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日経平均は本日反発。前日のNYは1.9兆ドルの追加財政支援策を好感しダウは一時最高値更新も、長期金利が1.6%に再び乗せてきたことなどを嫌気し、ハイテク株が下落。GAFAM系が売られた他、半導体株指数のSOX指数は5%超の急落に。サウジの世界最大の原油ターミナルに対するドローン攻撃が無事迎撃されたという報道からWTI原油先物は68ドル接近から65ドル割れまで反落。
それらを受けた日経平均先物は朝方買われて始まっていますが、マザーズ先物の方は2%近い下落スタートとなっています。
投資判断は「やや売り」。懸念されていた長期金利は案の定上昇しましたが、NASDAQ以外は安定しています。この辺り「絶対水準に関しては2%くらいまでは大丈夫。問題はあくまでスピード」としたように、長期金利の上昇をネタにした売り仕掛けにはひとまず耐性が付いた模様。先週の下落は本当に金利上昇を懸念したものではなく、あくまで「懸念したふりをした」単なるポートフォリオリバランスであった可能性が高いと思います。
実際、相場が変質し始めた7年債入札のあった2/25以降、ドルは買われています。ドルインデックスは金曜も上昇し、20年11月以来の高値水準に。一番悪いのは「株安、ドル安、債券安」のトリプル安であって、それによる金利上昇はいわゆる「悪い金利の上昇」。今の市場は商品市況などの上昇からも明らかなように、目先のインフレ期待感から上昇している(国民や企業にとってはともかく、市場にとっては)「良い金利上昇」という評価になっているわけです。
ただ、諸手を挙げて「この金利上昇は良いから、この株価の押し目はチャンスだ!」とまでは言えません。足元のドル買いは少なくとも2/25から「有事のドル買い」としたリスクオフの動きの象徴。だからこそ「良い金利上昇」とはいえ株価は下がっているわけです。
https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-DXY/
ですから目先のアメリカ株安が収まったとは言えません。そもそもまだ長期金利の上昇が落ち着かないでしょう。国債の格下げなどに関してはまだコロナが収まっていないので、各国のコロナ対応を掣肘するような格下げをしないような道義的忖度が働いていることから、まだ心配する必要は無さそうです。ただ金利云々もさることながら、基本的にはこれまで買われたGAFAM系を中心に売られやすいターンが続きそうです。
ドルインデックスの強さもあって足元ではドル円の動きが大きく。昨年までは「全く動かない」ボラティリティの低さが話題でしたが、その分煮詰まり感が強まって今年は爆発力があるという感じです。今のところ円安が日本株の下支えしている感じはなく、ドル建て日経平均はグングン下がっています。
商品の中では特に原油の上昇が止まりません。足元ドル高にも関わらず更に上値を追っているのは、相当に原油に対する買い意欲が強いのでしょう。原油高となっている点も上述の金利上昇同様、国民や企業にとってはともかく相場にとってプラス材料ではあります。
NASDAQは抵抗線の13000ポイント下抜け。三尊天井っぽい形になってくるので、いよいよピークアウト感が出てきます。Amazonの株が200日線割れ、Appleも年初からはマイナスの位置にあり、それぞれ明らかにこれまでとは基調が変わっています。
結局、金利云々もありますがアメリカのGAFAMにしろ日本の日経5銘柄(指数寄与度上位5位)にしろ、これまで買われ過ぎた銘柄のリバランスの売りが出ているだけと考えるのが一番適当です。
イギリスでは法人増税という話が出て来ました。未だロックダウンが満足に解除できていないのに、もう増税の話が出ています。23年以降の大企業の法人税を6%引き上げるという話で、まあまだ2年以上先の話ですから政権の変化次第でどうにでもなるわけですが、そういうAfterコロナの話が出て来たこと自体に驚きです。特にイギリスなんてBrexitでドンドン企業が国外に逃げているのに、こういう話を出さざるを得ないところに財政問題が見えてきます。
勿論、今後この辺りの増税論は各国避けて通れない話になるのでしょう。日本でも証券課税の話が毎年浮かんでは消えていますが、そろそろ本格的に意識されてくるのかも知れません。個人的にはまずは配当の二重課税を何とかするのが先だろうと思うのですが。
日本の個別では鉄鋼株やコロナ禍銘柄といった景気敏感株が買われ、NASDAQ安を受けてマザーズが売られる好対照な相場。結局3月に入ってもどうも流れは変わっていない(グロース売り)のではないかという気もします。金利が横ばいでも売られるなら、金利が上がったらよりハイテク株は売られるのではないでしょうか。
ただ相場としてはバリュー株が逆に買われることで、バランスは取られると思います。そうやって少しずつ少しずつ下値を切り下げていく展開が続くのではないかと思うのですが。2/19からプラスマイナスが続く鯨幕相場を引き継いだだけ。
先々週末時点の裁定残高は売り1.2兆円に対して買い0.8兆円で差し引き0.4兆円の売り長。前週に比べて514億円減少しました。引き続き売り長ではあるものの、その額は減少し続けています。
先々週末時点の投資主体別売買動向では、外国人投資家が現物を3,811億円の売り越し。先物も1951億円の売り越しで、先週末の暴落の犯人はやはり外国人投資家でした。それを逆張りで買い向かうのはいつもの個人投資家。現先合わせて6,584億円という買越額は18年10月以来の高水準ということになるのですが、当時もやはりバブル後以来の戻り高値を付けた後、ペンス副大統領の対中強硬演説からの下落局面でした。果たして報われるのかどうか。
新興市場も「やや売り」。昨日は高安マチマチ。NASDAQに連動しやすいマザーズ指数は200日線での攻防に。一方、まだ時価総額の大きな銘柄にハイテク株の比率が低い日経JASDAQ平均の方はプラスをキープしました。こちらもマザーズ指数÷JASDAQ指数のような指標があれば、低下していく方向性にあるのでしょうね。
【ポートフォリオ銘柄】
MTG(7806)は続落。足元は日柄的に75日線が下落していくところで、下値を支える一目均衡表の雲がねじれにさしかかっていく場面ですから、今週は正念場と言えます。先日聞いた話では、巣ごもり消費によりバーベルなどの室内トレーニングアイテムが大人気で入荷待ちなのだとか。世界中で鉄を奪い合っているということでした。同社のトレーニングアイテムも需要が強そうです。
クレステック(7812)は続伸。今月に入ってから同社にしては出来高が増えた買いが入り、いよいよここ一年で形成される巨大な三角持ち合いから上放れの動き。1000円回復となり昨年8月以来の高値水準となっています。引き続きハッキリした理由はわかりませんが、高利回り銘柄でかつ東証1部の影響を受け辛い2部銘柄である点は強みです。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。