KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

トランプ発言に踊らされ令和相場未だ未勝利

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日経平均は本日続落。前日のNYはアメリカ政府が中国に対する関税引き上げを正式通告し、中国も対抗関税を表明したものの、サンダース報道官が「中国が合意に意欲的」と明らかにしたことで買われる展開に。ただ引けにかけて急速に値を消し、ダウが辛うじてプラスを維持する程度で、それ以外の指数は続落でした。

それらを受けた日経平均は朝方から売りが先行。21500円を割り込んで始まり、一旦は買い戻しの動きが出るものの、トランプ大統領が「中国がディールを破った」などと演説で発言し、売りが加速する形。その後「中国との交渉は上手く行く」などと発言したものの、買い戻しの動きは限定的でした。それらの発言を受けて中国株は軟調なスタートになったことで、前引けにかけて一段安に。

後場は日銀ETF買い期待感などで下げ渋り。後場場中に発表した商社の決算や自社株買いを受けて買われたことや、明日のSQなども控えて、引けにかけて買い戻しの動きが出ました。ただ200円安で終了。売買高は16億株台、売買代金は2.8兆円台と昨日より膨らみました。


投資判断は「中立」。日本の大型連休中に海外で起こっていたイベントとして重要なところはまず1日のFOMCでした。そこでパウエル議長が「金利政策は適切」と発言したことで、一部市場が期待していた利下げの確度が後退したことから、アメリカ株は月初から売られる展開に。一方で長期金利が上昇しドル高が進み、更に強い雇用統計を受けて、また高値追い波動に。

5/2に出した「包み陰線」の形をはね除けるか・・・と思ったのですが、出た必殺トランプ大統領ちゃぶ台返し

まあ私もそこまで強く言っていたわけではないですし、ドヤ顔をするつもりはありませんけれど、アメリカが中国に対して甘い顔をする訳は無いと思っていました。これは昨年10月のペンス副大統領発言以降、ずっとそう思っています。どうも対中政策にしろFRBや日銀の緩和期待感にしろ、市場は過度に楽観し過ぎな感じがします。

ともあれ指標を一つずつ確認すると、まず中小型株の指数であるラッセル2000はやっと1600ポイントを回復し年初来高値水準になった場面がありましたが、全体相場のリスクオフムードから反落。まだ他の主要指数に比べて出遅れ感が強いです。

また中国株が弱い動きを続けています。先月末に出たPMIが政府・民間の出す指数共に予想を下回ったことで、中国景気鈍化リスクが懸念される格好に。上海総合指数は結局4月マイナスで終えました。その割にはバルチック海運指数は4月以降反発を強め、足元では1000ポイントを回復する場面がありましたが、やはり反落。
https://www.bloomberg.co.jp/quote/BDIY:IND

他方ドイツDAXはジリ高が続いて連騰が目立っています。何と4月に下がったのはたった3日間しかありませんでした。中国成長鈍化懸念より、ユーロ安の恩恵を受けることでしっかりした展開が続いて、結果昨年9月以来の高値水準となっています。

もう一つ弱いのは原油市況。WTI原油は4/23を高値に、その後は下落基調が続いています。アメリカがイラン産原油の全面禁輸を各国に通告し、それでグングン買われた原油でしたが、OPECがその分の増産するという見方で一転売られる動きに。そして今回また一転リスクオフモードになって世界的な需要鈍化を警戒し、60ドルまで下げたところで一旦落ち着いています。

その原油と高値のタイミングが一致しているのが実はドル円です。4/24に今年の高値を付けたところまでは良かったのですが、その後は円高方向に振れています。海外の指標が悪かったこともあるのですが、ドル高が原油安に繋がっている面もあるでしょう。

ドル円は恐らく10連休の海外旅行を控えた外貨買い円売りの需要が高まったこともあると思います。帰国後は余った外貨を円転する動きも重石でしょう。何より、既にシカゴ短期筋が今年最大となる10万枚弱の円売りポジションを持っている中で、今回のFOMC、そして雇用統計という大きなイベントでも最近上値の抵抗線となっている112円を抜けきれませんでした。

となると次に112円の壁を突破する材料がしばらく見当たらず、諦めの買い戻しも出てきそうですから、もう少し円高基調が続くように思われます。そして今回の対中国関税引き上げを受けてドル円は一気に110円割れまで下落する形となりました。

一方、足元ユーロが弱いのも偏に中国が弱いからでしょう。今はドル一強の形になっており、ドルインデックスは今回の米中貿易戦争拡大前に17年5月以来の水準になる場面がありました。
https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-DXY/

まあアメリカも日本企業にとって大切なお客さんですし、アメリカが強い、ドルが強いことは悪いコトでは無いかも知れません。ただアメリカに資金が集まり過ぎることで、新興国通貨安を通じて新興国株安を招きかねません。

シカゴ短期筋という面ではVIX指数の売りポジションは遂に18万枚超となり過去最大を更新。きっかけ一つでいつでも跳ね上がる素地はあります。確かに「日経ダブルインバース(1357)などの買い残が多いから、返済売りを通じて日経平均は上がるんだ」という意見は正しいと思いますが、一方でこちらのネガティブな数字も並行して論じないと不公平です。
https://www.cftc.gov/dea/futures/deacboelf.htm


新興市場は「やや売り」。本日は両指数共に軟調。バイオ株が崩れ、引けにかけて次第安の展開になりました。東証1部でもTOPIXが崩れているように、指数寄与度の高い大型株以上に小型株の下落が顕著な感じになっています。個人投資家がいよいよ持ちこたえられなくなってきている印象です。


ポートフォリオ銘柄】
フマキラー(4998)は続落。昨日前期業績の下方修正を発表したことで朝方から売られましたが、一時プラス圏に切り返す場面も。殺虫剤需要は水ものですから、市場の関心は既に今期に向いています。13日予定の本決算前に売られたお陰で、ハードルは下がったような感じです。


売りポートフォリオソフトバンク(9434)は大幅高。昨日決算を発表し年間85円となる増配を発表。同時にヤフー(4689)の第三者割当増資を引き受けて筆頭株主になり、子会社化とすることを発表しました。色々複雑なスキームの結果、またソフトバンクG(9984)に大量の資金が流れる形。すっかり、こちらは孫さんにとって都合の良いオールドエコノミーの集合体という感じです。

ともあれ利回りが一気に6%台になったことで、とりあえず買いは入ってくる形になりました。が、国内のみで勝負する企業のコングロマリットですから、キャッシュフローは生むかも知れませんけれど成長余地は限定的。スプリントをくっつけられなかっただけでもマシと考えるしか無いのでしょうね。個人投資家がその事実に気付くのはいつの日か。


・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。

なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。


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株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。