最近うちの母はずっと電気イス、もとい、電子イスに凝っています。近所のスーパーの一画にとある業者の健康コーナーが出来ていて、そこにその電子イスが用意されています。無料で利用できる、ということで、地元のお年寄り中心にわんさか寄ってきています。
母がしきりに私にも勧めるので、前々から気になっていました。その効能も気になるのですが、何より私はそのビジネスモデルが気になっていたのです。
時系列に沿ってご説明しますと、数ヶ月前にスーパーにその業者がやってきました。最初はそのイスが4つ並べてあり、買い物客にPRし、実際に体験させました。ただ決して商品そのものの宣伝(価格を言ったり買ってくださいと言ったり)はしないそうです。
で、肝心の効能は・・・というと、肩こり、頭痛、不眠、便秘、飛蚊症・・・何にでも効くのだそうです。何にでも効く、というと胡散臭いですが、要は血液をキレイにすることで結果身体の隅々まで健康になり万能、とのこと。
そう言ったPRを何度か繰り返しているうちに、口コミで利用者が少しずつ増えていきました。毎日来て座っていく人も。その一人がうちの母親でした(;^_^A
やがて、その業者はこう言います。「もしあと一週間で利用者が100人増えないと、本社の方から(PR失敗ということで)撤退しろ、と言われている。なので、もっと新しい人たちにこのイスの良さを伝えてください。そしてもし増えたら、ここのコーナーを延長しますし、イスをもっと用意します」と。
撤退されると、今までそのイスの効果に期待して毎日通っていた人々はガッカリ。なので、その人達は自分の周りの人々を誘います。
・・・それを繰り返して、今では利用者が2000人にまで膨れあがり、イスも50個用意されるほど規模が大きくなりました。スーパーとしても集客力があってウハウハですし、利用者もタダで健康になれるとWin-Win。
しかし、業者・客・スーパーの3者がWin-Winになるシステムなんて話が出来過ぎです。そんなわけで、私は疑念を持ちつつこのビジネスモデルについて考えていました。(つづく)