父の話の続きです。
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父の部屋は4人部屋でしたが、周りの患者は痴呆があり、一人は手にミトンのようなものをはめて固定されているような状態でした。看護師さんが痰の吸引やおむつ交換をしようとして近づくと、大声で「人殺し!」「誰か助けてくれ」を繰り返すような状態。
慣れているとは思いますが、気の滅入るような仕事をされる看護師さんに、頭の下がる思いでした。私なんてこの人達に何らか因縁(?)をつけられないかと思うと、なかなか父のところに長居できないと思う程。
一方、やがて父の意識も少しハッキリしてきたように、明確にこちらの動きを目で追うようにはなりました。
私はいつも父のところに来る度に「やぁ!」と少しふざけた感じで手を挙げて挨拶をしていました。すると父も同じように返す、というのがパターン化していました。一応、多少手を挙げる運動になっているかなと思ってやっていたのですが、そのいつものやりとりも、ようやく弱々しく右手を少し挙げるだけになりました。
まあ認識をしているところまでは確認できてホッとしましたが、ただここから一体どれだけ回復できるのか。私は父の命の炎がここ数ヶ月で急速に消えつつあるように感じていました。いよいよ覚悟しなければならないのか、そう考えるようになってきました。(つづく)