市場は「やや買い」。金曜は各指数共に堅調。特にマザーズはバイオ株が軒並み強かったことで急騰。前回指摘したように前日で節税対策の損出し売りが一巡したことや、大口投資家が居ないことで大型株が買い辛い環境の中、資金が集中した形になりました。JASDAQの方も値上がり率上位30位までで7%を越える上昇の銘柄がズラリ。
IPOもこれで終了し、ようやく資金がまともに循環する流れが出来ました。1月もこのままの上昇に期待できるでしょう。
【ポートフォリオ銘柄】
日本製紙(3863)は続落。昨日の日経報道で「第三四半期は増益だけれども、需要回復の遅れなどから増益ペースは鈍る」と報じられて売られる形に。ポートフォリオから外す日にネガティブな観測出さなくても良いじゃん・・・と思いましたが、ともあれ予定通り引けの段階で損切り終了となりました。
ちなみに全くの余談ですが、本日王子HD(3861)、大王製紙(3880)、北越紀州製紙(3865)の大型合併・・・という夢を見て目覚めました。そんなのを夢で見るなんて病気かとも思いましたが(?)、ともあれ石油業界や食品スーパーなど国内需要産業で再編機運が高まる昨今、あながちあり得ない話でも無いなと思ったり。国内でこれ以上紙の需要を伸ばしていくのは難しそうですから、いかに紙おむつなどをアジアで売っていくかですね。
コーセー(4922)は続伸で年初来高値更新。引き続き個人を中心にしたNISA買い物色が続いて、高値を攻めています。信用残高も売り長で逆日歩が付いており、正月休みの長期休日を控えて買い戻しが一層強まる印象に。分割を考慮すると実質的に終値ベースで過去二番目の高値となっており、需給は極めて良好と言えます。年内の目標達成に現実味。
ライオン(4912)は軟調で下落率上位。金曜は権利落ち日ということもあって、値下がり率上位には12月決算銘柄がズラリと並びました。優待もあるので売られるのはわかりますが、それにしてもちょっと売られ過ぎでしたね。ともあれ、こちらもコーセー同様に訪日外国人関連株という側面があり、ここからの巻き返しに期待です。
【注目銘柄】
ラック(3857)は大幅高。こちらは23日配信の有料メルマガで参考銘柄として取り上げ。ソニー(6758)へのサイバー攻撃からアメリカVS北朝鮮のサイバー合戦になっており、それが韓国に飛び火したり、なかなか目に見えない近代戦が、国家間レベルで激しくなってきました。そんなわけで、正直実際に業績にどの程度寄与するかどうかは別として、テーマとしてネットセキュリティ関連株がまた買い直されても良さそうかなと。
なお「日本企業のネットセキュリティに対する予算の配分は、世界平均に比べて半分程度」ということで、裏を返せばまだまだ予算をかける余地がある分野とも言えます。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/esi/14/527564/121000002/
同社だけに限らずFFRI(3692)、ソリトン(3040)、セキュアヴェイル(3042)など色々関連株はありますが、どれもまたテーマ性を帯びて良さそうな感じです。
日本毛織(3201)は続伸。こちらは先般も当欄で取り上げましたが、3日配信の有料メルマガで参考銘柄として取り上げ。来年の干支「羊」関連株として注目が高まってきて、出来高を伴い年初来高値更新の動き。配当利回りもまだ2.2%と高く、ここから材料難な年末にかけてもう一伸びは十分期待できそうです。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。