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前日のNYはジャクソンホールを通過し、内容が織り込まれて金利上昇が一服したとの見方から3指数揃って上昇。長期金利は4.20%に低下。NVIDIAが1.8%の上昇となり、半導体関連株指数のSOX指数は1.2%の上昇で、NASDAQの上昇が大きくなりました。S&Pは8月初めての続伸。ただし商いは一層閑散。ドル円は直近の高値を上回り、年初来高値更新。WTI原油先物は80ドルで横ばい。
投資判断は「売り」。先週は最近の中ではボラティリティがあった週でした。木曜にNVIDIAの決算を受けて上昇して始まったものの、一転の下落に。木曜はまるで資金がNVIDIAに吸い取られたかのように他の銘柄が弱かったですが、そのNVIDIAも結局金曜下落し、決算前比でマイナスとなりました。
先々週のウォルマート以降、好決算を出しても売られる銘柄が相次いでおり、超絶好決算を出したNVIDIAも結局そのくびきから逃れられないのでしょうか。となると次はどのような決算を出せば良いのやら。
金曜のパウエル議長のジャクソンホールでの講演は、結局中立金利に関しては「不明」との認識。一方でタカ派寄りのコメントだったことから、あと一回利上げがあるのでなはいかという市場の警戒感が高まる形にはなりました。ただ総合的には上述のように結果的に長期金利が一服し、無難に通過した感はあります。
金利の高止まりは当然ながら消費に影響してきます。最近少しずつ意識されるようになってきたのはアメリカ人のクレジットカードのローン残高。1兆ドルという節目を超えて過去最高になったことで注目度合いが高まりました。まあ残高が増えるのはインフレなので当然としても、カードの金利も20%を超えているということで、だいぶ消費者心理に効いてくるとみられます。それが足元の小売株の売りに繋がっている格好。
アメリカ株のチャート的には各指数共に75日線に何とか支えられている形。ただ木曜の包み陰線がチャートを崩し、金曜も瞬間的とはいえ一旦下値を切り下げました。特にギガテック系銘柄が8月上値を重くしており、相応に雰囲気は悪い感じ。
為替に関してはドルインデックスの上昇が続いています。7月に100ポイントを割り込んで以降、復調が続いて5月末の戻り高値(104ポイント後半)を伺う位置に戻して来ました。ドルインデックスの過半を構成するユーロは5月末の安値水準にまで距離があるものの、2位の円が5月末水準を超えて円安に。足元でも短期筋の円売りポジションが拡大しており、この辺りがドルインデックスの上昇に貢献しています。
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そしてドルインデックスの上昇を嫌がっているのは何より中国です。足元で必死に元安を止めようとしていますが、一方のドルが強くなかなか元安トレンドが収まりません。もしあと0.5%下がると、リーマンショック以来の安値水準となります。
BRICs首脳会議を終え、新たに中東諸国やアルゼンチンなど新たに参加を希望する諸国を交え、G7への対抗軸を強めようとしています。その中でトップに立とうとしているのに、このままではインドに主導権を取られかねません。
台湾を狙う中国としては、もし台湾侵攻となるならば西側諸国の不買や規制が起こると致命的です。ロシアのように資源を輸出して稼いでいるわけではなく(一部レアメタルを除く)、資源はむしろ輸入。そして外貨は中国人労働者が製造する工業製品で稼いでいます。それが売れなくなると、ウクライナのように戦争が長引けば、戦費を賄えなくなります。まあ中国の製品を完全に不買には西側もできないでしょうけれど。
そのためG7以外の取引を増やさなければならないのですが、現状輸出はG7諸国+韓国で4割を占め、それ以外の最大相手国インドはわずかに3%に過ぎません。不動産問題で混乱している場合ではなく、新たな経済圏構築が最大の課題になっています。
商品市況に関しては、とりあえず穀物価格は相変わらず低位安定ですが、WTI原油先物は80ドル台をキープ。ベイカーヒューズの公表しているアメリカのシェール掘削リグは今年に入って右肩下がりで、供給量がドンドン落ちています。
一方、サウジがBRICsに加わろうとしていることなど、アメリカの言うコトを聞かなくなってきており、中東やロシアのOPECプラスにイニシアティブを握られている形。インフレにも影響してくるので、この辺りバイデン政権はどう考えているのやら。
今週のスケジュールとしては30日(水)は引けでJPX400の定期入れ替えに伴うリバランスなどがあります。JPX400の入れ替え自体は毎年目立った影響はないのですが(入れ替えの予見が容易なため)、TOPIXの浮動株比率リバランスも一応あります。あとついでに2、8月期決算銘柄の権利落ち日です。ここは小売り系の多い決算期であり、株主優待などが狙われやすいです。それぞれ個別株への影響に注意。アメリカでは4-6月期GDP改定値。
新興市場は「やや売り」に。昨日のグロース指数は続伸。外国人投資家が買い越しに転じてきたことで、陰の極感から脱した形。また、例年新興市場は8月が底で、年末にかけて上昇しやすい傾向があります。もっとも、昨年は8月より10月の方が安かったですし、一昨年も年末にかけて急落でしたが。とにかくここが安定すれば、プライム市場の方も無下に下落することはなさそうですが。
【ポートフォリオ銘柄】
アニコムHD(8715)は小動き。昨日は強い地合の中でも伸び悩み。自社株買いも入っているはずですが、相変わらずパッとしません。ただ個人的にはペット販売の反転が示された1Q決算以降、アナリストの評価も変わってきましたし、チャートも全ての平均線が上昇。明らかにここ3年続いた下落トレンドの流れは変わったと見ています。
売りポートフォリオの寿スピリッツ(2222)は昨日続落。昨日は中国の不買運動を懸念し、インバウンド関連株が弱い推移。代表株でもある同社も案の定売られる形になりました。日本への個人、団体旅行もキャンセルが相次いでいるとされ、一体何のために団体旅行を解禁したのやら。ただ日本株全体に関しては特にそれを嫌気する風潮はないですね。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお、上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。