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本日の日経平均は大幅反落。前日のNYは巨額和解金支払いの通告を受けたドイツ銀行が下げ止まったことで金融株を中心に買い戻しが入りしっかり。原油価格急落による売り圧力をカバーしました。
それを受けた日経平均は朝方から売りが先行。本日は3、9月決算銘柄の権利落ち日でもあったことから、配当落ち分が115円ほどあった分が重石に。ただ長期金利が下げ止まらない中で金融株の下落が継続し、配当落ち以上の下落となりました。為替の円安進捗も効果なし。
後場は日銀によるETF買いが入って少し下げ渋ったものの、後場の値動きは65円程度に止まりました。売買高は16億株台、売買代金は1.8兆円台と低調。
投資判断は「やや買い」。本日は権利取りが終わって用済みとなった株券をポイ捨てする動きに対し、拾う神は日銀のみという形になりました。
その日銀のETFの買い方の変化については、先般の金融政策決定会合において今まで日経平均型ETF重視型から転換し(全体の55%→25%)、TOPIX重視型になりました(40%→67%)。これも良いことですね。日経平均型を重視していたのは、日銀の政策評価が日経平均でされがちなので、自己採点の水増しみたいなものでした。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-21/ODUEKK6JIJUT01
それを受けてこれまで日経平均指数寄与度が高く買われてきたファーストリテイリング(9983)が売られたりしましたが、まあ現実的にはファーストリテイリングはTOPIXにおいてもウエイトがそこそこ大きいので、勿論直接的にはマイナスの影響でしょうけれど、そこまで売られる筋合いは無いとも言えます。結局日銀が大株主の状態は変わり無さそうです。
確かに今の買い方のまま続けると、単に指数寄与度の高い会社のオーナーであるファーストリテイリング(9983)の柳井さんやソフトバンクG(9984)の孫さんにドンドン公的資金をあげているだけ、の形になってくるので、変えた方が良いと思います。
最近気になるのは不動産価格。先日国内でも「商業用地の全国平均が上昇に転じる」と報じられましたが、中国でも不動産投機抑制策が出ているにもかかわらず、ここにきて不動産価格の上昇が目立っています。実はアメリカが引き締めを行わない一方で、株から資金が流出する中、日本と欧州はドンドン緩和を続けていますし、世界的に有り余って行き場のないお金が不動産へと移っているのがよくわかります。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-20/ODS4TC6TTDT601
なお、中国ネタとしては郵政貯蓄銀行のIPOが本日香港証券取引所であり、総額7500億円相当ということで、今年の世界で最大のIPO案件でしたが、公開価格近辺で値が付く穏当なスタートにはなりました。それが本日の日本の金融株の資金を若干でも奪ったかも知れません。
NT倍率はファーストリテイリングの下落と銀行株の上昇もあって、昨日時点で12.4倍まで低下しました。また利上げ無しを受けてアメリカの長期金利も一旦落ち着きました。
個人的には足元で歴史的な低水準にまで落ち込んだ裁定買い残や、その陰に隠れて13年3月以来の水準にまで低下した信用買い残、また当たり前のように40%超えが常態化した空売り比率などを見ていると、だいぶ売りが出尽くしたかなと思っています。まだカラカラに乾いたわけではないのですが、もう一ヶ月くらいしたら売りも干上がるのではないかと。
無論、売りが尽きたといっても、アベノミクス開始後外国人が15兆円も買ったのに、今年売られたといっても6兆円しか売られていないことを考えると、外部環境次第でいくらでも売りが出てくるでしょう。上がるにも、外国人投資家の姿勢の変化といった「上値を買う」投資家の出現が必要条件だというのは、これまでも散々繰り返してきました。
ただ足元これだけ円高が進み、その影響で企業の収益が伸びないというのにも関わらず、現状の水準がキープされています。日銀のETF買いというものもあって、需給という最大の株価形成要因において、不安感がだいぶ後退したなと。下がらないなら、後はだぶついたマネーが安心感から入り込んで、上がっていくだけになるのではないかと。
企業業績は多分良くならないでしょうし(それでも株は上がる)、アメリカの新大統領を中心にまた不確実性のはらむ環境になるでしょうし(それでも株は上がる)、世界のアチコチで不安要素は噴出するでしょう(それでも株は上がる)。
こんな感じで、「えぇ、なんで上がっていくの?」という説明が出来ないうちに株がドンドン上がり、株が上がったこと自体が後付けの理由でどうにかこうにか正当化される。そういう状況になっていくのではないかと思います。
私の仕事上、そういう状況が一番困ります。理路整然と状況を解説しながら、最後には「でも多分株価は上がっていくでしょうね」と、とってつけた感じで言わざるを得ない。道理に合わないおかしな世界になっていくであろう、それが今の「予感」です。
繰り返しになりますが、一応10月中旬頃までは株価はマゴマゴしていると思いますから、それまでは考え直す猶予がありますので、結論を出すにはもう少し時間をください。世界の株価が割高であり、現状の水準が買われ過ぎているという見解には変化はありません。しかし、であれば何故下がらないのか、ということを真剣に考える必要があるということです。
もっと話を卑近なところに絞りまして、今週に関しては9月はまだ月間では若干マイナスであることから、ドレッシング買いなどは出てきやすい地合だろうと思います。そんなわけで、総じて売り買いの拮抗しやすい頃合いと言えるでしょう。
チャート的にも75日前が6月前半の戻り高値にさしかかるところで、その後は次第に75日線が上がりやすくなります。ですからこの水準をしっかりキープできれば、一目均衡表の雲もありますし、恐らく16350円というところが下値の抵抗力として強く意識されていくことになるのだと思います。
下落確度が高い9月を乗り切れば、10月も前半は弱い基調が続きそうですけれど、何とか下値固めをできるのではないかと。日米の金融政策が出た後の市場の動きは特によく見ておくべきでしょうね。
新興市場も「やや買い」。本日は高安マチマチ。マザーズ市場の方は配当落ちなどの影響が小さいため(新興市場は配当水準が低いこと、決算月が3、9月以外も結構多いことなど)、信用取引なども入りやすい環境にありました。また昨日IPOの2社シルバーエッグ(3961)、チェンジ(3962)が共に本日初値を形成したことも、短期資金を集めました。
【ポートフォリオ銘柄】
三菱製紙(3864)は小動き。株価は10倍になりましたが、単に本日から10株→1株に併合されただけでもあります。それでも以前書きましたが、株式併合の銘柄は権利落ちまで株価が下がっていくパターンが多いので、逆に言えば併合後は戻りやすくなります。電池セパレーターやiPS向けの容器も造っており、円高メリットの中で案外市場テーマ性のある部分に期待。
あさひ(3333)は反落。26日には中間決算を発表。増収増益とはなったものの、営業利益は2億円程度会社計画から下ブレ。既存店売上高が振るわなかったことや、POSレジの入れ替えで販管費が膨らんだことが主因でした。ただその割には株価はしっかり。既に月次動向などの不振が伝わっていたこともあり、株価には十分織り込まれていた格好。
なかなか株価は反転しませんが、足元では下値も十分固まってきた感じです。中国などから自転車を輸入している関係上円高メリット株ということもあって、下がらないなら上がるだけの展開に期待。
・・・と、また文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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そして次回はもう9月の成績発表のタイミングになります。最近はバタバタして全然ブログを更新できていなかったので銘柄に動きの無いつまらない感じになっていますが、とりあえずきちんと検証して、また繋げていきたいと思います。
※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。