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日経平均は金曜反発。前日のNYは新規失業保険申請件数が再度100万件を超えたものの、3指数揃って堅調。NYダウは小幅ながらも4日ぶりの反発に。Intelの自社株買いなどもあってNASDAQを構成するようなハイテク株が買われる動きになりました。
それらを受けた日経平均は朝方から買いが先行。ただ19日高値を手前に上値が重くなると、次第に売りが優勢に。ジワジワと進む円高ドル安が重石になりました。中国株がしっかりしたスタートにも関わらず、下げ止まらず。後場は一旦買い戻しが入ったものの、改めて上値が重くなり、プラスながらも安値引けに。売買高は9億株台、売買代金は1.7兆円弱と低調。
投資判断は「やや買い」。金曜のNYは3指数揃って堅調でS&PやNASDAQは終値ベースで過去最高値更新。PMIや中古住宅販売などで好調な数字が確認され、景気先行き期待感が出ました。Appleが500ドル手前まで上昇し、その他のGAFAM株が弱かったものの牽引する形に。それらを受けた日経平均先物は22900円となっており、週明けは金曜終値近辺でのスタートが見込まれています。
先週の話題で一つ大きかったのは日銀ETF買いに関して。買い付け額はさすがに減少でこれまでの1,003億円→803億円に2割減。コロナにより急落する前の2月は703億円でしたから、一時は2004億円という鬼買いもありましたけれど、平常運転に戻りつつあるという感じです。まあお陰で株価は2月以来のレベルにまで戻ってきているのですから、誰も文句は言わないでしょう。
ここからは日銀に頼らず自力で上がりなさい、というメッセージなのかも知れませんけれど、元々日銀が入っていないマザーズ指数は18年6月以来の高値に。政府が景気の山と認定した18年10月よりも高い位置に回帰してきました。まあマザーズの場合は時価総額の大きい銘柄が1部に卒業していくので連続性に意味があるかどうかは不明ですが、一応先物市場があるので年初来高値更新にはそれなりに意味はあります。
というわけで、よく「日本株は日銀が買っているから高い」と解説する人がいますが、完全に間違いでは無いものの、直接上がっている理由にはならないでしょう。何故なら日銀は下値でしか買いませんし、上述のように日銀が入らずとも強いところは強い。
結局株の保有者が外国人投資家→日銀へ移転しているだけのような感じであり、日銀が買わなければ別の誰かが安いところを買っていただけでしょう。株価が実態以上に高いのは偏に世界に金融緩和マネーが溢れているからに過ぎません。
ただ保有者が日銀であれば、一種の自社株買いのようなもの。簡単には売ってこないだろうという点や、企業統治に問題が生じるのではないか、などなど別の思惑が働くという意味では単に所有者が変わっただけの問題ではないのも確かです。
日銀がどういう出口を考えているのかはわかりませんが、自社株買いと考えるならば従業員(=国民)の福利厚生に回すという意味で、年金資金(GPIF)に買い取らせたり、そういう結末になるのかも知れません。個人的にはその他、最終的にはETFの一部を現物転換して自社株買いでそれぞれ買い取らせるという手もあるとは思いますが、まだそういう議論は少なくとも表立っては出てきていません。
ともあれ日経平均の方はチャート的には13日の急騰で空けた窓を埋めに行く動きになりました。ところで日経平均の場合、6月以降200日線(年間の売買平均)が下支えする形になっています。割り込んだのは急落した6/15と7/31のみですが、その際200日線も瞬間下落しました。つまり200日前より株価が下がったわけですが、翌日以降は復調して200日線が上がり続けています。
というわけで今後の株価のイメージを考えるにあたり、200日前の推移が参考になってくるとも言えますが、200日前の応当日が昨年10月下旬であり、目先一週間くらいは23000円を上回っていれば200日線は上昇し続けます。その後1ヶ月半くらいは23500円をキープできれば上がり続けるというような流れになってきており、これを守っていられる間は日本株に波乱は無さそうです。アメリカでもVIX指数が落ち着いているので、安心感があります。
一方でTOPIXはというと200日前が現値よりも上の水準(昨年10月下旬以降、1640ポイントからグングン上がっていく日柄)になっています。つまり、TOPIXの方はかなり頑張って昨年12月高値1750ポイント辺りを目指していかないと、今後2ヶ月は200日線が下降し続ける日柄となっています。
このTOPIXの200日線下落は7/9から始まっており日経平均とは対照的。先週ようやく上回ることができましたが、下落が続く平均線は下値支持としては機能し辛いものです。幸い、上昇が続く25日線や75日線が下値支持線として期待できるので、日経平均よりは不安定なもののTOPIXも何とかしっかりとした基調はまだ続きそうです。
その日経平均よりもチャート形状が良いのはマザーズ市場。日経平均は今週ようやく75日線が200日線を上回り、25日線>75日線>200日線という順の形になってきましたが、マザーズはTOPIXの200日線下落が始まった7/9と同日に75日線と200日のゴールデンクロスを示現して早々に順の形成立。その後マゴマゴしましたが今月に入って上昇の破壊力を高めています。
直近の信用倍率は株価の上放れに合わせて買い残が減少し、売り残が増えて前週の2.54倍→2.23倍に低下。需給面も良好です。
また先週末時点の裁定残高では、売り残が1.7兆円に対して買い残は0.5兆円で差し引き1.2兆円の売り長。前週に比べて2,349億円も減少してしまいました。SQ週ですけれどオプションSQでしたし、純粋に戻り高値を付けた原動力が裁定売り残の巻き戻しだったという感じです。やはりまだ高水準はキープしていますが、このペースで減り続けられると嫌ですね。
最後に雑感ですけれど、アメリカでは分割が流行っています。AppleやTeslaが代表的ですが、増配がし辛い環境下で、株主還元の別の形として分割に活路を求めているようです。今後は株価が十分に高くなっているAmazonやFacebookといったところにも市場からの期待感が加わり、GAFAM株を押し上げるような形になるのでしょう。
新興市場も「やや買い」。金曜は両指数共に堅調。大型株と一線を画す動きになっています。例年、マザーズは8月が底で年末にかけて強いというアノマリーもありますが、今年もそのパターンが当てはまるのかも知れません。決算も一巡した今、NASDAQの強さに連動するようにマザーズ>日経平均>TOPIXという形で優位性がありそうです。
【ポートフォリオ銘柄】
MTG(7806)は大幅高で連続の年初来高値更新。見違える動きになりました。金曜もほぼ高値引けになってしまった点やボリンジャーバンド+3σに接近している過熱感は気がかりですが、赤字から黒字に転換する端境期にある銘柄が一番強いのは確かです。NASDAQ株の強さを見ずとも、マザーズ時価総額上位に赤字銘柄が多いことを考えても、まだ評価余地はあります。
サニックス(4651)は反発。金曜は引け後に兄弟会社のアサンテ(6073)が今期見通しを発表。大幅減益を免れない計画ではあるものの、全般的にはアク抜け感に繋がりそうです。個人的には最近株価の下落によってTOBやMBO、買収などが相次ぐ中で、この二社の合併などを期待しても良いと思っているのですが。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。