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昨日のNYは中古住宅販売が予想を下回ったものの、米中協議再開に対する期待感やコカ・コーラや航空機エンジンのユナイテッド・テクノロジーズなどの好決算を受けてしっかり。3指数揃って最高値接近となりました。イギリスでハードBrexitを支持するジョンソン氏が次期首相に決まったことから、出尽くし感も出たポンドはともかくユーロが売られる展開に。
投資判断は「やや買い」。アメリカ株はとにかく強いです。ただ強いのはアメリカ株だけという感じで、日本株や欧州株といったところはその恩恵をほとんど受けていません。ドイツDAXもドイツ銀行問題などもあって7/4以降は下落基調。日本も2日高値を抜けませんし、中国株やインド株は7月に入って弱い展開が続いています。一般的にアメリカの金利が下がると新興国の株価にはプラスに作用するものですが、7月以降の動きはそのようにはなっていません。
材料が不在で株価が極端に下がるとは考え辛い中、月末のFOMCまでトレンドが変わる要因はありません。強いて言えば夏は中東できな臭い動きが出やすいというアノマリーのある時期でもありますが、最近はイラン関連の材料が出ても特に株価に反応も無いので、あまり影響は無さそうです。
そういった波乱の芽が無いので、足元で日経VIは17年12月以来の低水準となっています。当時はその一ヶ月後に世界的なVIXショックに見舞われるという形になったのですが、とりあえず今月中は大丈夫というような雰囲気です。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/jniv.html
需給面では引き続き昨年末の株安から半年期日を通過し、それらもあって信用買い残が少ないこと、また裁定買い残が4,203億円と低水準なことに加え、売り残が8,579億円と逆転状態にあることから「どうしても買わないといけない人も、どうしても売らないといけない人もいない」状態にあります。それが売買代金2兆円割れが続いていることに繋がっています。
過去の経験則で言えば、売買代金の低下は「閑散に売り無し」として上昇期待感に繋げることもできるのかも知れません。例えば今年1月28日まで5営業日連続2兆円割れが続いたあとは日経平均で4月下旬まで1500円ほどの上昇基調になっていますし、昨年8月27日まで7営業日連続2兆円割れを含む低水準期も、直後は一旦押したものの、その後なんだかんだで1ヶ月後には1500円程上の水準まで買われています。
私も含めて「景気が良くないから株価は上がらない」「米中首脳会談を経て状況は何も変わっていない」という非常に常識的な考えが多いので、もう売る人は売ってしまっている状況に思います。
勿論、いつ市場が急に正気を取り戻すかも知れませんが、繰り返しになりますけれど「少なくとも」7月に関してはFOMC(同時期の日銀金融政策決定会合も混ぜてあげても良いかも知れませんが)まで流れが変わらないでしょうから、ジワジワ高に付いていく方向性を狙いたいと思います。
先般も書きましたが、欧州でマイナス金利でも債券がグングンと買われているというのは理屈では説明がつかないおかしな話です。これは株にしてみればPER100倍でも200倍でも関係無く買うのと同様で、共通項は「大量の資金の受け皿になり、上がるから買われる」というところです。これを国で言うならば、アメリカは買われ、他の国は売られるということでもあります。
とりあえずアメリカ株は次回FOMCの利下げはほぼ確定したので、しばらく上がって行く相場が続くことになるのでしょう。これが先般より言及しているバブル化ということです。現実的にFFレートは今の市場金利の後追いに過ぎませんから実態面には影響を与えないでしょうが、利上げが止まってハト派に向かっていく、また日米は緩和が拡大するという方向性だけで十分です。
ここから個別企業の決算シーズンになりますが、FANGなどの大型IT株がそれなりに良い決算を出せれば、今の流れは崩れないと思います。VIX指数も低水準のままキープされ、サマーラリーが展開されるのでしょう。
ただPERなどの既存の尺度が機能しませんから、ある日突然何らかのショックで株価が急落することはあります。それがバブルの怖さですし、何がきっかけでそうなるか予想もできません。
また、アメリカ株高がそのまま素直に日本株高に繋がるわけでもありません。一つはアメリカ株がFANG株だとすれば、日本株はラッセル2000のようなもので「強い大型安定株(アメリカ)ほどは中小型株(日本)が上がらない」から。加えて円高になりますから、その分重石になるからです。
日本株に関してはとりあえず外国人はこのまま7月買ってきそうですし、個人ももう散々売ってしまったので、売り枯れているような感じはあります。あとはまた決算シーズンに入ってくるので自社株買い枠の設定も出てくるでしょうし、次の日銀金融政策決定会合で更なるETF買いの増額すら噂されている日銀ETF買いもあります。容易には下がりそうにありません。
すごい穿った見方をすれば、日本はファーストリテイリング(9983)の柳井社長とソフトバンクG(9984)の孫正義社長の健康状態だけ気にしていれば良いとも言えます。共にカリスマ経営者で、万一倒れることがあると日経平均への寄与度はとてつもなく大きいです。相続での換金売り需要などで、それぞれの株価が半値になれば、日経平均2000円くらい平気で下がります。
まあこれは完全に与太話ですが、つまりはそれくらい今の相場は下値が固くしっかりしていて、何がどうなって相場が急変するかわからないということです。
新興市場は「やや買い」。為替が円安に振れ東証1部の大型株に資金が集まる中、新興市場も売買代金が歴史的な低水準となっており、パッとしない展開となっています。なお本日はB&P(7804)がIPO。良い流れを作ってくれれば良いですが。
【ポートフォリオ銘柄】
MTG(7806)は昨日大幅反発。2/25の戻り高値を起点として、5~7月の高値を結ぶ上値抵抗線を上回る動きになってきています。先月末の株価水準を上回り、出来高も新興市場全体が薄商いの中で高水準。ここで下手なIRが出なければ、上場から1年経過というタイミングも相まって、いよいよ大底打ちと言えるのかも知れません。
日本リビング保証(7320)は昨日続伸。グングン買われて1000円に接近する動きになっています。正体ははっきりしませんが7月に入ってから明らかに出来高が増えており、月間ベースでは上場時以来最高に。適当なことは言う物では無いですが、明らかに誰かが集めているんでしょうね。大相場の入り口のように見えますが果たして。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。