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日経平均は金曜反発。前日のNYは追加経済対策の協議について、ペロシ下院議長がムニューシン財務長官との合意が「すぐそこ」と述べたことや、9月の中古住宅販売戸数が年率換算で前月比9.4%増の654万戸と14年超ぶりの高水準となったことを好感。3指数揃って堅調でした。原油も上昇。
それらを受けた日経平均は朝方から買いが先行。ただ寄り高後は売られ、マイナス圏に沈む場面もありました。10時以降に大統領候補の討論会が始まると、次第に警戒感が無くなり買い戻しが優勢に。バイデン候補優位の流れが市場に安心感を与えました。
後場は一段高のスタートになりましたが、引けにかけて失速。後場の安値で終え、23500円台をキープするのがやっとでした。売買代金は10営業日連続となる2兆円割れ。
投資判断は「中立」。金曜のNYは引き続き追加景気刺激策に対する期待感と警戒感が交錯する中で高安まちまち。ただ製薬大手ギリアドの「レムデシビル」がアメリカで初めてコロナ治療薬として承認されたこともあり、全般的にはしっかりでした。個別では決算を受けてIntelが急落。それらを受けた日経平均先物は23560円となっており、月曜の日本株は堅調なスタートが予想されます。
アメリカでは長期金利やVIX指数の高止まりが不気味ですが、その割には大崩れしません。出てきている企業の決算も比較的良いものが相次ぐ中で、不透明だけを材料に売ってしまうと置いていかれかねない投資家のジレンマがあるからでしょう。逆に言えば大統領選挙を通過して不透明感さえ払拭できれば、株価は上がる方向性にあるとも言えます。
一方、アメリカではダウ輸送株指数も頑強なのですが、日本の方はJR3社を筆頭に鉄道株が売られる流れ。勿論日本とアメリカの事情は違いますが、ことコロナに関してはむしろ日本の方がマシな感じもしますけれど。
それにしても追加景気刺激策の合意云々で市場が右往左往するのは本当にバカバカしいですが(合意の見込みは薄いし、どちらにしても大統領選挙まで近いので本来たかだか数週間程度の誤差であるはず)、薄商い環境下でそれをネタに動かしたい筋が存在するであろうことも事実です。
大統領選挙も本当に下馬評通り民主党が優勢ならば、民主党員はコロナ回避策を採りやすい→郵便投票が多くなることから、結果が出るのはやはり11月3日よりも遅れることになりそうです。議会に関してはもう上下院民主党が優勢になるのはほぼ決定的な模様なので、単純に今後の政策決定力を考えれば大統領も民主党になった方がスムーズです。
もしトランプ大統領が再選したとして、今後4年間通りもしないワガママを通し続けることになったとすると、これはいよいよアメリカ政治の機能不全。株価が暴落してもおかしくありません。FRBも4年間債務を膨張し続けて支えるわけにもいかないでしょうし。そう考えると、全て民主党が勝利する「トリプルブルー」の方が株式市場にとっても良いという判断に傾いたのも道理です。
チャート的には25日線が下向いているTOPIXは上値を25日線に抑えられ、逆に上向いている日経平均は下値を支えられているような形になっています。もう一踏ん張りという感じですね。
ドル円は先週104円台まで円高が進んでおり、一気に10月で最も円高の水準に。為替も薄商いの中でギッタンバッコンしているようですが、総じて円高方向に振れています。
そもそもアメリカは大統領選挙を控え不透明、ユーロ圏もイギリスとEUのFTA交渉に加えコロナ再拡大と、足元は円高になるような要素しか見当たりません。今週日銀金融政策決定会合を控えますが、ここで劇的な金融緩和策が出てくると期待するのも無理があります。人民元高ドル安の流れもドル売りに繋がりますし、ユーロドルで比べてもドル安の流れになっていますから、特にドル円に厳しさがあります。
ただバイデン氏が勝つとしても、トランプ大統領がゴネて郵便投票の集計が終わるまでしばらく勝利宣言も出なさそうですから、やはり目先はリスクオフのドル売りに傾きやすいです。現状、どのシナリオになっても円高方向に向きやすいと言えます。
というわけで折角ドル建て日経平均はバブル崩壊後の最高値水準にあるのですが、円建て日経平均の上値が抑えられる構図です。下値は固く底堅いですが、明確に上放れる理由も無いのが現状。それ故売買代金が薄く方向感が出にくいのも致し方ありません。
先週出てきた決算はやはり上方修正が相次ぐ流れ。まあ一般的に良い修正は早めに出したいのが経営者側の気持ちなので、下方修正よりも上方修正の方が先に出やすい傾向はあります。ただ中国などを中心に明確な復調基調がある中で、保守的な見通しが上方向に修正されるのは当然のようにも思われます。
あとサプライズだったのは、日経平均採用銘柄からファミリーマート(8028)除外の代替にネクソン(3659)の採用。オンラインゲーム専業で初の組み入れとなったのは、今の時代に沿っていると言えるのかも知れません。が、同じゲームなら時価総額でも任天堂(7974)だと思うのですが、(指数寄与度が高くなる株価水準というご都合主義もあって)意地でも採用しないつもりなんですかね・・・。
先週末時点の裁定残高は売り残1.9兆円に対して買い残0.4兆円の差し引き1.5兆円の売り長。前週に比べて743億円減ってしまいましたが、毎度のことながら全然高水準なので問題ありません。
投資主体別売買動向によると、先週外国人投資家は現物を696億円の買い越し。一方、先物は2725億円の売り越しということで、外国人は再度売り越しに転じた形。それに対して個人が買い向かう格好。
新興市場は「やや買い」。金曜は両指数共に軟調。投資主体別売買動向で外国人投資家はマザーズは366億円の大幅売り越しとなっており、前週の243億円の大幅買い越しの1.5倍規模で売ってくるという短期売買を見せています。特にメルカリ(4385)が弱く、先物の値動きを動かすために使われた面もあるのかも知れません。
体感的な感想ですが、これだけマザーズが上がった割に、ネットなどで「億り人になった!」という喜びの声が全然聞こえてきません。
これは「やはり外国人投資家が主導で買い上げられていて、個人はむしろ売りに回って乗れていない」「ガンガン買いに付いていけるような猛者は既に億り人である」のどちらかなのでしょう。つまり大多数の個人投資家には恩恵の薄いマザーズ高なのかも知れません。
【ポートフォリオ銘柄】
MTG(7806)は大幅反発。終値ベースでは昨年6月以来の高値水準となり、5連続陽線と回転が効いています。足元でEMSオンラインジム「SIXPAD HOME GYM」を発表し、自宅でのジムを提唱する形になっています。こういうのを出されるとメディアも飛びつかざるを得ず、そういうところを心得ているのがこの会社の上手いところだなぁとは思います。
サニックス(4651)も反発。月曜に菅首相の所信表明演説があり、そこに50年までのCO2排出量0を標榜すると伝わり、環境関連株として買い上げられる動きに。引け値ベースでも遂に75日線を上回ってきました。今週は上値を追ってそろそろドカンときそうです。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。