KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

ソフトバンク(9984)とファーストリテイリング(9983)が足を引っ張る!

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日経平均は金曜続落。前日のNYは新規失業保険申請件数が予想を上回る低水準となったことで朝方こそしっかりしていましたが、Appleの株価下落なども重石となって引けにかけて売りに押される展開に。

それを受けた日経平均は朝方から売りが先行。前日に巨額買収を発表したソフトバンク(9984)、決算を発表したファーストリテイリング(9983)が共に大きく売り気配スタートとなると、現値と先物の数字に乖離ができました。最終的に両社共に寄り付いてSQ値が8517円で決まると、SQ値を下支えとして下げ渋る流れに。

一方、TOPIXの方は朝方からしっかりで、指数毎に雰囲気がまるきり異なる珍しい形。NT倍率の縮小が目立っただけで、全体的にはしっかりした一日でした。売買高は17億株台、売買代金は1.2兆円と、SQでもありそこそこ商いは膨らみました。


投資判断は「中立」。金曜の日本株はしっかりしていましたが、売り方の買い戻し姿勢が根強く、日証金などで見ても上がっている銘柄でも貸株の返済が多い様子。

10月第一週は外国人投資家が買い越し、個人が売り越しとなったものの、先物では外国人は大幅な売り越し。まだ外国人の姿勢に変化は無いようです。従って金曜の上げはとりあえず自律反発に止まるものであり、残念ながら相場の流れはまだ変わっていないと考えた方が良いでしょう。

日経平均の方はともかくとして、TOPIXの方は前回示した下値支持線を割り込んでしまっています。そして金曜もその水準を回復するまでには及ばず、丁度上値を抑えられている感じもあります。

そして金曜のNYは出てきた各景気指標が良かったものの、金融各社が決算が良くても売られたことなどを受けて高安マチマチ。それを受けたシカゴ225先物は8550円と金曜の終値付近となっています。

なので月曜はとりあえず落ち着いたスタートにはなるでしょう。一応土曜に出た中国の貿易黒字拡大も、ひとまず「不安要因にならなかった」という点ではプラスです。8500円が足下の下値支持線として意識されそうですが、引き続き指数寄与度の高い銘柄によって振らされそうですから、こういう数字的な節目はあまり意味を持たなそうです。

来週はアメリカで決算が本格化することから、決算動向にも当然注目。ただ平均2%の減益を見越しているはずのアメリカ企業も、足下予想を上回っても売られる銘柄が多いことから、株式市場は完全に悪い業績を織り込んでいるとは言えない印象。特にNY市場はここまで高値圏を維持していたこともあって、ちょっと厳しい動きが想定されます。

一方、日本株の方もそれの影響を受けざるを得ませんが、ここまで大きく下がってきていることもあって、アメリカ程は下がらない相場だと見ています。為替の方は比較的円安で安定しており、前回も書きましたがソフトバンクの巨額買収が為替相場に少なからず影響を与えています。

特に一夜明けて日経で「スプリントを通じ米5位のメトロPCSコミュニケーションズの買収も検討。実現すれば買収総額は2兆円を超える見通し」と報じられ、更に拡大すんのかよ、とつっこみを入れたくなる状況に。JT(2914)のガラハー買収に次ぐ国内企業のM&Aでは最大級の規模。

本当に孫社長は我々凡人の予想を遙かに超える構想と思考力を持っているようです。ソフトバンクの話に関してはまた後述します。


新興市場は「強気の買い」。金曜は両指数共に軟調。東証1部銘柄がしっかりしたことで、新興銘柄には利益確定売りが先行。ノーベル賞効果で派手に値を飛ばしていたバイオ株も乱高下し、脱落する銘柄も出てきました。

バイオ株に関してはさすがに来週は沈静化しそうですが、かといって他にターゲットとなるべくテーマ性も無く。基本は新興物色が続くと思いますが、特にマザーズ銘柄は既に買われている銘柄も多いため、どちらかと言えばJASDAQ銘柄の物色の方が強そうです。


ポートフォリオ銘柄】
みずほFG(8411)は続落。世界的には金融株は相対的に買われているものの、国内のメガバンクは地合の悪さもあって売りが目立っています。上述のようにアメリカでは金融株の決算も出始めているのですが、内容は良くてもここまでしっかりしていた分売られる流れに。

元々QE3が決まった時点でもっと金融株は買われても良いはずなのですが、現状は真逆の流れとなっています。確かにまだ実際に資金がジャブジャブになったわけでも無いので、実体面での買い需要が出ていないのもありますが。

ところで、今回のソフトバンクの巨額買収にメガバンク3行が協調融資すると伝わっています。それはそれで貸し出しが伸びて良いことですが、どうも「貸しやすい」ところに一極集中しているような感じです。そのため、3行がドッと押し寄せたイメージ。

この辺りの裾野が広がってこないと、なかなか日本経済はしっかりしてこないのでしょうね。景気がこの先良くなるのも悪くなるのも、資金の出し手である銀行次第。


GCAサヴィアンG(2174)は反発。前回書いたようにソフトバンクによる巨額買収がM&A環境を刺激し、同社の株価を押し上げる流れに。これが成立すれば今年の日本企業による海外M&A総額は過去最高となる公算。

チャート的にはこれでようやく週足の上値抵抗線(昨年5月、7月、8月、今年3月の高値を結んで作られる線)を明確に上抜けたと認定できそうで、1年半にも及ぶ下落トレンドは終止符を打った形に。一度陽線グセが付けば、加速度的な上昇も期待できます。何とかTOPIX買いにもよって、今月は10万円を目指す動きにできそうです。


売り銘柄のファーストリテイリング(9983)は大幅続落。案の定前日の決算が嫌気され、1銘柄で日経平均を70円以上押し下げる強力な下押し圧力となりました。そして無事目標の16000円達成で、3週間で11.4%の下落に。今回はようやく同社の売りがバッチリ成功しました。

前回の反日デモの大幅安と今回の急落で需給は一気に悪くなった印象。ソフトバンクと共に歴史的に高まったNT倍率の格差縮小に動く向きが強まりそうです。いずれにせよ、一旦はリバウンドが入りやすいと思うので、また買い一巡後に再度売りポートフォリオ入れを検討します。


【注目銘柄】
ソフトバンク(9984)は大幅安。この銘柄に関しては有料メルマガにて先月から投資期間が終わってもずっと売りとしてきたことは当欄でも書いていましたが、ここ一連の買収話によって、ようやく株価的な引導が渡された感じになっています。

金曜は資金負担が更に膨らむことを懸念して、ストップ安手前まで。一方、交換比率が決まっているイー・アクセス(9427)の方はストップ安比例配分となっています。

買収そのものに関しては私は良いことだと思っています。というよりも、国内だけでシェアを奪っていくにしても、いずれ限界がやってきます。他社に先手を打たれるよりも常にイニシアチブをとっていきたいという孫社長の気概が感じられます。

新聞各紙やアナリストなどの批評を読んでいると、今回の買収案件に対して強気弱気それぞれ入り乱れていますが、全体的には弱気派が多い印象です。大体ドコモ(9437)のAT&Tとの資本提携失敗を例に、海外買収の難しさを語る論調が多いです。

ただ、私はドコモとソフトバンクのケースを同列に扱うのは違うと思います。ドコモの場合は自社で開発したiモードを輸出する目的で、アメリカ大手と組みました。しかしアメリカ版iモードである「mMode」を広めるには至らず、結局最終的には撤退を余儀なくされました。

今回のソフトバンクのケースはスケールメリットによって通信設備や仕入れの競争力を強化することを目的としています。例えばiPhoneを仕入れる場合も、世界最大の顧客基盤を持っている会社とそうでない会社に対して、Appleの対応も変わらざるを得ないでしょう。それは今後Apple以外の勢力が台頭してきた場合も同様です。

また周波数帯が異なるとはいえ、LTEという国際規格が同じですから、何か外から特異的なものを持ってきて広めるわけでもありません。当然すぐに買収効果は現れないでしょうが、今後アメリカに旅行した際に通信料金が従来よりも安く済むなど、ソフトバンクユーザーにもスプリントユーザーにも恩恵があるような形にサービスを発展することも可能です。

そして何より経営者の意志決定力の差でしょう。ドコモはiPhone獲得失敗後も失策を重ねた結果顧客流出となっており、元々旧態依然とした官営企業の体質と、一代でソフトバンクをここまで大きくした孫社長との差は現在でも歴然としています。買収で終わりではなく、その後のビジョンにおいて、孫社長とドコモを同列に扱うべきではないでしょう。

懸念は独禁法違反と、ソフトバンクが中国企業製の機器を扱っていることが挙げられると解説されています。独禁法違反に関しては、ソフトバンクは国外の業者ですからスプリント買収までは問題ないのですが、5位のメトロ買収が厳しいのではないかと言われています。

また、中国製機器を扱っている点に関しても、今は安全保障上特に中国に対する警戒感が強いですから、最終的に認められるにしても、しばらく認可に時間がかかる恐れがあります。丁度丸紅(8002)がガビロンを買収を発表してから、未だに完了していないのと同様、審査という名の下に無形の邪魔が入ってくる可能性があります。

あとは買収コストが上がる点でしょう。現時点でスプリントの株価は急騰しており、敵対的買収が起こらないとも限りません。買収に時間がかかればかかる程、競争相手が出てくるのはシャープ(6753)を見ても同様。鴻海がモタモタしている間にインテルの名前が出てきましたが、それと似たようなことが起こりえます。

ですから目先はしばらく買収企業側のソフトバンクに対しては、厳しい市場の評価が続くと見ています。それは何故かと言えば、今はっきりしているのが2兆円という「コスト」の大きさであり、それで実現する「収益」がはっきりしていないからです。

株式市場はとかく不透明を嫌がるものですから、はっきりしているコスト面の評価が先に行われ、株価が下がるのは当然と言えましょう。もっとも、上述のようにコストすらも拡大する余地がありますし、そもそも買収が成立しないかも知れません。

なので、まずは事態の進展を待たないとなかなかソフトバンクを買い向かうのは難しいでしょう。私は上述のように今回の買収そのものは評価しているものの、今後1年間同社株は「買えない」と判断しています。それは以前にも書いたソフトバンク株3年周期説もありますが、今回の件でより不透明感が増したことでハッキリしました。

当然、中短期では上げ下げの場面はありますが、大きな流れとしては来年1000円割れの可能性も見ておくべきでしょう。


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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。