防衛大学校話の続きです
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20210317.html
秋期定期訓練の中でも一番のイベントはいよいよ小銃で実弾を撃つこと。一歩間違えば自他の命に関わるわけですから、当然ながら最大限の緊張と心構え、そして準備が求められます
一方、特に男子が子供の頃から無邪気に憧れる「弾を撃つ」という行為が本能的な部分を刺激し、ワクワクする気持ちがあるのも隠しようが無い事実。武器というものは持ってしまうと使いたくなる魔性を帯びています。アメリカで銃乱射事件が絶えないのも当然です
それを律する意味でも何より大変なのは銃の扱い。当時、私の期が使っていたのは「64式小銃」という1964年に製造された、戦後初の国産小銃(豊和工業(6203)製)。入校して程なく、銃貸与式が行われ、一人一人にこの年期の入った小銃があてがわれます。それからこの秋の定期訓練が行われるまで、ひたすら分解、手入れ、結合を繰り返して熟知させ、この日を迎えるのです
銃を扱う以上、構造を熟知した上で分解して組み立てられないといけません。分解するのは手入れが必要だからで、手入れを怠ると暴発のリスクが生じるためです。そしてこの手入れが本当に本当に大変
64式小銃は最新のものに比べ部品点数が150点と多く、重さは4.3kgとズッシリ重くこれまではこの小銃を掲げて行進したり、訓練の時には持って走り回ったり。単なる重荷として使われるのみの存在でした銃を大事に抱えたまま走るのは相当きついですし「ハイポート」といって掲げて走るようなことになると更にきつい
ですから軽量化されていると、随分楽になるはずです。どうも今は2世代後の最新式になっているようですが、当然今や民間の私は触ったことなどありません。(つづく)