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金曜の日経平均は反落。前日のNYは30年債入札が低調だったことで長期金利が4.63%に急伸。パウエル議長のタカ派発言も警戒され、3指数揃って下落の全面安。中国向けに新半導体3種類投入と伝わったNVIDIAは買われたものの、半導体関連株指数のSOXも下落でNASDAQの連騰は9でストップ。中小型株指数のラッセル2000は1.6%の下落で4連敗。WTI原油先物は横ばい。
それらを受けた日経平均は朝方から売りが先行。前日に決算を発表したソフトバンクG(9984)が大きく売られ足を引っ張りました。一方、トレンドマイクロ(4704)が好決算と自社株買いでストップ高まで気配値を上げたことでSQ値が9時40分過ぎに決まると、その後は切り返しの動き。中国株が始まるところで一旦上値が重くなりましたが、前引けにかけて下げ幅を縮めました。
後場も下げ幅を縮小の動きで、TOPIXはプラ転。そのまま引けにかけて買い戻しが続き高値圏での引けとなりましたが、日経平均の方はプラ転はできませんでした。売買代金はSQでもあり4.1兆円台と活況。REIT指数は反発でした。
投資判断は「売り」。金曜のNYはSOX指数が4%超の急伸となってハイテク株中心に買われ3指数揃って反発。長期金利は4.65%に小幅上昇しましたが、Microsoftは最高値更新。VIX指数は14.2ポイントに低下。WTI原油先物は77.4ドルに上昇。ドル円は151円台半ばに。そしてアメリカの引け後にムーディーズが米国債見通しをネガティブに変更しました。
ニュースによるとアメリカ国債のショートポジションはまた過去最大だったのだとか。今はその買い戻しが出ているところです。確かに来週のつなぎ予算期限や、いわゆるスイングステートでトランプ氏が優勢と伝わったこともあり、アメリカの長期金利は上昇圧力が強いと考えるのは自然ですが、短期的にはこの逆激にやられている投資家も多いのでしょう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-06/S3OKI9T0AFB401
私の中での今の相場のキーワードが「ゲームチェンジ」ですが、本当に根っこからゲームチェンジするのであれば、そろそろ悪い経済指標→株安に反応するはずです。市場はもう利上げ停止、先々の利下げも意識しているのですから、いつまでも金融相場が続くのは理屈に合いません。
随分前にも書いた覚えはあるのですが、私は本当の相場の下落はアメリカの利上げ局面が終わり、利下げが意識され始めてからだと思っています。逆の言い方をすれば、利下げを催促するために株が下がると見ています。市場のイメージでは「利上げ局面では株価は下がる」ですが、それはあくまで初動のみ。
例えば前回は15年11月から18年12月まで利上げが続きましたが、16年2月から18年10月までS&Pは上がりました。その利上げ開始直後、利上げ停止直後で15%くらいの株価下落が起きているのですが、今回の場合は8月~10月の下落が「利上げ停止直後の下落」に結果的になったのかも知れません。じゃあ後は上がっていくのか・・・ということになるのですが、まだその下落過程が終わったと言い切れないのが今の状況でもあります。
足元ではラッセル2000が先んじて弱く、グローバルではなくて国内での商売ウエイトの大きな中小型株は景気減速懸念を受けやすく、やはり資金をGAFAM系に奪われている印象があります。逆にGAFAMが売られラッセル2000が上がるようなら、株式市場からは資金が逃げ出していないことになります。まあ規模感は圧倒的にGAFAM系の方が大きいのですが。
WTI原油先物は7月以来の水準に。やはりサウジのGDPマイナスが効いている(=原油の自主減産が長続きしない)のだと思います。そもそも中国を始めとして景気が良くなる感じがありませんからね。そしてこの原油の下落が、オイルマネーを通じて日本株などに影響してきそうな感じです。一方、これがまたインフレ圧力の低下に繋がれば、アメリカ株にはプラスに作用しそうですが。
日本株の方のイメージとしては決算が一巡する中旬までは下げにくい相場のようにも思えます。ただ下方にアイランドリバーサルの窓を残していることもあり、月内には改めて31000円割れの水準まで引き戻されると見ています。
先週末時点の信用倍率は前週5.4倍→5.5倍に上昇。ただ買い残は3.9兆円に減りましたから、特に需給が悪化したわけではありません。先週の急反発で日経ダブルインバース(1357)の買い残はさすがに増えましたが、同じような株価水準だった9月の頃に比べると買い残はぐっと減っており、逆に言えば積み上がり余地を残しています。日経レバレッジ(1570)の売り残も同様ですね。
また先週末時点の裁定残高は買い残5,148億円に対して売り残409億円の差し引き4,739億円の買い長。前週に比べ1110億円増えました。先週の上昇を後押しした模様。
新興市場は「中立」。金曜のグロース指数は反落。一時は今週の安値を付けて、週足では長い上ひげとなりました。ここからグロース市場の決算も本格化するので警戒感が高まっている模様。円安メリットが無いことや、アメリカでラッセル2000が弱いことも、日本の小型株売りに繋がっている感じです。
【ポートフォリオ銘柄】
アニコムHD(8715)は反発。またいつものパターンで窓埋めの動きになるか・・・と思いましたが、昨日の安値を起点に切り返し、陽線引けとなりました。ただ個人的にはどうしても下の窓を埋めてこないと気が済まないような気がします。一旦548円までの下落は覚悟しておくべきでしょう。
日本マクドナルドHD(2702)は反発。そして引け後に出た決算は今期見通しの上方修正を伴う好決算。3Q単独の営業利益が144億円となっており、少なくとも過去5年でダントツで高い数字になっています。やはり取り上げ時に書いたように、実際に店舗に行った際にこれまでのマクドナルドのイメージと異なる活況ぶりだったのは、正しい見解だったようです。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお、上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。