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日経平均は金曜続伸。前日のNYはECB理事会でドラギ総裁が追加緩和を見送ったことで軟調。
それを受けた日経平均は朝方こそ売りが先行。ドル円が一時120円を付けたものの、若干円高水準で戻ってきたことも嫌気されました。ただ下がったら下がったでまたお約束の日銀ETF買いが入り下支え。また中国株も引き続きしっかりで援護射撃に。
そうこうしているうちに日本でも120円台を付け、切り返しの動きになりました。今晩の雇用統計に対する警戒感も限定的でそのままほぼ高値引け。また各指数共に年初来高値となりました。売買高は20億株台、売買代金は2.3兆円台とそこそこ膨らみました。
投資判断は「強気の買い」。金曜のNYは注目の雇用統計は非農業部門の雇用者数が予想を大きく上回る32.1万人増ということでしっかり。30万件越えは12年以来で、ここまでの年間累計の雇用者数の増加は1990年以来の水準とのこと。そんなわけでドル円は一気に121円を付けて、もうどこまで進んでいくのかという感じになっています。ともあれ、それを受けてシカゴ225先物は18000円を超える動き。
それにしても強いの一言に尽きます。ドイツも前日は緩和見送りでまた10000ポイントの壁に阻まれたか・・・と思いきや、終値でしっかりクリアしてきました。6、7月にかけてチャート上の三尊天井を形成し、その後10月まで谷が深かったのですが最高値を更新。中国も上海綜合指数が急騰を続けており、世界各国で「売ったもん負け」の状態になっています。
今の「日本株」を官製相場と言う人がいますが、それは正しいですが正確ではありません。「世界株」が官製相場なのです。どの主要国も中央銀行が通貨安政策を採って、株高政策を採っています。それが何より(格差が広がったとしても)政権安定の一因だからです。対してアメリカは打ち止めしましたが、結局この緩和マネーの行き先がアメリカに向かっていることから、間接的にアメリカの緩和策は継続していると言えます(当局が望む、望まないは別として)。
そんな売ったもん負けの地合の中で、日本株の金曜の空売り比率はまた30%を上回ってきました。雇用統計を前にしたヘッジ売りが出たものと見られますが、これがまた需給の好転をもたらして上昇運転機関に一層薪をくべる格好になります。日経平均、TOPIXのチャート的にも11月の三角持ち合いを上放れ、MACDも好転し非常に良い形になっています。
ですから前回も書いたように、基本来週もう一週間はしっかりしていると思います。繰り返しになりますが、基調の変化点はメジャーSQの12日と見ており、それまでにテクニカル上の抵抗力が多い18200円辺りを念頭に動いていくものと見ています。
逆に言えば、18200円到達後は、それ以降を見越して一旦少しずつ短期目線のポジションは整理していくべき段階でしょう。18300円という第一次安倍政権が付けた高値をクリアするとさすがに目標達成感も出てきそうです。その頃には更にポジションを減らすか、売りを少しずつ混ぜていくか、の選択が必要になってくると見ています。
年内の日銀のETF買い入れ枠は残り最大4回分程度になっており、あとは週1ペースでしか入らない計算です。選挙高のアノマリーが終わって、鬱憤の溜まった売り方の最後の攻勢(少しでも損を減らして損切りしたい)、節税目的の換金売り、大量のIPOに備えた換金売りなど、大小様々な要因が利益確定売りの口実になりそうです。ただ年内の下値は限定的で、最悪シナリオでも17000円までと見ます。
何故なら原油は下がり続け、資源消費国を潤します。世界で最も恩恵を受けるのが日本と言っても過言ではないでしょう。ですから個人投資家を中心とした押し目買いはドンドン売り需要を吸収します。
WTI先物チャートは10年の戻り安値、また08年以降高安の半値押し水準などを割り込んで、今はフィボナッチ的に63.8ドル辺りで落ち着くかどうかの瀬戸際です。これを割り込むと次は2/3押しの60ドル、そこを割り込むと更に節目の50ドルまで一気に下値余地が拡大します。シェールオイル業者大手の産出コストが40ドルという話ですし、最大手のサウジはたくさん売ればそれで良いだけですから、あまり気にしないでしょう。
一方、来年に入るとまた株式会社日本の筆頭株主である外国人投資家が、なかなか上昇しないドル建て日経平均を嫌気して一旦売ってきたり(為替ヘッジをしていなければほとんど儲かっていない)、今年の前半同様に需給要因的に重苦しい雰囲気が出てくる可能性はあります。まあ来年の話はキリが無いので、鬼が笑わない時期に改めてします。
ともかく、ここでは何度も繰り返していますが、日経平均の超長期上値抵抗線(96年の阪神大震災の復興需要を睨んだ高値、2000年のITバブルの高値、07年の小泉劇場の高値、それらを結んで今に続く超長期の延長線)を10月に追加緩和で明確に上放れして以降、もう日経平均最高値に向けたスイッチは入ったと思っています。止まらない円安もそれを証明しているような感じです。
しばらく成し得なかった長期安定政権の誕生は、日本のデフレからの脱却を「少なくとも」外国人投資家には期待させる大きな材料になります。ですから、やはり株式投資は欠かせないでしょうね。
新興市場は「やや買い」。金曜は各指数共に堅調。2部指数は13連騰となっています。金曜は特にJASDAQでガンホー(3765)がストップ高となり、個人投資家の資金を集めました。来週10日に海外展開に関する説明会が発表されるということですが、既に一旦スーパーセルを見切っているわけですから、なかなか一筋縄ではいかないでしょう。ただ株価水準の出遅れ感から、株高に乗り遅れていた個人の需要を一手に引き受けたという面が強いです。
恐らく個人投資家のイメージは10日まではガンホーで、その後は11日から立て続くIPOで・・・という腹づもりでしょうから、ここからは一層資金回転が速まる可能性があります。年内最後の餅代稼ぎの勝負開始のゴングが、今回のガンホーのストップ高と言えるでしょう。
【ポートフォリオ銘柄】
みずほFG(8411)は小動き。追加緩和による急騰後は金融・不動産株が総じて落ち着いた横ばい推移になっていますが、足元で証券株がようやく重い腰を上げて高値更新の動きになってきています。一方、メガバンクや準大手は株主還元の積極的な三菱UFJ(8306)は別格として、やはり上値の重い展開が続いています。
1日発表の法人企業統計では設備投資の積極化が示されましたが、それが銀行買いの材料にはなっていません。世界的にも優秀な(罰金も無ければ追加増資の必要性も薄い)日本のメガバンクですから、本来はもっと資金が入り込んで、需給を改善させてくれても良さそうですが。個人的には来週は買いが入ってきて、それが目先の相場最終局面の合図になると思います。ともあれ、いつものパターンで高配当利回りを背景にNISA買いが入ってくる流れに期待。
昨日の寄り付きより買いポートフォリオ入れとなったGCAサヴィアンG(2174)は反落。金曜は出来高が急増し陰線となりましたが、まあポートフォリオに入れた直後のいつものパターンですね。今更気にしません。
そんなやさぐれはともかく、アルゴっぽい取引が横行して非常にいやらしいですが、相方の日本M&Aセンター(2127)は天井知らずの上昇。同社も国内中小のM&Aに参入する方針は伝わっていますが、まあこの辺りは個人的にはあまり期待していません。
むしろアメリカで過去最高にまで上ったM&A市場の更なる拡大に期待できますし、同社が運営するメザニンファンドも世界同時株高、債券高の恩恵をフルに受けると思います。為替の円安も売上の過半がアメリカである同社にとっては強い追い風。総株主還元率100%はROEを一層高めると共に、それを期待した買いの流入が見込めると思います。
【注目銘柄】
神戸製鋼(5406)は続伸。こちらは前回も当欄で取り上げましたが、先月27日配信の有料メルマガで買いで取り上げ。その後は着実に上値を追って、また年初来高値を更新する動きとなっています。
金曜は中国株の復調から、コマツ(6301)を始めとした建機株が堅調。同社もKOBELCOブランドで建機が強いことから、筆頭株主の新日鐵(5401)が格下げを受けて軟化する中でもしっかりでした。目標株価はまだまだ上。また目標に達成し次第取り上げ根拠などをこちらで掲載致します。
竹内製作所(6432)は大幅続伸。こちらは今月から有料メルマガで買いで取り上げ。為替が円安に進む中でもマゴマゴしていましたが、ようやく動き出すと一気に三角持ち合いを上放れる動きになっています。上述のように建機がしっかりですが、特に同社の扱うミニショベルは海外で「建機のベンツ」と言われたり、ベルリンの壁を壊したり、高い評価を得ている様子。
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/humanresources/data/bp2_18_takeuuchi.pdf
下半期に関しては元々季節要因的に上半期より弱くなるため、売上には大きな期待はできませんが、円安がどんどん進捗していますから、利益面はそれに応じて拡大していく見込みです。特に同社の場合有利子負債が0なので、財務体質が良く、昨今の増資ブームにとりあえず縁が無い印象です。やはり目標株価はまだまだ上。また目標に達成し次第取り上げ根拠などをこちらで掲載致します。
日医工(4541)も続伸。こちらは1日配信の有料メルマガでやはり買いで取り上げ。足元同業の東和薬品(4553)や沢井製薬(4555)の株価が高いのに出遅れ感が強いのでチョイスしました。こちらも三角持ち合いを上放れると、次第高の動きに。
原油安は原材料安に繋がって、これらの銘柄にとってはプラス材料です。加えて前回も書きましたが、富山に本社がある銘柄なので、来年北陸新幹線が開通する北陸関連株としての材料性もあります。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。