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日経平均は金曜続落。前日のNYはアメリカの金利上昇が止まらない中で軟調。特に中国がシステムに悪意あるチップを組み込んだと報じられたApple、AmazonといったIT大手が売られNASDAQの下落が大きくなりました。
それを受けた日経平均も朝方から売りが先行。いきなり200円超の下落に見舞われましたが、下値には買いが入り下げ渋りの動きに。一時下げ幅50円まで戻しましたが、その後は再度戻り売り圧力に押されました。
前引けのTOPIXの下落率が0.5%を何とか超えたことで、後場は日銀ETF買いが入るも、雇用統計や3連休を控えて警戒売りが広がる形。ほぼ寄値と一致して終了しました。金融株がしっかりしていたことでTOPIXの下落率はマシでしたが、それでも3連敗。週間ベースでも3週ぶりの下落となりました。売買高は15億株弱、売買代金は2.7兆円台と少し落ち着きました。
投資判断は「中立」。金曜のNYは注目の雇用統計において失業率こそ低下したものの、賃金上昇率が鈍ったことなどでマイナスに受け止められる形。前日に続き特にハイテク株が売られ、またSECを挑発したTeslaが売られNASDAQの下げが大きめになりました。
混乱が続き下げ止まらないヨーロッパ危機に関しては過剰に気にする必要は無いと考えていますが、これがどういう経路を通じてか、アメリカの金融システムを狂わせるようなことになってきたら話は別です。
基本的に日本株の動きは、日本がアメリカ国債を中国に次いで抱えていて、散々アメリカべったりである以上、アメリカがどうなるかにのみかかっています。ですから話を単純化すればアメリカがどうなるかだけを見ておけば良いとは思うのですが、ともあれそのイタリア発の危機がアメリカに影響を及ぼすにせよ、次のステップがあるはずです。
そういう場合には必ず何か「今まで聞いたことのないような金融商品の名前」が突然表舞台に登場します(ex.サブプライムローン、CDS、CoCo債など)。プロ中のプロしか知らないような単語が出てきて「何だか仕組みがよくわからないけれど大変なことになりそうだ」という状況を作り上げ、不安心理を煽るのが売り方の上手いところです。
ところが現状はまだ6月にイタリアで五つ星運動が躍進した際に起きたように、むしろイタリアが危ないならドイツも危ない→国債を買うならアメリカしかない、という流れになって、かえってアメリカにとっては好都合と言えるような流れも出来上がります。これは今の市場環境がそのように前向きに捉えられる程好環境だからである、とも言えます。もし環境が悪ければアメリカ国債のデフォルトリスクを急速に意識し出す結果にもなりかねません。
幸い、今アメリカはドンドン利上げして8回目の利上げとなりました。なので次に危機が起きた際に、8回利下げをしてショックを吸収できる余力があると言えます。それが今のアメリカ国債の持つ強さのバロメーターなのでしょう。
ともあれ下半期の日本株の推移を注意深く見ていく必要がありますが、まず結論としてはとりあえず中間選挙がある目先一ヶ月程は高値圏をキープするだろうという感じです。もし中国が最も影響の大きい今のタイミングを狙って本気でアメリカ売りを仕掛けてきたら、いよいよ貿易戦争から舞台は株式戦争に居場所を変えるかも知れませんが、そちらは今のところやはり資本主義の本家とも言えるアメリカの土俵と言えそうです。
日本側の要因を見ていくと、まず為替に関してはドル円がグイグイと円安傾向にあります。7月に15年から続いた上値抵抗線をブレイクして以降、しばらくその下落していく上値抵抗線に沿った円高が続いていましたが、8月下旬にボトムアウト。底打ちのきっかけは米中貿易戦争緩和期待感でしたが、その後結局米中貿易戦争が拡大したところでは日本株の底打ちを背景に円安トレンドが確立しました。
更に投資主体別売買では9月第3週に外国人が現物を2770億円買い越し、そして先物を1兆円超の大幅買い越し。対して個人が6698億円売り越しで黒田バズーカ第二弾の14年11月以来の水準に。
http://dataclutch.sakura.ne.jp/otona/bumon/
ただ、個人的にはこれで「よし外国人が圧倒的な日本株買いに転じてきた!黒船の襲来じゃー!」とまでは言えないと思います。というのも、この週にあったのはFTSEの定期リバランス。やはり1兆円規模でありましたから、この影響による先物買いがあると考えられます。昨年も同時期にはそうでした。実際、先週分では早くも先物は売り越しに転じています。
それでも差し引いても外国人が買い転換したのはその通りなのでしょう(恐らく自民党総裁選を経ての安心感)。欧州が買えないので日本株を買う、という投資行動すら合理的に思われます。
また、この先物の買いと並行して裁定買い残も勢い良く積み上がっています。一般的に先物売り+裁定買いのセットなので逆で無いとおかしいのですが、裁定買い残は証券各社の申告性なので、やはり上述したような齟齬(FTSEのリバランスが先物買いの主体)があると見ています。
https://www.asset-alive.com/nikkei/demand_supply.php
新興市場も「中立」。金曜は両指数共に軟調。マザーズの方は主力のメルカリ(4385)や後述のMTG(7806)などが大きく売られ下げ幅を拡大。アメリカでNASDAQに代表されるハイテク株の下落がきつく、そういった売り圧力が波及する形になっています。マザーズ指数のチャート的にも25日線、75日線を割り込んでMACDも暗転。ちょっと厳しい展開になりそうです。
【ポートフォリオ銘柄】
MTG(7806)は続落。まず前日に大和証券が投資判断「1(買い)」、目標株価8800円で新規にレーティング開始という好材料を受けて買い気配スタートとなったものの、そこでなまじ出来高を膨らませてしまい、上値に大きなしこりを作ってしまいました。そこに羽田新路線が米軍の反対で認められない懸念、中国が税関検査を強化などと伝わったことでインバウンド関連株の急落が重石になりました。
金曜はそれにマザーズ指数の下落も重石になってすっかりチャート形状を悪くしてしまいました。公開価格すら視野に入ってくるレベルに。こうなってくると業績で売り方を黙らせるしかないですね。来期業績見通しが出てくるまでは何とか今の水準をキープしておきたいところです。
売りポートフォリオの住友不動産(8830)は続落。アメリカの金利上昇を受けて、日本でも不動産株の弱さが目立ってきています。同社は今月下落しっ放しの4連敗。25日線に支えられた形にはなっていますが、MACDも暗転してきたのでまた下値模索の流れになると思います。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。