KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

今度は日本で大地震

今週のお題「ブログと私」
昨日大変な大惨事が発生しました。地震大国日本を象徴するかのような東北沖大地震。マグニチュードは明治以降最大の8.8を記録し、あの阪神淡路大震災マグニチュード7.3を大きく凌駕。マグニチュードは0.1上がるごとに約1.4倍ずつエネルギーが大きくなるとのことで、つまりは阪神大震災の178倍の規模。その想像を絶するエネルギーによる破壊・崩壊を、私は離れた富山でテレビやラジオを通じて確認しています。被害に遭われた方には本当に心からお見舞い申し上げます。廃墟化した街並みの映像を見る度に大変心が痛みます。

その後の余震でも最大のものでマグニチュード7.4というのがあり、阪神大震災以上の規模の地震が立て続けに発生したという事になります。先日のクライストチャーチの被害が大きかったNZ大地震でさえマグニチュードは6.3でした。

加えて今回の地震の震源の深さも約10Kmということで、阪神大震災の16Kmより浅いものでした。なおNZ大地震は5Kmということで、それによって被害がマグニチュード以上に大きく出てきた一因でしょう。

一方、今回の大地震は陸から離れていたため地震による直接的な倒壊は少なかったのかも知れませんが、その分津波による被害が甚大でした。いかに日本の建造物が耐震性に優れていたとしても、この島国特有の2次被害は防ぎようがありません。仕分けの対象になったスーパー堤防計画が、また持ち上がってくるかも知れないですね。

テレビの映像で衝撃的だったのは、何と言ってもあの津波の脅威。スマトラ島沖地震で津波の恐ろしさを映像で見せられてから、水の暴力というものはわかっていたつもりでしたが、地震後間もなく押し寄せた高さ10メートルにも達する大津波の破壊力は、私の想像力なぞを簡単に絶するものでした。10メートルとは3階建ての建物に相当する高さで、それが幅何Kmにも渡って押し寄せてくるわけですから、正にこの世の終わりのような光景でしょう。

その恐ろしさは漫画や映画で表現されるような架空のものとは異なり、リアルの映像です。上空から観ると水がまるで意志を持ったスライムのような怪物の如く、粘着質な感じで建物や船や車を次々と飲み込んで、その禍々しさを加えながらも勢いが衰えようとはしません。そういう意味ではやはり怪物なのでしょう。車が農道を猛スピードで駆け抜けているのを観ると、どこから来るかわからない巨大過ぎる怪物に追われる恐怖が、ヒシヒシと伝わってきます。

その水が引いた跡の光景も陰惨たるものです。逃げ遅れた方の遺体が数百体あるというのも、戦後復興した後の日本では考えられない光景です。海水に浸った田畑は当分使い物にならないでしょう。その復興の道のりはものすごく困難なものであると思われます。

水の被害があれば火災の被害も出てきます。気仙沼市の大火災もまた想像を絶するものでした。上空から映像で観ると相当に大変な事になっていて、実際の現場はその数百倍も酷い光景なのでしょう。

うちの母親が「地獄や、地獄や」とひたすら連呼していました。確かにこれ以上に無い的確な表現です。揺れの次に水、火という第二、第三の被害が次々と木津付いた人々を容赦なく苦しめるのです。

更なる追い打ちが原発の放射能漏れ。この辺りに関しては事態の適切な対応を祈るしかありません。国の危機管理能力が正に問われる事態です。海外からの支援を受け入れて、速やかに被災者の方を始めとする国民の生活を、一日でも早く現状復帰に近づける努力をしてもらいたいと思います。

東京の方も週末の突然の事態に大混乱で、電車が全線ストップ。帰宅難民が多数出ており、防災の日に話題になる交通インフラ断絶によるシミュレーションがいよいよ現実化してしまいました。私の東京の友人も直接的に被害を受けているようで、帰宅が翌日の太陽が昇ってから、との報告ももらいました。

その後長野でも震度6強という十分過ぎる大地震が起きていますが、もう本当に自然に対しての人間の無力さを、これでもかと痛感させてきます。もうわかったから・・・。

せめて金曜の午後だったというところが、マシな部分だったのかも知れません。ただこういう大地震は何故か冬に起き、被災地ではまだ雪が降っていますから、せめてもう少し暖かい時期であれば・・・と詮無い事を思ったりしています。

地震発生当時、私はラジオNIKKEIを聞きながら株式市場を見ていました。すると田中アナが「地震ですね。強い揺れです」と言っておられ、その時私は「ふーん、地震かー。東京なら震度4とかの地震もザラにあるし」と大して気にも留めていませんでした。

その直後にCMが入って、CMが明けた後もまだ「揺れています!」と伝えておられ、ガタガタとスタジオが揺れる音声が伝わってきました。その時に初めて「こんな長い地震はちょっと尋常じゃないぞ」と思った矢先、こっちの富山も揺れ始めました。東京の地震が富山まで来るなんて、ちょっとこれは異常だと思いました。

それですぐテレビを付けると、お台場のところでビルが燃えている映像が出て、最初私は首都圏直下型の地震だと思っていました。

実は毎月東京に戻っている嫁が丁度帰る日でもあったのですが、嫁はのんびり昼近くまで寝ていて、いつもより遅い電車で行く事になりました。丁度3時近くの電車に乗った嫁から直後に「はくたかに乗ったよ」といつものようにメールが届きました。私はすぐに「大地震だから新幹線多分止まってるよ」と返信しました。

ただ、地震の混乱直後だったからか、嫁にそのメールはすぐに届いていなかったようです。その後嫁から「糸魚川で電車が止まって、今日は復旧の見込みが立たないから引き返す事になった」とメールが届きました。それで結局嫁は払い戻しを受けて戻ってきたのですが、もし嫁がいつも通り出発していたら、全線停止になった新幹線の中で過ごすことになったのかも知れず、そういう意味では寝坊も悪くなかったのかも知れません(;^_^A

その間私は色々情報を集めていました。首都圏の被害も甚大で、私が昨年友人の結婚式に行った九段会館でも天井が崩落し死傷者が出て、千葉では燃料タンクの火災。宮城の被害はむしろ上記したようなその後の津波によるものが大きく、順番的には後で大きくなってきました。

株式市場や為替市場は引け際に急落し、地震関連銘柄とされる福田組(1899)や植木組(1867)といった銘柄が急騰。突然有事モードになりました。その後取引されているシンガポールの日経平均先物は1万円を割れ、大証のイブニング取引でも1万円割れのスタート。一時盛り返しも見られましたが、被害の大きさが伝わると徐々に売り込まれ、やはり1万円割れとなりました。

今回の地震は当然の事ながら震源地に近い人ほど、人生を大きく変える事になってくるでしょう。直接的には家族や親類を失った方、友人を失った方、住居や財産を失った方。大勢の人が11日の15時前後を境に運命を大きく変える事を強制されました。その人生観などに対しても大きな変化を与えることでしょう。刹那的な気持ちになってしまうかも知れません。この辺りは時間をかけてゆっくりと傷跡を癒してもらうしか方法は無いのかも知れません。

震源地から離れた私のような人間にも、当然ながら色々な変化をもたらします。耐震に対しての関心も高まりますし、地震保険というのもやはり検討するきっかけに繋がります。これは心理学的にも繋がる人間の基本的な行動パターンとも言えましょう。

一般の火災保険の場合は、今回のような地震に起因する被害に対しては保険金が支払われず(※地震火災費用保険金が支払われる場合があるものの、保険金額に対する5%などの少額しか支払われないのが一般的)、オプションとして地震保険を付帯しておかないといけません(※地震保険は単独で加入する事ができず、必ず火災保険の付帯となります)。

保険未加入の世帯にも国から被災者生活支援制度というものが期待できますが、金額は最高でも300万円と限られますから、本当に財産などを守るには不十分な額と言えましょう。今回の地震発生から津波が押し寄せるまでの沿岸部の到達時間を考えても、とても逃げ出す際に金銭的な物をまとめている余裕など無いという事は明らかになりました。

なお地震保険は公共性の高い保険であることから、保険会社の利潤が一切含まれず、将来の災害発生のために積み立てられている種類の保険になります。そういう意味合いでは保険会社も、火災保険未加入の家には積極的にアピールしてくる材料とするかも知れませんが、加入済みの世帯には取り立ててプッシュしてこない可能性があります。ですから、地震保険に関しては自分自身で色々と検討してみる必要がありそうです。以上、FPの資格を持っていながら普段ほとんどFP らしい言及がない私からのアドバイスでした(;^_^A

一方、普段株式市場を生業にしている者としては、保険会社の側についても言及しておかねばなりません。まず保険金の支払いに関しては再保険というもので、主にイギリスのロイズ保険組合というようなところに「保険会社の保険」に入っていますから、一定額はそこで賄えます。またこれだけの自然災害ということになりますと、政府からも一定額のバックアップはあります。

また被保険者は地震保険に加入しているからといって、必ずしも保険金が額面通り全額支払われるとは限りません。72時間以内に発生した地震でまとめて最大で保険金総額が5.5兆円を超える場合は、対する支払い保険金額の割合に応じて逓減される事になっています。それによって国と保険会社が支払いに応じられるようなシステムとなっています。

従って、当然保険会社の収益には大きなマイナスになるのは間違いないものの、それによって保険会社が潰れたりという事態にまでは至らないと考えるのが自然です。短期的には大きなマイナスでしょうが、ある程度収まってくると、上述のように保険に対する関心が加入者を増やすという点も挙げられるのかも知れません。今回は特に首都圏でも大きな被害となっており、インパクトも大きいですから。

今後は世俗的にも色々起こるでしょうね。今回の地震を予言した人というのが必ずマスコミに取り上げられるでしょうし、人間の非力さを思い知らされて宗教的な者にすがる人も増えるでしょう。正にハルマゲドン的な光景を目の当たりにしましたから。嫌なことに火事場泥棒みたいな者も必ず出てきたりします。こういう輩は本当に許せないですね。同じ人間とは思えません。

人々の生活も変わるでしょう。耐震基準は今よりも厳しく見積もられる可能性があります。このタイミングで論じるのは不謹慎かも知れませんが、建設関係の業者にはここにきて需要が拡大する可能性があります。

経済活動的な事を言えば、例えば自然災害が日本一少ないのが私の住んでいる富山県とも言われています。こういった地域にデータセンター等を移してくるという流れもあるでしょう。私は今回の地震はやはり色々な物がとにかく変化する契機になるのは間違いないと思っています。

とにかく必要なのは、こういう国難に国民が一致団結して、互いに協力しあっていかねばならないということです。大きく落ち込んだところは苦しいですが、逆に大きな反発を呼び込むで、大きく復興することができます。これは大きなピンチではありますが、その苦難を乗り越える底力が日本国民にはあると思います。それを信じて「地獄」から少しでも元の「理想郷」に近づくよう、少しでも早く少しでも元の生活に戻れるよう、そして明るい未来を信じられるように生活していけられればと思います。