今週のお題「2012年、どんな年だった?」
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日経平均は本日続落。前日のNYは決算シーズンを控えて利益確定売りが出たことで軟調。それを受けた日経平均も朝方から売りが先行。円安が一服したことで輸出株中心に売りが広がり、大発会時に開けた窓を埋める動きになってきました。
一方、下値では押し目買い意欲も強く10500円では踏みとどまる格好に。売買高35億株、売買代金は1.9兆円弱と引き続き商いは活況でした。
投資判断は「中立」。引け値ベースでは何とか日経平均もTOPIXも5日線をキープしてきたので上昇トレンドは維持している格好ですが、売り方や押し目狙いの買い方にとっては「待ってました」の調整だったと思います。ここまで短期間で急騰した不動産株や証券株は下落率1位、2位に。
今晩のアメリカアルコアの決算がまた今決算シーズンを占う上で注目ですが、足元は日本株独自の要因で動いて出来高も膨らんでいるため、今までよりは日本株に与える影響度合いは小さそうです。ただし良い決算であれば日本株にも好反応となるでしょう。つまりは基本は上に行きたがっている相場のため、多少のマイナス要因を包み込める強さがあるという感じです。
これは週末のオプションSQも同様で、今まではこういった日本株の本質から離れた要因が市場に大きく作用していました。海外で良いことが起こってもあまり好反応せずに、悪いことが起こったら震源国と同等程度に下げ、その後は回復しない。それは市場を支配しているのが外国人であり、ヘッジファンドだったからです。彼らの都合でマーケットは動いてきました。
正直今もその構図に大きな変化はありませんが、違うのは個人投資家の存在感の大きさ。本日もアイフル(8515)やオリコ(8585)は引けにかけて切り返し、信用取引規制緩和による「後場からの買い」が、証券取引所が15時まで開いている意味を示し始めました。
そういった個人投資家の存在感の強さが、彼ら外国人などの持つシナリオの書き換えを要求しています。攪乱要因になっているのは確かで、今イニシアチブは個人投資家側にあります。
こうなると、低位株や新興市場など自由奔放に機動的に動ける個人投資家の遊兵ぶりが相場の下支えをします。本日の日経でも報じられていたように、足元では新規口座開設や休眠口座の復活、またFXや商品など他の金融商品から資金が移ってくるなどで、新規資金がどんどん市場に流れ込んできて、非常に好循環を創出しています。
ですから、日経平均は今週は基本弱い動きを見せそうですが、個々の取引においては良好なパフォーマンスを維持できる素地があります。銘柄選別をしっかり行うことで、この相場黎明期をしっかり渡り歩いていきたいところです。
新興市場は「強気の買い」。本日も両指数共に堅調。JASDAQの方は後場マイナス圏に沈む場面もありましたが、引き続き日経で集中連載されている楽天(4755)などの主力株中心に、しっかりした値動きが続いています。
マザーズの方もサイバーエージェント(4751)やミクシィ(2121)といった主力株中心にしっかり。アメブロ芸能人のステマ問題やグリー(3632)による未成年者超過課金問題などは、ちょっと前までならマザーズ市場を大きく冷やす大問題でした。ところがその影響も限定的として取り扱われているところに、今の地合の強さが垣間見えます。
前々から繰り返しているように信用取引の規制緩和によって「流動性の向上=出来高の増加」の恩恵を最も強く受ける新興市場はまだまだ上げる余地があります。バブル化も十分期待できるため、今は新興市場の方が分がある地合と言えましょう。
【ポートフォリオ銘柄】
NECネッツエスアイ(1973)は反発。以前のドコモ(9437)に続き、今度はKDDI(9433)が年末年始にかけて通信障害を連発。ユーザーの非難を浴びる形になっており、今後の通信基地局増強に対する恩恵銘柄として再注目を集めています。
ここまで外需中心の相場でしたが、本日は円安一服で相対的に内需株の存在感が増した格好。良い銘柄は良いということで、このまま上昇トレンド継続に期待です。
ソフトクリエイトHD(3371)は続伸で年初来高値更新。終値ベースでは東証上場来の高値を付けてきました。売り板が薄い好業績銘柄でかつ11月安値からの上昇率が未だ16.7%に止まっており、出遅れ感が強いです。
例年この時期は3月の権利落ちまで強い動きが続きますから、1405円の上場来高値を抜いてくるのは時間の問題。ここを上抜いたら爆発力が出てきそうな感じです。今のポートフォリオ銘柄の中では最注目のマニアック株。
任天堂(7974)は続落。残念ながら今年に入って3本陰線が続き、結局大発会の寄りが高値掴みになってしまった形。12月安値8500円を割り込んでくるようだと厳しいですね。
足元の円安水準は同社にとって非常に追い風ですし、大証と東証の統合効果によって将来的な日経平均参入期待などももっと囃されて良いと思うのですが。ちなみにもし採用となれば、株価水準も高いために指数寄与度の高い銘柄になりそうで、そうなってくると今のファナック(6954)のような良い需給の銘柄になりそうです。
【注目銘柄】
クスリのアオキ(3398)は反落。こちらは今年一発目の売り銘柄として有料メルマガにて配信。大発会では地合が良い中で値下がり率上位に食い込んで、本日も内需株買いの中しっかりと下げてきています。
同社は昨年の年間騰落率が5位の銘柄。上位4銘柄のうち3つは消費者金融株なのですが、これらはどちらかというと直近3ヶ月で上げてきた分が強く、年末という切れ目が上手く高値と合致したので年間騰落率上位になったという感じ。3位のサンフロンティア不動産(8934)も同じ感じです。
ということで、実質的に年間を通して値上がりしたのがクスリのアオキ。しかも、この銘柄も既に11年から上昇トレンドが始まっており、849円→1318円と55%の上昇を経て、2012年1318円→4675円の254.7%の上昇。2年で考えると約4倍もの上昇となっています。
当然、成長の原資があり続ければ株価は天井知らずになっても良いと思います。しかし12/26に発表した月次が既存店125.3%と前月を上回る絶好調だったのに株価は無反応。地合が外需買いになっているだけに、相対的に出尽くし売りが広がる形となりました。
そもそも既存店が前年を上回っているといっても、既存店の定義が「新規開店から13ヶ月経過」なわけで、大体四半期毎に6店舗ずつペースで出店しているのですから、退店がなければ増えていくのが当たり前。
ただ株式市場で一々「13ヶ月前が○○店だったから、これだけ増えればプラス」などと一々チェックしている人は、徹底的にマークしているアナリストくらいなものです。普通は既存店が大きく伸びればそれだけを見て買われます。
しかし今回はそれが無かった。この銘柄の神通力もいよいよ消えてきたかな、と思います。売り残の多い銘柄ですからすぐには下がらないでしょうが、今年に入ってからは毎日1万株程度貸株が減少しており、次第に需給は悪くなってきています。ここからの一段安に注目です。
ライフネット生命(7157)は続伸。こちらは先月27日の有料メルマガで取り上げ。生命保険株の出遅れ、新興市場買いに期待しました。その後は陽線が続き、ここまでの上昇率は14.7%に。短期間でなかなかのパフォーマンスになっています。まだまだ出遅れ感は強いですから、更なる一段高に期待。
日本エスコン(8892)は反落。こちらは前回も当欄で取り上げましたが、先月25日の有料メルマガで取り上げ。本日は不動産安の流れが波及しましたが、昨日は新興低位株買いの流れにも乗って大幅高となり、一時33%の上昇に。本日はさすがにその反動も出た格好でしたが、その割には下げ幅は限定的と言えるでしょう。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。