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日経平均は金曜反発。前日のNYは4月の卸売物価指数が前月より鈍化したことで、インフレの一段の進捗に対する警戒感が薄れ高安マチマチ。NASDAQは何とかプラスで終わりました。長期金利は2.86%に低下。特に中小型株指数のラッセル2000が1%超の上昇。VIX指数は31.8ポイントに低下。WTI原油先物は107ドル手前まで上昇。
それらを受けた日経平均は朝方から買いが先行。寄り前に発表されたMSCIの銘柄入れ替えに関して、日本株からまた22銘柄の大幅除外が公表されましたが、前日に国内二番目の巨額赤字決算を出したソフトバンクG(9984)が買い先行で始まり、それぞれアク抜け感からそのまま大幅高に。グロース株の反発に火を付けました。SQ値が25951円に決まり、その水準も下支えに。
後場は一段高で始まったものの、後場寄り天の形で上値が重く。引けにかけて1000社単位での決算が控えていることで、様子見ムードが強まりました。26400円を挟んでの推移が続き、引けでは26400円を回復して終了。売買代金はSQということもあり3.6兆円台で活況。REITもプラスでした。
投資判断は「中立」。金曜のNYはインフレがピークアウトしたのではないかという期待感から3指数揃って反発。長期金利は2.93%に上昇。半導体関連株指数のSOX指数が5%超の急騰となり、NASDAQも4%近い上昇に。WTI原油先物は110ドル台を回復。それらを受けた日経平均先物は26610円となっており、月曜の日本株は堅調なスタートが予想されます。
市場の解説としては「0.75%の利上げを敢行して早々にインフレを潰さないと景気後退に陥る」という声が聞かれますが、今の株安は株を犠牲にしてでもインフレを抑えて国民生活を守りたいというバイデン大統領やFRBの意思が働いている逆官製相場とも言え「景気後退を見越して株が下がっている」というより「株が下がっているから景気後退に入ったように錯覚しているだけ」と思います。
確かに一部住宅系の指標には退潮が見られるものの、それ以外の消費指標では引き続き旺盛な需要が継続しています。
テクニカル的な部分としては、例のキャシー・ウッド氏のアークイノベーションファンドの下落が、投資マネーの毀損に繋がっている面は確かにありそうです。決算を受けてコインベースが翌日26%超の暴落。ビットコインも足元では大きく下がっていて、同社の業績も逆境です。そのコインベース株を大量保有しているのが、このアークイノベーションファンドであり、組み入れ銘柄の10位となっています。1位のTeslaの急落も言わずもがな。
https://www.bloomberg.co.jp/quote/ARKK:US
もし本当に景気後退が起こりそうならば、そもそもFRBが利上げペースを緩めれば解決するわけです。ただ逆に言えば、景気減速感がまだ無いので、利上げペースを緩める必要がないから株価が下がっているとも言えます。
日経平均の方は最近は2%弱くらいの下落が日常茶飯事になってきて、何だか慣れてしまいました。ところがきつい指数は色々と出ています。
まず日経500に関しては木曜年初来安値更新。任天堂(7974)は今や晴れて225採用銘柄になりましたが、一般的な225銘柄に加えてキーエンス(6861)やSMC(6273)、日本ペイント(4612)、ニトリHD(9843)といった値がさ株の影響が大きい指数です。20年の9月に他の指数から先んじてコロナ禍を脱し、最高値更新してきたことを当時のブログでも伝えていました。
そういった独特な指標なわけですが、当時はそれに2ヶ月程遅行して日経平均やTOPIXも20年11月に大幅高して上値を追ってきた経緯があります。ドル建て日経平均がとっくに3月安値を割り込んでいたことはこのブログでも何度もお伝えしている通りで、木曜も結局200ドルを割り込んでしまいましたが、こういった先行組の動きを見る限り、日経平均やTOPIXも3月安値割り込みは避けられないように思われます。
https://nikkei225jp.com/data/dollar.php
個別ではやはりソフトバンクGの決算が警戒されました。そしてその警戒通り、日本企業としては過去二番目の大赤字となる1.7兆円。孫社長も最早空元気な感じでしたし。ただ足元のNASDAQの下落などを見ていて、そういった数字が出るのは当然皆わかっていたでしょう。
5月第一週の投資主体別売買動向では、外国人投資家は現物を514億円の買い越し。先物も515億円の買い越しで、わずか2日間の週でしたが、差し引きで1000億円超の買い越し。連休明け後の強い動きを演出しました。対して個人が1,295億円の売り越しで、今回は個人投資家の逆張り売りが奏功しましたね。
話題としてはオリックス(8591)の株主優待廃止。個人投資家の優待ランキングでトップに入るほどの優良優待でしたが、やはりプライム市場の改革を受けて各社共に優待を減らしつつあります。もっとも、こちらも自社株買いを発表していますし、優待はあと2年続くということなので、短期の売り需要は吸収できそうな話ですが。
なお、先週末時点の裁定買い残は6,979億円、売り残2,741億円の差し引き4,238億円の買い長。前週に比べて207億円減りました。少しずつ少しずつ需給が良くなっています。
新興市場は「やや買い」。金曜のマザーズ指数は反発。さすがに前日6%超下げた分全ては取り返せなかったものの、前日寄値辺りまでは回復して終えました。しかし今週は終値ベースで2月安値も割り込んでコロナ急落時以来の安値を更新。ただ幸か不幸か、2月当時ほどに個人投資家の阿鼻叫喚が聞こえてきません。
久しぶりに見る松井証券のマザーズ買い方信用評価損率は木曜に△37.0%となっていて、2月につけた△40%超の水準にまでまだ少し距離があります。現物で塩漬けという人が多いんでしょうね。なので逆に投げが出ずに出尽くしに繋がらない。それだけ今の下げは余計に厄介なものになっています。
【ポートフォリオ銘柄】
BlueMeme(4069)は大幅反発。マザーズ市場反発の流れに乗りました。ただ引け後に出た決算では今期大幅増収見込みではあるものの、ほぼ四季報予想に沿ったような見通しでサプライズ感なく。ここまでグロース市場の中でも高値圏を維持してきていた分、PTSでは大きな売り反応に繋がっています。うーん、新興市場だとこんなもんだとは思うのですが、期待値が高すぎですね。
売りポートフォリオのトリドールHD(3397)は続伸。こちらも引け後に本決算を発表。今期大幅減益見通しとなっているのはまあ原価高などもあるので予想は付くものの、上半期よりも下半期の方が利益が出ない数字になっていて、この辺りは会社の説明を聞いてみないことには評価し辛いのではないかと思います。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。