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前日の連休明けのNYはフィナンシャル・タイムズが「アメリカが中国の提案した通商予備協議の開催を拒否」と報じたことで3指数揃って反落。ただそれをクドローNEC委員長が否定すると下げ幅を縮めました。
投資判断は「やや売り」に。昨日は反発しましたが、今年に入ってから下がり続けるアメリカのVIX指数。日本の12月権利落ちに呼応するかのように、昨年12/27以降グングン下がりました。VIX指数のチャートを見ると実に13営業日連続陰線を記録。例えばアメリカ株が急落した1/3の時ですらVIX指数は(上昇こそしたものの)陰線だったのです。
結果、急速に年末に比べて雰囲気が改善しています。それ以外にもWTI原油先物は50ドルを回復してきましたし、REITや格付け「BB」以下の債券であるハイイールド債のETFもすっかり復調傾向。金融商品全般的に安心感が拡がっています。
https://www.bloomberg.co.jp/quote/HYG:US
この12月末に何があったのか、ということで12/25辺りの有料メルマガを見返してみると、12/24にムニューシン財務長官が市場急落阻止チームを招集すると発表したというものがありました。まあ当時各金融機関に電話をかけて逆に市場を不安に陥らせたということで、トランプ大統領はムニューシン氏の解任を検討などとも伝わったのですが、結果としてあの頃が丁度それぞれのボトムとなりました。
そして、それぞれの金融商品が以後妙に不自然な強い動きを見せています。確かに売り方をビビらせる一つのアナウンスメントにはなったのでしょうけれど、それで株価などが下げ止まるならば誰も苦労しないような気もします。
結局一番効いているのは、やはりパウエルFRB議長が「16年と同様に金利引き上げ一時停止を示唆したこと」だと思います。それによって16年と同じような相場展開、すなわちゴルディロックス的な相場環境による「下げ止まり」が連想された格好になったということでしょう。今回の政府閉鎖による景気押し下げ懸念も、このパウエル議長のハト派転換に一役買っている面があるでしょう。
足元戻して来たドル円相場ですが、例年12月~1月の間に円安のピークを付けると、2月中旬辺りまでは円高方向に振れやすい時期でもあります。理由としては、2月まで金融機関による外債売却が出やすいからなどとも言われていますが、結果的に今回も昨年12/13辺りが円の戻りのピークで、以後円高方向に振れています。
先般より繰り返しているように、特に日本株は今月月末のTOPIX算入でソフトバンク(9434)と武田薬品工業(4502)の組み入れがあることで、他の銘柄が売られるリバランスの需給悪が特に今週から効いてくる展開になると見ています。というわけで投資判断は「やや売り」に引き下げました。
オプションの建玉を見てみると、次の2月限月のものはプット(売る権利)の建玉が圧倒的に多く、コール(買う権利)の建玉が少ないです。一応、一番プットとコールの建玉が重なっているところが21000円なので、上限はどんなに戻っても21000円辺りがチャート的にも限界(10月及び12月上旬の安値の抵抗線)なのでしょう。
個別ではこれまでのところ内需株の弱さが目立ちます。今年に入ってからは全般的に薄商いの中で、昨年特に売られた銘柄の買い戻しが目立つ反面、これまで比較的値を保っていた内需株が売られている形。資金が外から入ってきているというよりは、あくまでポートフォリオ内のリバランスに止まっている感じがしています。
私はこれまで「今年も下がる年」と繰り返しています。まず最初の鬼門は2月に来て、次は5月にあると見ています。それらに何があるのかと言えば本決算が集中することです。そこで示される今期見通しが、円高や未だ終わらない米中貿易戦争などの不安感を受けてどう示されるのか。日本株のEPS引き下げに繋がり、足元ただでさえ低いPERが一層正当化されない展開が懸念されます。
2月は12月期決算の本決算が相次ぎますし、5月は3月期決算の本決算が出揃います。例年保守的な今期見通しが相次ぐことを嫌気して売られやすい素地がありますが、今回はこのままだと一段と不透明感の強い決算シーズンになりそうです。
そして何より、今年は例のGW10連休があります。これのまずいところは、今年の年初に起きた為替のフラッシュクラッシュにヒントがあります。日本の正月休みで板の薄いところに円買いを仕掛けられ、瞬間的な円高となりました。今回も仕掛けられたら、円はひとたまりもないでしょう。
5月はそういったテクニカル的な要因に本決算シーズンが重なることで、外需企業の為替前提レートが既に成り立たないという可能性も出て来ます。そう考えると、この辺りは気にしておかないといけない月だと思います。
新興市場は「中立」。12月中旬の戻り高値を回復してきたマザーズ指数は、時価総額首位のサンバイオ(4592)が月曜に長い上ひげを引いた影響で崩れてきた格好。2日連続陰線が続いている形です。東証1部に比べるとマシだろうとは思いますが、ここまで勢い良く上がってきた反動はちょっと警戒すべきかも知れません。
【ポートフォリオ銘柄】
MTG(7806)は反落。月曜に大きく買われた反動が出ました。Foot FitのCMなどにも起用されている登山家の三浦雄一郎のアコンカグア登頂断念は既に月曜の段階で伝わっていたのであまり関係は無いと思います。
同社はユーザーを女性(美顔器)だけでなく、男性(SIXPAD)や高齢者(Foot Fit)まで幅広くターゲットを拡げていっており、全方位的な成長を狙っています。この辺りが同業他社と違う成長余力だと見ています。
さて、今回は一銘柄売りポートフォリオに取り上げたい銘柄があります。それはダイキン工業(6367)です。
先日大幅な下方修正を発表した日本電産(6594)の永守会長は会見で「エアコンなどの省エネ家電も在庫が上半期までにはけない可能性がある」と発言。それを受けて同社も足元で売られる展開となっています。
他の機械株はすっかり株価が高値から半減以下になっているものも目立っており、織り込み済みの可能性はあります。ところがダイキンは値持ちもしっかりしていて、昨年は猛暑で買われた銘柄の一つでもありました。この受注好調からの垂直落下式な減速は、(機械株全般も含め)まだ十分株価に反映されていないと思います。
また同社は日経平均採用の時価総額巨大企業です。本日の日銀金融政策決定会合でETF買い付けの比重が日経平均→TOPIXにより移されるという話もありますが、個人的にはそれはまだ変更無いかなとは思います。ただそれを差し引いてもNT倍率が過去の水準から見ても随分高いところに止まっており、この修正が特に今年に入ってから起きている点で、日経平均採用銘柄の売り圧力は大きいと見ています。
目標株価は1万円に。本日寄り付きから売りポートフォリオ入れとします。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。