KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

たまには真面目に見つめて

仕事が忙しい中、無理を言って5日間の休みを貰いました。そして富山に戻って来て、早速父の入院先にお見舞いに行ってきました。個室から4人部屋には移りましたが、まだ集中治療室から出ることはできず、面会時間は11時から13時、17時から19時の食事時のみに限られています。

また、面会は親族のみに限られています。ただし15歳未満は面会できない状態になっており、表向きの理由は子供には雑菌が多いから、本当の理由は患者の姿にショックを受けるからだそうです。

そんなわけで、孫のうち18になっている姪だけは今日ついてきて、母と私と姪の3人で病室へと向かいました。病室に入って聞こえてきた大きなイビキ。聞き覚えのあるイビキは寝ているうちの父のものでした。2階で寝ている父のイビキが大きすぎて、1階で寝ている私が眠れなかったこともある程。母も普段はそれが嫌で別々の部屋で寝ていました。

毎日のように面会に行っている姉からは「顔を見てショック受けないように」と言われていて覚悟をしていましたが、実際はそこまで大きな変化はありませんでした。漫画の「ブラックジャックによろしく」みたいな事を想像していたのですが。

頭部の手術ですから、顔に血が溜まってしまって、むくんだ状態になっているからです。私も過去に顎の手術をした際、顔がナスビのようになっていたので、どんな状態になっているかは大体想像がついていたのですが、父は元々ぽっちゃりしている体型ですから、そんなに驚く程ではなかったです。

最初の30分ばかりは寝ている父を3人で眺めていました。今日は熱が出たようで、具合が悪いみたく寝てばかりいるみたいでした。そのうち食事の時間となり目覚めた父。その目は濁り、焦点が合っているのかどうかわからない様子。

母が「○○(私の名前)が東京から来たよ」と言っても反応は鈍く、何度か繰り返して呼んでようやく「ん」と一言何とか出てくる状態。体を動かすのはかなりしんどいみたいで、身動き一つするのもやっとな感じ。聞いて想像していたより症状は重いというのが正直な感想。

左前頭葉の出血のため、利き腕である右手はまだ思うように動かない様子。左手の方は「握ってみて」と言うと私の手を思いっきり握って、健康な時とほとんど変わらない握力がありました。そこはホッとした点。

食事も利き手の逆である左手での食事。何とか頑張って口に運んでいましたが、口の動きもおぼつかなく、口からボタボタこぼれ落ちる流動食。それを見ていると遂にこらえきれずに涙が止まりませんでした。姪の前で涙を見せるのは避けたかったのですが。

変わってしまった父の姿が不憫というよりも、生きようとして必死な姿が心を打つと言いますか。「生きてて良かったなぁ」と言うと益々涙が止められなくなりそうで、ずっと黙っていました。

脳が完全復調していない状態でも呼吸はするし、心臓は動く。喉に異物が入ってきたら排泄しようと咳き込む。人間は色々な器官がそれぞれの役割をきちんと果たし、その結果生きているということを改めて認識させられました。

しかし、こういう時は男は頼りにならないものかも知れません。私は何か力が出ずにぼんやり眺めているばかりでした。他の人のケースも聞いたことがあるのですが、やっぱり男はオロオロして何もできないものみたいです。

今後父がどの程度まで回復するのかはこの段階ではまだわからないですが、1ヶ月後には退院して時間をかければ不自由なく生活できるようになる見込み。ただそれまでの間、私は東京で仕事も残っているため看ていられず、母と姉に任せっきりになるのが長男として心苦しいところであります。

そして心苦しいとか何とか言いながら、結局自分は看護もせず、ただキレイ事を言ってるだけやなーとわかっています。わかっていながら動くことができず。悩ましいところです。

「看護や介護が精神的にきつい」というのも改めてわかった感じです。患者の体を動かすのも重労働だし、弱っている身内の姿をずっと見ていないといけないというのが、元気な時の姿を知っているから余計につらいのだと。

今日は合計たった4時間の面会時間でしたが、看護士の方や母はつらいだろうなーと。とりあえず今回の事は痴呆や重度の障害がずっと続くというわけではないので、比較的短期間に終わりのある苦しさのはずですが、そういう家族がいる人の介護や看護は相当苦しいのだろうと感じました。そしてそれを支える家族愛とその家族愛を支える社会制度や設備の整備が重要なんだなーと陳腐な結論ながら改めて思い知らされた出来事でした。

※本日は日曜のため小説の日でしたが、こういった事情のためお休みします。