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日経平均は金曜続伸。前日のNYはFAAMG株中心にしっかり。懸念の債務上限問題に関しては、2週間の繋ぎ予算が上下院で承認されました。
寄り前に発表されたGDP改定値が速報値の年率+1.4%→+2.5%となったことも追い風に、日本株も朝方から買いが先行。SQ値は22590円に決まり、無事11月の22531円を上回ったことで安心感が拡がりました。いきなり22600円台に乗せると、その後もスルスル買われる動きに。
後場も基本的には上値追い。引けにかけて一段高となり、22800円台に乗せてほぼ高値引け。TOPIXは1800ポイントを回復し、終値ベースでは12月の高値を付けました。売買高は20億株超え、売買代金は3.7兆円とメジャーSQで膨らみました。
投資判断は今まで保留の「中立」でしたが、またここで「やや売り」に変更。ただまだ完全な確証は無いので、改めて高値を更新してきたら「中立」に戻す準備をしつつの、売りポジション構築段階にあるかなと思っています。
金曜のNYは注目の雇用統計において非農業部門雇用者数は+22.8万人と予想の+20万人を上回る着地。平均賃金の伸びが予想を下回ったことなどで、為替は一時ドル売りに振れましたが、結局3指数揃って堅調となりました。それを受けて日経平均先物は22820円となっており、月曜の日本株はしっかりしたスタートが予想されます。
とりあえず2週間の先延ばしが決まった債務上限問題に関しては、正直オバマ大統領の時にもあまり株式市場には影響を与えてきませんでした。「どうせ最終的には延長されるんでしょう?」というのを市場に見透かされており、実際ここまでそうだったからです。
ところがトランプ大統領にまつわるロシアゲートなどの諸問題が未だに未解決のままとなっており、議会調整能力が無いままですから、例えば北朝鮮とドンパチ始めるなどといった別要因が無い限り、次の再延長は難しいと思います。
そもそも景気がこれだけ良いのに、まだ債務上限を引き上げる、というのは道理に合いません。じゃあ一体いつになったら税収と支出のバランスが取れる日が来るのか?ということになりますから。
日本株もアメリカ株同様に復調傾向を示していますが、5兆円の商いを膨らませて山の上に巨大な十字架を作り上げた11/9の水準を超えるのは容易ではないでしょう。またアメリカ株がきちんと高値を取ってくるような波動にならない限り、日経平均も再度の上値追いは難しいと思います。
「日経平均のEPSがいよいよ1500円台にまで上がってきた。だから今の状態はバブルではない。96年以来の高値更新にも正当性がある」という声がやたら聞かれるようになってきたのですが、以前も書いたように、日経平均のEPSは採用銘柄の利益の単純平均であり、実際の日経平均はファーストリテイリング(9983)などみなし株価によって寄与度の大きな銘柄、低い銘柄がありますから、単純にEPSを用いて今の日経平均の適正価格を論じるのは相応しくはありません。
無論、EPSが上がってきたこと自体は単純にプラスではありますが、そもそも一ヶ月前に比べてEPSは6.2%しか上がっていないのに、日経平均そのものは倍の13%上昇する場面があったのですから、いずれにせよ過熱感が強かったのは事実。なので今期業績の好調さを織り込む場面は終わった(というより既に追い抜いていた)と言って良いでしょう。
値動きを主導している主犯は海外の短期筋。ここまでの株高に関して、市場で言われているような「好業績を裏付けとした株価の上昇」は勿論否定はしませんが、株高の半分くらいの説明でしか無いように思えます。もしそうであるなら、何故11/9以降こんなにも値動きがブレているのかは説明できません。そこからわずか一週間で企業の業績が急に5%悪化、足元で回復しつつあるのもおかしな話。
その短期筋が動かしているからこそ、チャートの22000円という節目で下げ止まり、オプション価格の呼び値水準が意識されてきました。この短期筋の跋扈は、もうしばらく続くと見た方が良いでしょう。10月まで株式市場が死んだように動かなかったのに、11月以降ようやく値幅が出てきたのですから、ここぞとばかりに狙ってくるトレーダーも多いでしょう。
価格帯出来高を考えると、9/19に窓を開けて急騰して以降、○○年ぶりの高値水準となってきたわけですから、ほとんど真空地帯に近い感じです。ですから20250円~23000円辺りまでの株価水準であれば、短期筋が動かしやすい部分です。かといって現実的に日本株要因だけで20250円に戻るのは、現段階では現実的ではありません。
短期筋が指数を頼りに持ち上げてきたポジションは解消に向かう可能性が高いです。特に海外短期筋が主体なのですから、誰も最後のババを手元に残したままゲームを終えたく無く、来週以降次第にクリスマス休暇に入っていくトレーダー達は買いポジションを手じまって勝ち逃げして安心して休暇を楽しみたいはずです。
ただし相場全体が完全に崩壊して大暴落、というところまでは想定できません。日銀のETF買いという鉄壁のゴールキーパーが下値に待ち構えています。またこれまで買いあぐねてきた個人投資家が、年末のNISA枠の消化なども意識して下値で拾ってくれます。ですから短期筋の外国人投資家はいつでも安心して利食い売りの注文を入れることができます。裁定買い残もまだ3兆円程度の水準ですから、売りの勢いも限定的です。
最後に雑感ですが、先月伝わった話ではバフェット氏がIBMの保有株のうち3割を9月に売ってしまっていたとか、ソロス氏がGE株を買ってAppleを全部売っていたとか、それぞれの投資賢者が軒並み裏目の投資行動を取っていることが判明。やはり難しい相場なんですね(と、軽く自己弁護)。
新興市場は「中立」。金曜は両指数共に堅調。マザーズはミクシィ(2121)が子会社チケットキャンプの捜査を受けて売られましたが、結局はプラス引け。全般的に東証1部がしっかりしているので、新興市場もしっかりしていました。一応、例年年末は新興市場相場にもなりやすいので、ここからの展開には注目です。
【ポートフォリオ銘柄】
壽屋(7809)は続落。決算後はスッカリ陰線づいて終値ベースで10月以来の安値水準に。出来高も減少傾向で良いところがありません。いよいよ来週公開に迫ったスター・ウォーズ関連株としての位置付けや、足元の人民元安で原料価格の低下といった材料が色々あるのですが。クリスマスシーズンに期待。
売りポートフォリオの大東建託(1878)は続伸で最高値更新波動。月次受注がまさかのプラス連続となったことで、今週は5連騰。確変モードに入りつつあります。
うーん、ここまで色々悪材料がある中で、ちょっと良かったからといって一段買われるというのは、丁度今のアメリカ市場と似ているようにも思います。まあビットコインがあそこまで買われるご時世、確かに同社も買われても不思議は無いですが・・・。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。