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日経平均は金曜続伸。前日のNYはここまで売られていた半導体株やグロース株に買いが入り3指数揃って反発。半導体株指数のSOX指数は5%超の上昇となりました。VIX指数は21.7ポイントに低下。WTI原油先物は111ドル台まで低下。
それらを受けた日経平均は朝方から買いが先行。いきなり28300円を回復して始まりました。ただ寄り天の形で、その後は利食い売りに押される形。ドル円が次第に円高方向に振れ、マイナス圏に沈む形になりました。ただ11時前に黒田日銀総裁が「円安進行で円の信頼が失われたということではない」「円安は日本経済にプラス」と改めて強調すると、一旦買い戻しの動きが出ました。
それでも円高の動きが止まらず、後場は一段安。香港株が3%下落し、重石になりました。ただ28000円割れから切り返すと、また後場は次第高の流れに。為替も改めて円安方向に振れ、前日終値を挟んだ攻防が続きましたが、結局プラスで引けて2週連続全勝の9連騰。売買代金は3兆円強と連日の3兆円超え。REIT指数は後場も一貫して売られ安値引けでした。
投資判断は「やや買い」。金曜のNYは長期金利が2.5%に接近する中、金融株が買われダウやS&Pは堅調。ただNASDAQは反落となりました。VIX指数は20.8ポイントに低下。WTI原油先物はフーシ派によるサウジ石油関連施設へのドローン攻撃を受けて112ドル台後半まで上昇。それらを受けた日経平均先物は28010円となっており、月曜の日本株は堅調なスタートが予想されます。
日経平均は軽々と75日線を突破し2月高値も上回る形。TOPIXも200日線を悠々クリアして昨年9月、11月、今年1月の高値を結ぶ上値抵抗線も突破してきました。いやー、ここまで強いとは。
足元の強さは勿論FOMC通過後の債券売り→株買いのグレートローテーションにありますが、日本の場合は円安が大きいと見られます。これだけ勢いよく上昇しても、円安のスピードが速くドル建て日経平均は大した上昇になっておらず。こちらは他のアジア株同様に未だ3月高値を付けてはいません。まあそのお陰で円建ての方は他のアジア株より強い動きを見せてはいるのですが。
実効為替レートが2月の段階で50年ぶりの円安水準と言われており、そこにウクライナ危機があってドル円は上値に蓋がされたような形になっていました。それが3月の季節性なども加わって外れ、グイグイと円安が止まらなくなっています。最早購買力平価などの指標は完全に無視された状態。
結果、約6年ぶりのドル円122円台乗せに。先のブログでも書いたように「容易に止まらない」と思います。しかもまだ天井感は出ていません。原油高にしろ「行き過ぎ」はしばらく続いて、値頃感で参入してしまった投資家などを焼き尽くしてからようやく収まるものですから。というわけで円安恩恵を受けやすい東証1部大型株が買われやすい地合が続いています。
今週はFRB高官のコメントが相次ぎタカ派傾向が強まりましたが、そうやって利上げを投資家に染みこませて毎回のFOMC当日のショックを和らげていく作戦なのでしょうね。果たして今年7回も利上げできるものかどうか。まあ中間選挙近くまでは利上げが続くのでしょうけれど。
最近聞いた話でなるほどと思ったのは日経の滝田氏が言っていたのですが、月曜にパウエル議長が「0.5%の利上げもあり得る」と言った場所が今回意味があり、全米企業エコノミスト協会(NABE)は実務者の出席者が多いので「0.5%の利上げを覚悟しろよ」と釘を刺すのに絶好の場だったということ。バーナンキ議長も08年にCP(コマーシャルペーパー)の買い入れを発表したのもこの場。その本気度が伝わって、長期金利が今週急上昇しているということです。
https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-34164420081008
ただ株の方は抜けなければならない節がたくさんあります。その差がこれから出てくるのではないでしょうか。株にしろ為替にしろ、行き過ぎた売買は逆の目が出た時にも行き過ぎるのが常。冷静に戻るのは株の方が先のように思われます。とりあえず来週配当再投資買い期待などの需給イベントを控えていることから、3月はこのまま強い動きが続くことが前提にあります。
あとはREITも下値切り上げの上昇が続いています。配当金が取りやすいところやREITなんかは地銀などによる買いが入りやすい季節性があります(損益計算上、分配金が利益として勘定できるからとのこと)。
今週の話題は東京の電力不足。原発再稼働の気運が高まっていますが、まあウランも産出量トップのウクライナがあんな状態ですから高くなってるんですけどね。東電HD(9501)などは高値圏をキープしていますが、足元は原油高と円安で苦しむはずですけれど、その辺りを理屈で詰めても勝てないのが株式市場の面白いところでもありますが。ともあれ、首都圏の人は本当に色々我慢を強いられますよね。
あと、来月からいよいよ新市場区分でのスタートとなりますが、プライム市場の判定として、流通時価総額100億円未満の会社もとりあえず仮残留の形になっています。プライム基準を満たさなかったところが294社あるのですが、流通時価総額100億円の判定は年度末から3ヶ月間の平均株価で再度判定されます。つまり、3月決算銘柄の場合はあと一週間しか残っていませんけれど、騰落ギリギリのところは何か策を講じる余地があるでしょうか。
前週末の信用倍率は前週4.3倍→3.6倍に急低下。買い残が3.0兆円まで減少し、売り残も1130億円増えました。先週の5連騰で結構ヤレヤレ売りと、逆張りの空売りが膨らんだようですね。それが今週の勢いにも続いている模様です。
新興市場も「やや買い」。金曜は高安マチマチ。マザーズは軟調でした。上述のように配当権利取りの動きが強い中、結局マザーズが弱いのも3月権利取りする意味が無いからであって(無配銘柄や優待の無い銘柄が多いこと、そもそも決算期が3月のものが相対的に少ないなど)、このままマザーズ指数は有終の美を飾れずに終わってしまうのでしょうか・・・。
【ポートフォリオ銘柄】
アニコムHD(8715)は小安く。同業のアイペットHD(7339)が通期見通しの上方修正を発表。損害率(保険金支払い割合)が想定以下だったことなどが要因になっているようですが、やはり降雪などで動物病院への通院が減ったと見られます。この辺り、アニコムにも恩恵があるのではないでしょうか。
売りポートフォリオのトリドールHD(3397)は反発。さすがに地合に合わせて買われる展開になってきました。また金曜引け後に配当の増配を発表。まあ株価水準に比べて利回りは全然小さいのですが、原価増懸念に対して強気の姿勢は好感されそうです。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。