KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

引き続きお見舞い申し上げます

今週のお題「ブログと私」
改めまして被災された方にはお見舞い申し上げます。未だご親族やご友人と連絡が取れない方もおられると思いますし、その心痛は計り知れないものだと思います。犠牲者は1万人を超えるとも言われ、その被害の大きさは落ち着くどころか、日に日に増している印象を受けます。一日も早く、元通りの生活に少しでも近づくようにお祈りしたいと思います。先日は本当にわずかばかりではありますが募金をしてきました。

マグニチュードは9.0に上方修正され、史上4番目の規模となりました。その凄まじさが文字で歴史に刻まれようとしています。過去最大は1960年のチリで起きた地震でマグニチュード9.5。その際に発生した津波が日本にも達し、当時日本でも142人の死者を出したとのこと。そして実はこの被害者の内2/3の人が今回と同様岩手県大船渡市と宮城県南三陸町だったということで、地形的に津波の被害を受け易い地域と言えるのでしょう。

なおチリの大地震直前にマグニチュード7〜7.5の前震と思われる地震が5〜6回続き、その後本震が発生したとのこと。今回の東北沖大地震も2日前にマグニチュード7.2の地震が発生していることから、同様の傾向が読みとれます。私は大きな地震が一回起こればそれでエネルギーを放出するのだから、しばらくは起きないものだと勝手に思っていましたが、そうとも言い切れない事が身に染みて良くわかりました。

ちなみに次が1964年のアラスカ沖地震のマグニチュード9.2と1960年代に2回。三番目が記憶にも新しい2004年のスマトラ島沖地震マグニチュード9.1と続いて今回の大地震です。実質的に先進国が受けた最も大きな被害の地震と言えましょう。

前回も書いたように、マグニチュードは0.1上昇すると約1.4倍の威力になるとのことですから、修正前のマグニチュード8.8の約2倍、つまり阪神大震災の約350倍の規模になるということですから、最早想像ができません。この辺りのエネルギーが天文学的な数字ですから、推し量る作業はかなり難しいものだと思います。

その結果、マグニチュード7.0以上の余震が起こる確率が、今後3日間で70%以上、また更にその後3日間でも50%以上と、非常に高い確率が示されています。まだ「災後」ではないといった状態ですから、引き続き周辺地域にお住いの方は、食料・水・防災グッズなどの準備をなされ、万一の事態に備えていただきたいと思います。

そもそも街が一瞬にして消えてしまう、というのは、本当に筆舌に尽くしがたい惨劇です。人災であれば誰かを責める事もできるのですが、天災である以上怒りのやり場もなく、非常にやるせない気持ちになります。地震前の航空写真と現在とを比べると、途方もない無力感に苛まれてしまいます。

http://www.abc.net.au/news/events/japan-quake-2011/beforeafter.htm

福島の第一原発も日本初の炉心溶融という事態を受けて、非常に予断を許さない状況が続いています。1号機から始まって3号機までが非常事態に。電力会社や自衛隊の人々の日本・世界を守る努力が懸命に続いていますが、彼らに惜しみない称賛を送りたいと思います。そして何とか最悪の事態を食い止めてもらいたいと思います。

ただ明日から東京電力管内では計画停電が実施されるということで、この辺りは非常事態に対する国民の危機対応が問われる部分だと思います。幸い真冬とは少しだけ離れ、真夏でも無い時期だったという点で消費電力的にマシなのかも知れません。お住いの皆様におかれましては不便な事だとは思われますけれど、協力し合ってこの難を乗り越えてもらいたいと思います。

それにしてもこんな時に蔓延るのがチェーンメール。私自身には幸い回ってきませんが、嫁や母の携帯に次々と送られてくるみたいで本当に困り物です。内容は「○○の社員からの連絡で、有害物質が外に出ているから外出をしないよう、一人でも多くの人伝わるように知人にこのメールを転送して欲しい」
「電力会社の社員からの連絡で、停電になるから節電を一人でも多くの人に呼びかけて欲しい」
という内容。

なまじ内容が悪質なもので無いから、余計に皆信じて回してしまいますが、○○の社員とか、まるで怪談話の「友達の友達に本当に遭った話なんだけど・・・」的な実態のわからない無責任な発言は信じるべきではないです。そもそも友達の友達なんて一人平均友達が50人居るとしたら、50の2乗=2500人の誰かが言ったという、極めて実態の不透明な話です。

そういうチェーンメールという存在の実態を知らない母なんかは「でも節電は良いことじゃない」とか言って回そうとするのですが、良いかどうかを判断するのは回ってきた側の人間であって、回す側の人間ではないという事だけは肝に銘じておくべきです。もし本当に良い事だと思うのであれば、自分の名前を主語にして「節電しましょう」と呼びかければ良いのです。転送は、発信者の単なる責任転嫁に過ぎません。

この虎の威を借る・・・じゃないですけれど、誰かしらの信憑性の高そうな人物の存在を借りて、世間に影響を与えようとすることこそがチェーンメールの悪質な部分です。この不幸の手紙的リンクは、「自分で止めてしまうとまるで自分が良い事をしない悪人のような錯覚」と「こういう時に何か少しでも世の中の役に立てるのではないか」といった人間の心理を巧妙に操ったものですから、内容は詐欺的なものでは無かったとしても、チェーンメールを回してしまった人は以後詐欺にかかる可能性が高いとも言えましょう。以後用心してください。

本来は確かに電子回覧板のようにメールも機能すれば有効な一つの通信インフラです。ただ真偽様々なチェーンメールが錯綜すると現場は混乱するばかり。この真偽が混ざっているという部分が曲者で、どちらか一方であれば混乱は無いわけですけれど、混乱してしまうといざという時に必要な行動が取れなくなってしまいます。ともかく本当に大事な情報はメールなんかでは回ってこない、発信者のはっきりしない物は無視する、ということをしっかりと理解しておくべきでしょう。

さて、このブログは日頃株式の話に比重を置いているブログですから、明日以降の相場に関してもそろそろ言及しておかねばならないでしょう。

月曜の株式市場はシカゴ225の指数に併せて日経平均1万円に接近する流れになると思います。ただ株式市場的にせめてもの救いだったのは、金曜の引け際に起こったということです。わずか10分ではありましたけれど、急速に大地震を織り込む動きが出てまず一部の売り圧力は平常な状態で吸収できたこと、その後の夜間取引で先物だけは大災害の入り口部分の不安心理を織り込むことができたこと、後は現物株市場が2日間の休日を経て一定量の落ち着きと冷静さを取り戻して開くことです。もし原発事故がザラ場中に報じられようものなら・・・と考えると、そら恐ろしい感じがします。

為替はこの状況下で円高に動いたのですが、日本の投資家の海外資産売却によるリスク資産圧縮の動きや日本企業が海外子会社からの資金を円転する流れが強まって円高に動いたとのこと。この辺りは事態が落ち着くと、大きな反動が出て85円くらいまで円安が進むのではないかと見ていますが、目先は乱高下が続く展開になりそうです。

そもそも月曜に株式市場がきちんと開くのかどうかも現時点では微妙なところですが、考え得る非常にベタな予想としては建設・建機株買い、保険株・交通機関株売りですね。実際に金曜のPTSでは建設株の中でも特に震災時に注目される福田組(1899)・植木組(1867)・五洋建設(1893)・日成ビルド(1916)等といったところが軒並みストップ高となっています。この辺りは月曜も恐らく寄り付き段階から買えない状態で始まるでしょう。実際の業績に与える影響がどうこうではなく、皆が買いたいと思えば株価は上がりますから。カナモト(9678)、西尾レント(9699)、サコス(9641)という建機レンタル業の方が、まだ初動が落ち着くかも知れません(ただしこちらも需要の全てに対応しきれないでしょうけれど)。他には今回の一件で首都圏での自力通勤が注目を浴びるとすれば自転車のあさひ(3333)という連想も働くかも知れません。

一方金曜のNYは日本の被害状況に対する様子見もあって安く始まったものの、結局はプラス引け。これは今回の災害が負の連鎖を生まなかった・・・という事に関しては良いことだと思う一方で、日本経済の影響力がこれ程までにも小さいという事を示してやいないか心配です。日本の大惨事よりも、中東のデモの方がアメリカにとって大事だ・・・という事になると、少し寂しい感じもします。

世俗的な嫌らしい見方をすれば、菅政権はこの危機を上手く立ち回りさえすれば、支持率の急回復が見込めます。外国人献金問題が吹っ飛んでしまい、予算・補正予算案は通り易く、災害復興という公共事業を体面気にする事無くおおっぴらに実行に移せます。政権運営の大ピンチを大チャンスに変える事ができます。岩手地盤の小沢氏も今はどんな気持ちでしょうか。

今回の大惨事は明治以降観測される最大規模の地震ということで前例無く、株式市場に与える影響を正確に推し量る事は難しいです。ただ大きく沈んだところからは必ず日本は立ち直ります。関東大震災阪神大震災と幾多の震災を乗り越えて日本はここまで成長してきました。

無論、取捨選択されて届いているであろうことを加味しても、世界各国のメディアは今回の国難に対する日本人の冷静かつ的確な対応に多大なる賛辞を送っています。これは日本人として誇りに感じられると共に、日本人の素晴らしさを世界にアピールできるチャンスなのかも知れません。今回の未曾有の国難が、忘れ去られていた良い意味での民族団結を呼び起こし、少しでも早く元の穏やかな生活に戻れる事を期待します。

最後に、私は今回の1万人超の犠牲者が大変大きなものだと思う一方で、毎年の自殺者が3万人を超えるという事実に、この未曾有の天災以上に日本という国に住み辛さを感じている人の方が多いのだと痛感しました。自殺に至るには様々な固有の要因があるかとも思いますが、今回の大惨事で生きたくても生きられなかった人の事に思いを馳せて、彼らの分も必死に生きていく事が我々の宿命だとも思います。

改めまして、被災された方にはお見舞い申し上げます。

※毎週日曜は個別銘柄のレポートを掲載しておりましたが、今週は作成をお休み致します。予めご了承ください。