KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

大暴落局面における相場見通し

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足下の株価急落は投資のチャンス!
間もなく天与の買い場がやってきます。
今の内から情報を集めて、反転のタイミングに乗り遅れないようにしましょう。

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日経平均は大幅続落。前日のNYは米国債格下げショックから史上6番目の大きな下落となって大暴落。それを受けた日経平均が9000円を割り込んでくることは想像に難くありませんでした。

朝方から一方的に売られ、追証の投げ売りなどが五月雨的に出て、市場全体のムードは右肩下がりに。前引け時点では東証1部の上昇銘柄はわずかに10銘柄しかありませんでした。前場に出た中国のCPIも予想を上回る伸びとなり、インフレ懸念が加速。新興国の景気鈍化もスパイラル的に悲観論に拍車をかけました。

ところが、後場には直接的には日銀のETF買いにより下げ渋ると、時間外のアメリカ先物も徐々に反転。連日売り建てていたショートポジションが、今晩のFOMCに控え買い戻しという動きに出た模様。上海も一時プラスに切り返し、下値拾いの動きが各国で顕在化。

結局日経平均は本日の高値圏での引けとなり、長い下ヒゲを付けました。東証1部の出来高は33億株、売買代金も2兆円近くとなって、下値での商いが大きく膨らみ需給改善に繋がる動き。今晩のアメリカにも希望を繋ぐ動きとなりました。

投資判断は「中立」。本日の値動きは個人的には想定外でした。前場の中国CPIが高かった時点で、まだまだ世界的な下落は続くのだろう、今晩のFOMCで市場が期待するようなものも出てこないだろうし・・・と諦めかけていました。

ところが意外にも切り返して陽線を示現してきました。「まとも」に考えるならば今までこれだけ下げてきたのですから、いい加減下げ止まって当然です。東証1部のPBRも1倍をとっくに割っています。

また株価の下落に応じて自社株買いやTOBを実施したり、様々な資本政策を打つ企業も目立ち始めました。テクニカル的にも8月に入ってから既に日経平均TOPIX共に5つも窓を開けて下落してきています。三空どころか五空の状態であり、強烈な買い圧力が下値で生じるはずです。

しかし「パニック」という言葉の前に、これらの前向きな見解は全くの無力です。今の状態がパニックにあるというのは、VIX指数がリーマンショック時の水準まで上昇してきていることからも裏付けられます。

バブルというものは非常に合理的な経済行動であり、皆「上がるから買う」のです。それの逆が今目の前で起こっている事象であり、皆「下がるから売る」のです。いくら上記の事例を理性的に持ち出してみても、現実的に下がっているのであれば、様々なところから投げ売りが出ざるを得ません。

大口の機関投資家の中には株価の下落に応じてルール的に売却しないといけないところもあるでしょうし、大手であればあるほど一度に売却できませんから、結果断続的な売りが続いてしまうことになります。これが需給を悪くし、いつまでも上値を抑え、買い意欲の減退に繋がります。

この辺りの話は何も株に限ったことではありませんね。デフレも結局はこの原理で、今日より明日の価格が下がると皆思うなら、必要度合いの小さい商品を現時点で買おうというインセンティブはなくなります。結果、物が売れず不景気になります。

なので極論を言えばもっとお金を大量に刷ってインフレに持っていけば良いのです。そうすれば逆の現象がおこり、経済活性化に繋がります。借金も返せますし、現在のお金の価値が「貯めていても」どんどん減りますから、結果何らかの消費行動に繋がります。株式は金と並んでインフレに強い商品でもありますから(企業の利益は額面的には増えるし、その分配当も増えると考えられるため)、投資家にとって万々歳です。

ところが中央銀行はそのようなことをしません。それは第一にはインフレをコントロールできず収拾がつかなくなることを恐れているからですが、最終的に国の借金が返せないと、この手段に頼る他ないでしょう。今は世界中が金融緩和という名目のもとにドンドンお金を刷って自国通貨を安くしています。日本はそれらに比べて金融緩和の度合いが小さいですから、結局円の希少価値が相対的に高くなって円高になってしまっています。

まあ一方で日本のデフレもそろそろ限界にきていると思いますし、この辺りの話をし出すと本筋からドンドン離れていってしまうのでやめておきます。とにもかくにも、今のご時世「借金したもん勝ち」とも思います。どうせきちんと返せないのですから。

世界的に今このような状態にあるにもかかわらず、非常に不可解なことに、国債はガッツリ買われています。それは何もオバマさんがわざわざ「格付け会社が何と言おうが、米国は常にトリプルAの国であったし、これからもそうあり続ける」と言ったり、日本政府が「我が国も米国債を買う」と発言したことで勇気付けられた投資家が・・・いるわけもありません。

つまり、足下の下落は「アメリカ国債の格下げに対する懸念」ではなかったということです。「AAA」が一段階引き下げられたくらいで何が変わるのか、元々アメリカ国債なんてAAAじゃないじゃん、と皆思っているのです。では今更株価がここまで売られるのはおかしいし、国債が改めて買われるのも理屈に合いません。

やはり足下の不安はアメリカの財政に対する直接的な不安よりも、アメリカの景気減速に対する不安ということでしょう。アメリカの足下の経済指標は悪いものがドンドン出てきますが、今までは共和党辺りが半ば強引な株高政策をぶち上げて、強いアメリカを誇示していました。それが例え虚勢であったとしても、世界の国々はその背景にある軍事力で最終的にアメリカは何とでもできると信じてきました。

ところが、軍事力と経済力は裏表の関係にあり、経済力がしっかりしてきた中国が今度はその地位を脅かし始めました。中国はアメリカ国債の大きな担い手であり、その存在は互いの国を縛り付けて行動の自由を奪います。

そんな状況下で、アメリカだけで勝手な財政拡大も取り辛くなってきます。債権者と株式投資家は常に背反の関係にあります。債権者はとにかく償還期間まで財政の規律を守ってくれれば元本が戻ってくるので、債務者に無茶はして欲しくありません。

一方で株式は将来の成長期待を織り込むので、多少無茶をしても成長してもらいたいのです。なのでQE2の実施は株式投資家にとっては魅力的な出来事でした。QE2が発表されてから株価はグングン上がっていったことは、昨年夏からのアメリカ株のチャートを見れば一目瞭然です。

ですから、QE2が終了となる6月末を睨んで、株価が弱含んでいくのは至極当然の帰結とも言えます。市場は次のQE3を催促する相場に移行し、株価は足下まで下落基調が続いていますが、足下の下落は催促の下落と言うよりは「もうQE3は無いな」という諦めの下げという状態です。商品価格の上昇で新興国に多大な迷惑をかけた金融緩和を我田引水的に継続することは、リスクが大き過ぎます。

同時に財政拡大策も採れません。採れるだけの余裕が無いのに強引な施策を採ると、上述のような話から債権者、つまり中国などの大国が怒ります。ですからアメリカは財政拡大策も金融緩和策も採れず、八方ふさがりの状況にあると投資家に見切られています。これが足下の株価下落の原因です。

・・・とは言うものの、実際に何かが破綻したわけではありません。確かに私はかつてブログ上でリーマンショックの際に「リーマンショックは100年に一度とか言われるが、先進国の国債がデフォルトしたらいよいよ世界経済は終わりだ」としてきました。

ところが、今回は別にデフォルトしたわけでもないにも関わらず、サブプライムローンが焦げ付いた時以上の下落を見せています。話が最初に戻りますが、不安が不安を呼び、下落は下落を呼んでいるのです。

タチの悪いことにこの状態が続くと「今度はフランスが格下げだ」「バンカメが危ない」「大手ヘッジファンドが破綻」と良からぬ想像が株価下落に現実味を付与し、最悪の場合噂が現実を引き寄せる形に成りかねません。加えてタイミング悪くロンドンでは暴動が発生し、アメリカではガイトナーさんが続投を決めたのに、日本では野田さんが辞めようとしています。

しかも辞意の理由は「代表選出馬のため」。こんな時に一体何を考えているんだ、と皆が突っ込み、結局すぐに野田さんも辞意を撤回しました。内心は皆歴史上に「暴落を食い止められなかった無能者」と不名誉な名前を残されるのが嫌なようです。

どいつもこいつも、という感じですが、それだけ「ぶっちゃけ、もうどうしようにもない」と考えているということでしょう。また最近世界的にナショナリズムが強まっていると感じられるのも、各国の余裕の無さ、国難の表れと言えるでしょう。

そんなわけで今晩のFOMCですが、私はあまり期待しない方が良いと思います。QE3も無く、小手先の「やらないよりはやった方がマシ」程度の政策しか出てこないと思います。それでもアメリカの株価はまだリバウンドなどしていないので、FOMCで特に何も出なかったとしても、大きく下げることはないと思います。

ただ、出なかったら株価の先行きは暗いです。リバウンドも小幅なものに終わってしまい、このままではオバマさんは選挙で大敗です。ここは何らかのウルトラCを期待するしか無いでしょう。

日本ではさしずめ株式的な需給は後場に随分改善しました。それでも今晩のNY次第では更なる下落のための助走になったと振り返ることになるかも知れません。投げは一巡しましたが、まだ追証に伴う投げ売り、上述のようにまだ売りきっていない機関投資家、外国人投資家、空売りによる利益を狙う投資家が、いくらでも玉を持っています。

そんなわけで、とりあえず今晩のNYには特に注目といきたいところです。今晩のアメリカ次第で、目先数年の株式市場の流れが決まるといってもおかしくないかも知れません。

一方で、新興市場は本日マザーズ指数が切り返してくる強さを見せました。この辺りは逆に上述の「新規売り」の投資家の存在がほとんど否定されますから強いです。元々機関投資家、外国人投資家の比率が小さく、空売りができない銘柄も多いですから。なので新興市場は相対的に良いパフォーマンスを出す可能性が高まってきました。無理に買いに行くのはお奨めできませんが、どうしても何か買いたいのであれば新興市場、というところでしょうか。

そんなこんなで長々と書いてしまって文字数の関係上、個別銘柄のコメントは今回は無しです。どちらにしても皆同じような値動きをしていますから、あまり書くこともありませんが。

惜しむらくはポートフォリオ銘柄に関しては空売りを一つも入れていなかったので下落の余波をモロに受けています。言い訳にしかなりませんが、有料メルマガの方に売り銘柄を全部持っていっているので、こちらで取り上げる機会がなかなかありません。

一方、有料メルマガの方は先週から買いポジションはすっかり0で、売り銘柄はきっちりと目標株価に到達していますから、結構しっかりと利益が出ています。宣伝で恐縮ですが、こういう相場だからこそ、有料メルマガの方も一つ宜しくお願い致します。

http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/service1.html


※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。