ローマ話のつづきです。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20141008.html
そんなこんなで焦らしに焦らされまた数十分が経過ようやく我々にお鉢が回ってきました船の周りに手こぎボートが集まってきます。
ただ、案外ふいに順番が回ってきたので、我々の中でどういう順番で乗り込むか決まっていませんでしたお互い顔を見合わせ「お先にどうぞ」とか「いやいや、我々は二人だから、もう二人どなたか一緒に乗りましょう」などとごちゃごちゃ言っていました。
するとガイドのアントニオさんが突然「何やってんの早く早く」と手を振り回して怒ったように急かします南欧独特の感情の起伏でしょうか
じゃあ、我々4人が乗り込もう・・・と思っていたら、先に別のグループが乗り込んでしまいましたじゃその次に乗ろう・・・と思って船先で待っていたら、今度は我々の後ろの方に横付けられたり、逆側の舷に横付けられたりして、次々他の人たちが乗り込んでいってしまいました結局ぐだぐだ感満載で、我々は一番最後に
そんなこんなで無事我々4人が手こぎボートに移乗すると、洞窟の入口へと向かいます。漕ぎ手は中年の男性でしたが「オー・ソレ・ミオ」的な地元の民謡を歌いながら漕いでいました
そして注目の洞窟への入場入口が近づくと「寝そべって」と促され、皆ボートの底に寝そべりますそして船頭さんも勢いよく最後の一かきをして、同じように姿勢を低くします。そうすると我々の目の前を洞窟入口の岩が通過していき、さっきまでの南欧の日差しから真っ暗な世界へと瞬時に切り替わりました
やがて船頭さんに肩を叩かれ「起きあがって見てみろ」と言われます。ゆっくり起きあがった目の前に拡がるのは・・・うわーっ、見事な青色の世界青色の中でも透明感があって、最も上質な青色が目を奪います
サファイアを溶かして液体にしたような、そしてその上を漂うような幻想的な感覚に包まれます洞窟の天井も海面の色が再反射して、微妙に青みがかっており、自然が生み出した一級の芸術品の鮮やかさに言葉を失いますこれは一見の価値がありますよ
散々焦らされたので、余計にその希少性が高まった分もありますが、非常にロマンチック度は高いスポットです洞窟内は狭く、ぐるっとゆっくり一周回って滞在時間はわずか2~3分ですが、実に貴重な体験でしたやはり写真で見るのと実際に見るのでは大違いですね
しかし全く余計なお世話ですが、そろそろ「青の洞窟」というネーミングは止めて、もっと格好いい横文字の名前にした方が良いような気がしますせめて「ブルーケイブ」とかにしないと、私最初「青の洞窟」って聞いて単なる青色の苔生した洞窟をイメージして、こんな綺麗な景色が見られるとは思いませんでしたから
洞窟内では4艘くらいのボートが円周を描いて回航し、順番に外に出て行きました完膚無きままにその美しさにやられた我々は、また船頭さんの指示通りボートの底に寝そべると、入口から出て行きます。また南欧の目が眩むような強い日差しの下に戻ってきて、現実に引き戻されたような感覚になりました
無事外に出ると船頭さんはやや大げさにポパイのようなガッツポーズのパフォーマンスそれに拍手で応じる我々そしてチップを手渡すとまた小舟に戻りました我々が乗り移ると軽く挨拶して、すぐに離れていき、急いで次の客を迎えに行きました何と言っても8日ぶりの書き入れ時ですから、回転良くやっていかないといけません
そんなこんなで全員無事青の洞窟を堪能できたので、船は港に向けて戻りました(つづく)