KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

父の一時帰宅(前編)

先週は例によって父の様子を見るために富山に戻っておりました。父の入院生活もこれで4ヶ月が経過しました。

前回の帰省から丸一ヶ月が経過して、さてどの程度回復しているのかなと期待していたのですが、頭は結構回復してきてはいるものの、まだ何かボヤーっとした状態。先生も「これ以上処置をする事はないので、後は時間の経過とリハビリのみ」という感じです。

正直もう少しシャキっとしているかなと思っていたのですが残念です。リハビリもあまり順調とは言えず、ようやく何とか一人で寝返りをうてる状態にはなりましたが、自分だけで車イスに乗り移ることは出来ない状態。リハビリの先生も「うーん、もうしばらくかかりそうですねー」とのこと。リハビリ中父は大きなアクビをしたりして、頭がハッキリしていないからか、やる気がないのかわからない状態です。

医者的には「やる気がない」とみているらしく、嘘かホントか知らないですが「やる気の出る薬」なる物を飲まされていました。確かに父にしてみれば後何年生きられるかわからず、そして仕事もなく、歩けるようになったとしてもやりたい事がない。今辛い思いをしてリハビリをして何になる、といった気持ちなのかも知れません。

一方、頭がハッキリしていないのも確かです。字を書くリハビリでは自分の家の住所、電話番号を間違えます。また先生が私を指差し「この人は誰?」と聞くと「弟」と答えます。ただ症状は以前とは異なるらしいのです。というのも以前は「目で見た物を脳で正しく認識できない」状態でしたが、今度は「認識はしているが、単語がわからない」という状態らしいのです。つまり「息子」という単語を「弟」と間違ってしまうということです。

前回と比べて良くなった部分もあれば悪くなった部分もあります。耳が難聴になってしまいました。元々機械の現場で働くのを生業としていたため耳の悪い人だったのですが「雑音が入ってよく聞こえない」のだとか。これに対しては補聴器を検討してみることにしました。

母と一緒に補聴器の会社の人から一通り説明を受けたのですが、補聴器って5万〜50万まで幅広く、そして結構するものなんですね。高いもんだとビックリしました。しかし高いタイプは耳にはめ込む小ささで、オーダーメイドらしいのですが「小さすぎると落としたりするし、最初は一番安いタイプのもので十分だと思いますよ」という良心的なセールスだったので、とりあえず様々レンタルしてみて一番本人が良いと感じるものにすることにしました。

しかし補聴器が慣れないのかすぐ耳から取ろうとする父。そして補聴器をしているわりには結局耳に届いていない様子。どうも耳が悪いというよりは、耳から脳に届き辛い状態になっているようです。補聴器をつければ何とかなると思っていた私たちは少々ガッカリでした。

先週の金曜の事です。夕方に先生が父の病室まで回診に来ました。そして「もし良かったら家帰る?土日は検査もないし、息子さんがいるのなら男手があるから一時的に帰っても良いよ。後は動けるかどうかだけだからね」と父に言うのです。すると父も「はい、帰りたいです」と。私は翌日の夕方には東京へ戻ってしまうため、それならば帰宅できるチャンスは今しかない、と母と相談し、急遽一時帰宅の手続きをとることになったのでした。

そうなると少し大変です。まずは病室から家に持って帰る紙おむつ等必要な荷物をまとめます。そして車にどうやって父を乗せるのか?車イスに父を移乗させ、そして病院の外まで移動。そこに自家用車を持ってきて、車イスから乗用車後部座席に移動させます。それがベッドから車イスに移すだけでも大変なのに、私と母と医者と看護士さんの4人でそれぞれ持ち上げて何とか乗せる事に成功。後は車イスを折りたたんで強引に車に積んで実家に戻りました。

父にしてみれば4ヶ月ぶりの我が家への帰途。車の窓から流れる景色をおっかなビックリで眺める父。白い病院の天井に見飽きた目には様々な物が映っていたようです。脳にも刺激になるのではないでしょうか。

家に到着し、車から降ろすのは比較的簡単でした。慣れたというのもあるのでしょうか。再度車イスに移乗させ玄関まで移動。そこで玄関に引いた毛布に父を寝転がします。そして毛布の端と端を母と私で持って移動。簡易担架のようなものでした。

居間は和室なので畳なのですが、腰掛ける物が必要だとのことで洋室からソファーを持ってきます。そして父を座らせます。まるで大きなぬいぐるみ状態です。ぬいぐるみの方がまだ軽いのですが・・・。

とにもかくにも父は4ヶ月ぶりに我が家に戻ってようやく一息ついたのです。その表情は「移動に疲れた」という感じでしたが、何はともあれ内心喜んでいたのではないでしょうか。(明日に続く)