母の心臓手術話の続きです。
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説明を受け終わって時計を見ると22時半でした。我々は口々に「良かった、良かった」と笑顔を見せていました。
ところが、待合い室にはもう一組別の家族が待機していました。朝8時半から脳の手術を行っているという患者の家族さん達は、未だ先生から呼び出しがありません。つまり、かれこれ14時間ほども手術が続いているということでした。
しばらくして、そんな彼らにもようやく先生から呼び出しがありました。しかし、やがて説明を聞き終えて戻ってきた時には暗い表情でした。
伯母さんが「どうでしたか?」と尋ねると、奥さんは「どうもあまり芳しく無いようです」と悄然とした感じ。長い長い手術は難易度の高さの裏返しでもあるわけですが、患者、医者、家族にとてつもない負担をかけながらも、結局はその分の見返りを与えてはくれなかったようでした。
我々はそれを聞いて「そうでしたか・・・」と言いながらも、母の手術が上手くいったこともあって、正直皆表情が緩んでいました。何となく同じ境遇の家族で明暗が分かれてしまい、本来そう思う筋合いは全く無いのですが、申し訳ない気持ちになりました。
結果を聞いて、彼らは先に帰って行かれました。ここは大病院なので、非常に難易度の高い手術案件がいっぱい持ち寄られるようです。そのため、成功しない、ということも多々あるのでしょう。
患者さんが大変なのは勿論ですが、医者側もかなり大変だとつくづく感じました。交代して休憩を取りながらやるのかも知れませんが、何時間も立ちっ放しで集中力を切らすことなく、細かい作業を神経をすり減らしながらやらないといけないのです。
先ほど我々に説明くださった執刀医の体格がしっかりしていたのは、そういったバイタリティがないと医師として務まらないことを証明していたようです。それだけベストを尽くしても、今回のように上手くいかないことだってあるわけで、その場合はとてつもなくやるせない気持ちになるのでしょう。
待合室に我々だけが残されたのですが、その後1時間経っても2時間経っても、一向に呼び出される気配がありませんでした。手術は成功と聞いたのに、その後何かまた容態が急変してしまったのではないか?縫合だけでこんなに時間のかかるものなのか?またしても急速に不安感が募ってきました。(つづく)